著者
味八木 崇 暦本純一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.51, no.7, pp.775-781, 2010-07-15
被引用文献数
4

身の回りのすべてのものがネットワークに接続される環境が現実的なものとなりつつある.単一のセンサから得られる情報の価値は限られているが,それをネットワークを介して大規模に集約させていくと新たな価値や意味が生まれる.本稿では,実世界センシングとその大規模知識集約について述べる.特に,ヒューマンインタフェースの観点から,近年の応用例とともに筆者らのグループが取り組んできたWiFiによる位置測位システムPlaceEngine,それを基盤としたライフログプラットフォームLifeTag,環境センシングについての取り組みを紹介する.
著者
濱川 礼 暦本 純一
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.44, pp.329-330, 1992-02-24

マルチメディアシステムへの期待と共にメディア間の同期をどのように処理するかが重要なテーマとなってきている。現状では、この問題を解決するためにハードウエア、OSレベルでの処理(real time OS)に研究が注がれている。これは最終的に同期を行なうためには現状のハードウエア、OSでは非常に困難であるからである.一方ユーザインタフェースの立場からメディアの同期を考えてみると、主だ未解決の問題が多いのに気づく。現状の、いわゆる「マルチメディアオーサリングシステム」のほとんどは、時間軸上に複数のメディアを並べるという操作によってユーザに同期関係を定義させている。しかし、これは実際に行なうと非常に手間のかかる作業である。
著者
松下 伸行 日原 大輔 後 輝行 吉村 真一 暦本純一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.43, no.12, pp.3664-3674, 2002-12-15
被引用文献数
20 27

実世界の状況を積極的に利用する拡張現実システムのための,新しいID認識カメラシステムを提案する.人の見ている事物に応じて情報を提示する拡張現実システムは,実世界状況を積極的に利用しているが,ID認識技術が近距離でのみ利用であったために理想環境でしか実現していない.そこで,目の前から遠くまでのユーザの見ている事物を,区別するのに十分な空間解像度を持つ新しいID認識システムが必要である.本研究では光ビーコンと高速イメージセンサを利用することで,普通のカメラとしてシーンを撮像するだけでなく,ビーコンのIDを近距離から長距離まで認識できるID認識システムを提案する.このシステムをIDカメラシステムと呼ぶ.IDカメラシステムを実装し,特性評価を行った結果,実環境で使用するのに十分ロバストであることが確認された.IDカメラシステムをネットワーク型携帯端末に搭載することで,実環境において拡張現実システムの構築が可能である.This paper describes our design and implementation of a new IDrecognition system called the ID Camera system. Although AR systemspresent information according to things that people are looking at inthe real world, the present ID recognition systems can be used only inan ideal environment. Therefore, a new long range ID recognitionsystem is required. In this paper, we propose an ID recognition systemusing Optical IDs and a high-speed image sensor. The ID sensorcaptures a scene as an ordinary camera as well as recognizing the IDof the beacon from a long distance. We implemented the ID Camerasystem and performed characteristic evaluations. A mobile AR systemcan be realized by combining this ID Camera system and a PDA with awireless network.