著者
三吉 秀夫 郡司 隆男 白井 英俊 橋田 浩一 原田 康也 Hideo Miyoshi Takao Gunji Hidetosi Sirai Koiti Hasida Yasunari Harada (財)新世代コンピュータ技術開発機構 大阪大学言語文化部 玉川大学工学部情報通信工学科 電子技術総合研究所 早稲田大学法学部
雑誌
コンピュータソフトウェア = Computer software (ISSN:02896540)
巻号頁・発行日
vol.3, no.4, pp.343-349, 1986-10-15
被引用文献数
2

本論文では日本語の句構造文法JPSGとそのパーサについて述べる.JPSGは最新の句構造文法理論であるGPSGやHPSGの基本的な考え方を用い,更に日本語特有の言語現象を扱うために独自の原則を導入した日本語の文法記述体系である.特に統語範疇の集合を値とする下位範疇化素性(SUBCAT)により語順の任意性やコントロール現象が扱い易くなり,句構造規則の一般化が可能である.またJPSGはユニフィケーションを基本操作とする句構造文法であるため,計算効率の面からも有用な文法体系であり,その特徴を自然な形で記述できる論理型言語でパーサを開発中である.
著者
中田 育男 佐々 政孝 Ikuo Nakata Masataka Sassa 筑波大学電子情報工学系 筑波大学電子情報工学系
雑誌
コンピュータソフトウェア = Computer software (ISSN:02896540)
巻号頁・発行日
vol.3, no.1, pp.47-56, 1986-01-14

正規表現で定義される構造をもった入力を意味処理まで含めて処理しなければならない場合は多い.そのような処理を形式的に取り扱う方法としては文脈自由文法に意味規則を付加した属性文法を使うものがあるが,それでは入力の構造との対応が必ずしもよくないし,処理方法も複雑である.本論文では,このような入力の構造と意味を自然に記述できる意味規則つき正規表現を提案し,その処理法について述べる,最初に,正規表現の中に意味規則を挿入した意味規則つき正規表現を定義し,次に,意味規則つき正規表現から意味処理つき非決定性有限オートマトン(NFA)への変換アルゴリズム,および,NFAから意味処理つき決定性有限オートマトン(DFA)への変換アルゴリズムを与える.最後に,意味規則つき正規表現を,正規表現で定義できる構造をもったデータを処理するプログラム,すなわちデータ構造直結型プログラムに応用するために必要な意味規則および変換アルゴリズムの拡張方法を述べる.
著者
椎尾 一郎 浜田 玲子 美馬 のゆり Itiro Siio Reiko Hamada Noyuri Mima お茶の水女子大学理学部情報科学科 東京大学情報理工学系研究科 公立はこだて未来大学システム情報科学部 Department of Information Sciences Ochanomizu University Graduate School of Information Science and Technology The University of Tokyo School of Systems Information Science Future University-Hakodate
出版者
Japan Society for Software Science and Technology
雑誌
コンピュータソフトウェア = Computer software (ISSN:02896540)
巻号頁・発行日
vol.23, no.4, pp.36-46, 2006-10-26
参考文献数
9
被引用文献数
10

キッチンは生産の場であり,調理を媒介とした教育とコミュニケーションの場でもある.このため,家庭環境の中でも,実用的なユビキタスコンピュータアプリケーションの可能性が高い場所と考えられる.そこで筆者らは,コンピュータ,ネットワーク,センサを組み込んだ未来のキッチン,Kitchen of the Futureを開発している.このコンピュータ強化されたキッチンにより,単に調理の効率を向上させるだけではなく,キッチンを学びとコミュニケーションの場として復活させることができると考えている.本論文では,Kitchen of the Futureを利用して実装した,調理の記録とネットワークでの公開と共有,調理過程の再生,遠隔地キッチンを接続しての調理支援,調理教材の効果的な提示を実現するアプリケーションについて報告する.A kitchen is a place of food production, education, and communication. As it is more active place than other parts of a house, there are lot of potential ubiquitous computing applications in a kitchen. We are developing a computer-augmented kitchen environment: the Kitchen of the Future that embeds various computing elements into a standard kitchen unit. In this paper, we will describe overview of the Kitchen of the Future system and its three applications, i.e, web-ready recipe pages generator, video conference system for cooking instruction, and interactive cooking navigation system.
著者
長 慎也 筧 捷彦 Shinya Cho Katsuhiko Kakehi 早稲田大学理工学部 早稲田大学理工学部 School of Science and Engineering Waseda University. School of Science and Engineering Waseda University.
出版者
Japan Society for Software Science and Technology
雑誌
コンピュータソフトウェア = Computer software (ISSN:02896540)
巻号頁・発行日
vol.20, no.4, pp.369-374, 2003-07-25
参考文献数
9

ユーザの入力した検索語をもとに同義語の組を抽出する手法を提案する.本手法は,ユーザが入力した検索語の共起関係から,つながりと呼ばれる検索語間の関係を定義し,この関係を強く持つ検索語同士から同義語の組を抽出する.また,実際に稼働している全文検索システムを用いた実験を行い,本手法の有効性を検証した.実験に用いた検索システムはlinux-usersメーリングリストのアーカイブを検索するシステムであり,2002年2月から6月までの約7万リクエストについて解析を行った.
著者
大岩 元 Hajime Ohiwa 豊橋技術科学大学情報工学系
雑誌
コンピュータソフトウェア = Computer software (ISSN:02896540)
巻号頁・発行日
vol.5, no.3, pp.218-227, 1988-07-15

ソフトウェアの生産性が問題となっているが,必ず実効の上がる改善策としてキーボード教育がある.まず英文タイプのブラインド技術はわずか2~3時間の初期訓練によって獲得できるものであることを示し,続いてタイピング作業の認知モデルを,タイピングCAIプログラムと関連させて述べる.ソフトウェア作成には文書化作業が大きな比重をしめるが,この作業効率を上げるには,下書きせずに技術者が直接ワークステーションで文書作成を実行することが望ましい.これには日本語入力の方法とそれをどのように教育するかが問題となる.そこでまず日本語入力の基本となる,各種カナ入力法について論評を加える.さらに漢字の直接入力法について論じた後,入力法の評価に関する研究をいくつか紹介し,それが非常に困難な問題であることを示す.最後にキーボードと計算機本体の接続を標準化すべきことを指摘する.
著者
阿部 洋丈 Hirotaka Abe 科学技術振興機構 CREST JST CREST
雑誌
コンピュータソフトウェア = Computer software (ISSN:02896540)
巻号頁・発行日
vol.23, no.1, pp.1-14, 2006-01-26

本稿では,近年注目を集めているPeer-to-Peer型分散システムを構築するための基盤技術,分散ハッシュテーブル(Distributed Hash Tablel; DHT)についての入門的な解説を行う.分散ハッシュテーブル技術は,システム全体を管理する中央サーバを持たないようなPeer-to-Peerシステム(pure Peer-to-Peerシステム)において,効率的なオブジェクト発見の実現を可能にする.