著者
慶応義塾大学法学部曽根泰教ゼミ
出版者
文芸春秋
雑誌
文芸春秋
巻号頁・発行日
vol.62, no.1, pp.p382-387, 1984-01
著者
曽根 泰教 玉村 雅敏 古谷 知之 柳瀬 昇
出版者
慶應義塾大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2010

本研究は、「討論型世論調査」という社会実験を実施することにより、民主主義において解決が難しいとされている「世代を超える問題」(将来世代と現世代との関係をめぐる問題)を解決できるのかについて検討するものである。全国の有権者3,000人を対象とする世論調査を実施し、その回答者のうち、さまざまな世代の男女127名が、2泊3日の討論フォーラムに参加した。参加者は、各3回の小グループ討論と全体会議で議論し、その前後でアンケート調査に回答した。その結果、将来世代の利益をも考慮に入れて問題を十分に把握して議論をし、有意な意見変化を観察することができた。
著者
有賀 弘 高橋 進 曽根 泰教 坂野 潤治 半沢 孝麿 佐々木 毅
出版者
東京大学
雑誌
総合研究(A)
巻号頁・発行日
1986

本研究の目的は, 政治過程における議会の機能を政治思想史的, 政治史的, 現状分析的に多角的に検討することにある. こうした政治学的なアプローチを駆使することによって, 単なる法制度論のレベルで終わりがちだった議会制の研究は, より一層の前進を見ることができるのである.本研究による第一の成果は, 20世紀に入ってからの行政国家化, 福祉国家化とともに議会機能が低下したという通説的な理解である議会無能論ないしは議会無用論に対して, 再検討を加えた結果, 次の点が明らかになったことである. (1)シンボル・統合機能, (2)立法機能, (3)代表機能, (4)(議院内閣制における)行政部形成機能, (5)争点明示機能, (6)行政部統制機能, (7)政治的補充機能などのすべての議会機能が一様に低下したのではない. むしろ「政治」課題や案件の増大に伴って, 政策形成や決定の機能は, 議会だけでなく行政部や政党, マス・メディアや「運動」などの政治的生体に分担されるようになったが, その多くは, 議会の媒介的機能を通じて政治の「場」に登場してきているという点である.第二の成果は, 従来の議会研究においては, 議会制民主主義のモデルとしてのイギリスや強い影響力をもつアメリカの議会がおもに歴史的視点に立って分析されてきたが,本研究においては, 両国だけでなくドイツ, イタリア, オランダそして日本の議会も分析の対象とし, しかも比較的最近の動向まで扱っているために, かなり網羅的になった点である.とくに日本の議会制については, 戦前の帝国議会と戦後の国会の双方を扱い, しかも議会機能の諸モデルの検討や代替モデルの仮説的提示, 各種の事例やデータによる分析を行っており, 包括的な検討が加えられた.本研究の成果は, 今後さらに議会研究を進める際, その重要な拠り所となるであろう.