著者
杉浦 俊彦 阪本 大輔 朝倉 利員 杉浦 裕義
出版者
養賢堂
雑誌
農業氣象 (ISSN:00218588)
巻号頁・発行日
vol.66, no.3, pp.173-179, 2010-09 (Released:2011-07-26)

モモにおける自発休眠覚醒期推定技術の開発に向けて、自発休眠覚醒効果の温度間差を‘白鳳’の生態実験により検討した。その結果、次のことが示された。1.自発休眠覚醒に対して最も有効な温度は6℃であった。6℃よりも温度が低下するに従って自発休眠覚醒効果は低下し、6℃の効果を1とすると、3℃では約0.9、0℃では約0.7であった。また、-3℃でも一定の効果が認められたが、-6℃では効果は認められなかった。2.6℃よりも高くなっても効果が低下し、9℃では約0.9、12℃では約0.6、15℃では効果は認められなかった。3.この自発休眠覚醒効果の温度間差について、変温条件下における妥当性を検討するため、これらの結果からチルユニットの係数を策定し、露地での自発休眠覚醒状況に適用したところ、よく適合した。
著者
村松 昇 田中 敬一 朝倉 利員 立木 美保 土師 岳
出版者
園芸学会
雑誌
園芸学会雑誌 (ISSN:00137626)
巻号頁・発行日
vol.73, no.6, pp.541-545, 2004-11-15
被引用文献数
2 2

モモ果実由来の細胞壁中のアルカリ性溶液に可溶のペクチン性多糖類の単離及び分析を行った.モモ果実の粗細胞壁から,水とキレート剤(CDTA)によって溶出される多糖類を取り除いた後50mM Na_2CO_3, 1 M KOH及び4 M KOHを使って分画した.分画された多糖にイオン交換カラム・クロマトグラフィー(DEAE-Sepharose 5 cm×30 cm)を用いて,さらに分画を試みた.その結果,50mM Na_2C0_3画分の多糖類は更に分画できなかったが,1 M KOHでは3つ(1 M KOH-a, b, c), 4 M KOH (4 M KOH-a, b, c, d)では4つに,それぞれ分画できた.1 M KOH可溶性画分のうち酸性多糖類を含む分画(1 M KOH-b, c)についてさらに分析を行った.分画b及びcの主要な糖はそれぞれキシロースとアラビノースであった.分画bとcにゲルろ過(Sepharose CL 4B 1.5 × 30 cm)を行った結果,分画bの方が分画cよりも明らかに分子量が低かった.また,未熟果(8月7日収穫)から得られた細胞壁は過熱果(8月24日収穫)よりも分子量が両分画とも高かった.さらに,キシラナーゼ処理と糖分析の結果から,分画bはキシランとラムノガラクツロナンの複合糖鎖であると推定された.また,分画cは糖分析と加水分解の結果から,キシログルカンとラムノガラクツロナンの複合糖鎖であると推定された.