著者
木村 恵理子 藤堂 浩明 杉林 堅次
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
YAKUGAKU ZASSHI (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.132, no.3, pp.319-324, 2012-03-01 (Released:2012-03-01)
参考文献数
19
被引用文献数
2 2

Human beings are exposed or otherwise a subjected to a various chemical compounds. Various nanomaterials are contained in the chemical compounds which are used in many fields. Nanomaterials are also used in cosmetics: titanium dioxide and zinc oxide are examples. Consumers who apply cosmetics to their skin as well as workers at industrial plants may thus be exposed to these nanoparticles. Therefore, it is of great importance to evaluate the safety of these nanoparticles. In this review, we describe the possibility of nanoparticle penetration to skin following exposure, which makes it urgent to evaluate the safety factors. In general, it is necessary to take account of the desquamation rate of the stratum corneum and the permeation pathway and size of nanoparticles when considering such penetration. One layer of the human stratum corneum is peeled off per day. Therefore, a chemical compound of which the skin penetration is lower than the desquamation rate does not permeate through the skin, when the compound infiltrates the stratum corneum. Hence, compounds with a molecular weight of more than 500 Daltons do not permeate through the stratum corneum. However, we must also pay attention to the appendage routes, although the aforementioned layer is the primary permeation route of nanoparticles. The contribution of appendage routes must be taken into consideration.
著者
永渕 輝佳 中田 活也 玉木 彰 永井 宏達 永冨 孝幸 木村 恵理子 濱田 浩志 二宮 晴夫
出版者
日本理学療法士協会(現 一般社団法人日本理学療法学会連合)
雑誌
理学療法学Supplement Vol.41 Suppl. No.2 (第49回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.1325, 2014 (Released:2014-05-09)

【はじめに,目的】私達は第48回日本理学療法学術大会において筋温存型MIS-THAであるanterolateral-supine approach(AL-S)と筋切離型MIS-THAであるposterolateral approach(PA)の進入法の違いによって股関節外転,伸展,外旋の筋力回復はAL-Sのほうが早いことを報告した。また,Gremeaux(2008年)らは,THA術後の筋力回復において大腿四頭筋と下腿三頭筋へ低周波を行うことによって,膝伸展筋力の改善があると報告しているが,股関節周囲筋への電気刺激による筋力への影響を検討した報告はみられない。そこで今回,THA術後早期の下肢への電気刺激(Electric muscle stimulation:EMS)が術後下肢筋力,達成度に与える影響を明らかにすること目的に検討を行った。【方法】当院において変形性股関節症(股OA)を原因疾患として初回片側THAの施行症例で脱臼度Crowe分類III度以上の股OA,非手術側が有痛性の股関節疾患を罹患している者を除外した70例を対象とした(全例女性・平均年齢63.0±7.6歳)。これらの内訳は,AL-S群32例(62.8±7.2歳),PA群32例(63.0±8.2歳),PAの電気刺激群(EMS-PA)6例(60.8±5.5歳)であった。身長,体重,BMI,手術時年齢は3群間に統計学的有意差は認めなかった。手術はすべて同一の術者が行い,術後は3群ともに同一のクリニカルパスを使用し,術翌日より理学療法士による関節可動域練習,筋力増強練習,歩行練習,ADL練習を実施した。EMS-PA群においては手術側の大殿筋に対して術後3日目より週5日を3週間行った。電気刺激の周波数20Hz,肢位はベッド上背臥位とし,関節の動きを含まないような収縮を20分間行い,不快感や痛みを訴えた場合は中止した。電気刺激装置はホーマーイオン社製オートテンズプロIIIを使用した。検討項目は股関節外転,屈曲,伸展,外旋,内旋,膝関節伸展,屈曲筋力とし,術前,術後10日(10D),21日(21D),2カ月目(2M)に測定した。筋力測定にはHand-Held Dynamometerを使用し,同一の検者によって行い,得られた値からトルク体重比(Nm/Kg)を算出した。達成度は手術日からのStraight Leg Raiseが可能,片脚立位(SLS)が可能,杖自立,独歩自立になるまでの日数を調査した。統計学的検討は筋力推移の比較には分割プロット分散分析3×4,進入法(AL-SとPA,EMS-PA)×時期(術前,10D,21D,2M)を行った。術前に有意差を認めた項目は共分散分析を行い,交互作用を認めた項目は多重比較検定を行った。達成度の検討は一元配置分散分析を用い,有意差を認めた項目は多重比較検定を行った。全ての検定の統計学的有意水準は5%とした。【倫理的配慮,説明と同意】本研究は当院倫理委員会による承認を受けた上で実施した。全対象者に対し,事前に十分な説明を行い,研究参加への同意と同意書への署名を得た。【結果】筋力推移の比較では股関節外転(p<0.01)屈曲(p<0.05)外旋(p<0.01)伸展(p<0.01)筋力において進入法と時期の要因間に交互作用が認められた。各時期の3群間の比較では股関節外転は術後10DではAL-SがPAより高く,21D,2MではAL-S,EMS-PAがPAより高かった。股関節外旋は術後10DではAL-SがPA,EMS-PAより高く,EMS-PAがPAより高かった。21DではAL-SがPA,EMS-PAより高く,2MではAL-SがPAより高かったがEMS-PAとの間には有意差はなかった。伸展は10DではAL-SがPAより高かったがEMS-PAとの間には有意差はなかった。達成度は,SLS可能日数,杖歩行自立までの日数は3群間に有意差が認められ,両項目ともにAL-S群がPA群より有意に早かったがEMS-PAとの間には有意差はなかった。EMSは全例,途中で中止することなく行えた。【考察】電気刺激療法の効果としては筋機能の改善,疼痛緩和,組織修復促進,血管新生,血管透過性の促進などが報告されている。Simon(1990年)らは大殿筋への電気刺激により臀部の血流が増加したと報告しており,今回の電気刺激の強度,頻度から考えると大殿筋に関与している股関節伸展や外旋筋力がPAに比べ回復していたのは,電気刺激により血流増加による疼痛緩和や動員される運動単位の増加,type2繊維の筋収縮を促すことが筋機能の向上に繋がったのではないかと考える。外転筋力に関しては,短外旋筋は関節の後方安定性に寄与していると言われており,EMS-PAがPAより外旋筋力が高かったことからEMS-PAの股関節の安定性が向上し外転筋力が改善したのではないかと考える。本研究の結果より,THA後の電気刺激は安全に行うことができ,術後の筋力回復に有用であることが示された。【理学療法学研究としての意義】THA術後早期の下肢への電気刺激が術後下肢筋力,達成度に与える影響を明らかにすることで,術後早期のリハビリテーションにおける個別プログラム立案の一助になると考えられる。
著者
鈴木 雅雄 綿引 元 河合 隆 百々 修司 山本 英明 竹内 鉄郎 樋口 哲也 白石 勉 日置 弥之 近藤 真弘 都宮 伸 木村 恵理子 神谷 明江 小川 博 家本 陽一 下川 邦泰
出版者
一般社団法人日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.32, no.8, pp.2191-2192, 1999-08-01

従来より食道表在癌のX線学的深達度指標として, 病変正面像での陰影斑の濃度, 病巣内隆起の大きさ, 辺縁隆起の程度の3因子と各々の組み合わせ, 病変側面像で壁不整像, 陰影欠損像, 伸展障害の程度の3因子と組み合わせにより深達度推定を行い, 高い精度を得ている。表在癌m_1 35, m_2 20, m_3 22, sm_1 6で再検討を行った。陥凹型では陰影斑の濃度と顆粒像の組み合わせが最も有用であり, m_3の顆粒像は5mm以下であった。不整な顆粒像では4mmでもsm_1があった。隆起はm2bから欠損像を呈し, 腫瘍量を表している。伸展障害はsm以深の線維化の程度を反映した。