著者
豊田 智宏 樋口 哲也
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.27-31, 2019-04-10

summary固定疹は原因物質の摂取のたびに同一部位に繰り返し生じる皮疹である.原因として薬剤による頻度が高いが,食物など薬剤以外によるものでも引き起こされることが知られている.非薬剤性の場合,原因物質の特定が困難な場合が多く,診断に時間を要してしまうことが多い.薬剤内服歴がなければ早期診断のために詳細な問診を行うことが重要であり,確定診断には負荷試験が最も有用である.トニックウォーターによる固定疹はトニックウォーター中に含まれるキニーネにより引き起こされることが報告されている.キニーネを含む水は紫外線照射で青く発光するため容易に検査することができ,国内で流通しているトニックウォーターにはキニーネを含んでいる製品も認められている.今日ではトニックウォーターを使用したカクテルなどの種類も豊富であり,知らずにキニーネを摂取してしまう機会が多くなっているため注意が必要である.
著者
荒木 英人 村川 正宏 小林 匠 樋口 哲也 久保田 一 大津 展之
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告数理モデル化と問題解決(MPS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2009, no.19, pp.73-76, 2009-02-26

多チャンネルの時系列データからの異常検知は,時系列データ源の状態や変化を検知する上で重要である.そこで我々は多チャンネルの時系列データから高次局所相関に基づいた特徴量を抽出し,抽出した特徴量より異常の検知を行う.普段頻繁に得られるデータを正常パターンとして,主成分分析を行うことでそのパターンの成す正常部分空間を抽出する.得られた空間からの逸脱度を異常値として定義し,この値の多寡で異常を検知する.本手法の性能評価のため,心電図データを対象として,異常検知性能の評価量にF値を用い,従来手法と比較した.その結果,提案手法の優位性を示すことができた.Abnormality detection in multi-channel time-series data is important for detecting and understanding changes of states in the source of the data. We propose a method for automatically detecting abnormality by using correlation-based features of multi-channel time-series data. In general, the feature vectors for normal patterns, which occur frequently in time-series, form the low-dimensional subspace in the feature space. The proposed method exploit the subspace by PCA and defines the abnormality as deviation from the subspace. In the experiment of abnormality detection in electrocardiogram, the proposed method outperformed conventional methods in terms of F-measure.
著者
樋口 哲也
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.40, no.8, pp.795-800, 1999-08-15
被引用文献数
11
著者
諏佐 達也 村川正宏 高橋 栄一 古谷 立美 樋口 哲也 古市 愼治 上田 佳孝 和田 淳
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌数理モデル化と応用(TOM) (ISSN:18827780)
巻号頁・発行日
vol.48, no.15, pp.78-87, 2007-10-15
被引用文献数
1

製造ばらつきにより発生するクロック・スキューの問題を解決するための手法として,遺伝的アルゴリズムを用いたディジタル LSI の製造後クロック調整技術が提案されている.しかし,大規模な LSI の調整では,調整箇所が増大するため,調整時間が増加するという問題がある.そこで,本研究では,大規模ディジタル LSI にも適用可能な製造後クロック調整の高速化手法を提案する.提案手法では,LSI 設計時に行う STA(Static Timing Analysis)の結果を用いて調整箇所を限定し,調整時間を短縮する.それに加えて,遺伝的アルゴリズムの初期集団の分布を工夫することで,さらに調整時間を短縮する.さらに,これらの手法による調整効果を LSI の設計時に検証できるようにするための調整シミュレータを開発した.このシミュレータを用いた調整実験の結果,1 031 カ所のフリップフロップが存在する実用的な回路において,数秒という現実的な時間で調整が完了できる見込みを得た.To solve the problem of fluctuations in clock timing with large scale digital LSIs (also known as the "clock skew" problem), the post-fabrication clock-timing adjustment technique using a genetic algorithm (GA) has been proposed. However, the adjustment time increases incurred when more programmable delay circuits are incorporated within large-scale LSIs is a serious issue. For this problem, we propose a post-fabrication clock adjustment method to realize practical applications. This method reduces the adjustment time by reducing adjustment points utilizing results of static timing analysis (STA) and adopting improved distribution for initial population of GA. Moreover, we have developed an adjustment simulator to predict the adjustment results by the proposed method in design stages of LSIs. Adjustment experiments using the developed simulator demonstrate that our method can adjust practical LSIs with 1,031 flip-flops within a few seconds.
著者
樋口 哲也
出版者
公益社団法人 応用物理学会
雑誌
応用物理 (ISSN:03698009)
巻号頁・発行日
vol.77, no.8, pp.954-960, 2008-08-10 (Released:2019-09-27)
参考文献数
19

人工知能の探索技法である遺伝的アルゴリズムを用いてハードウエア自身が動作環境に最適な構成を自律的に実現する進化型ハードウエアとその応用について述べる.産総研やNASAの事例を中心に,半導体,アナログ回路設計,データ伝送,レーザー,MEMSなど,工学的応用を紹介する.
著者
樋口 哲也 北野 宏明
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.34, no.7, pp.871-883, 1993-07-15
参考文献数
49
被引用文献数
21

遺伝的アルゴリズムは、組合せ最適化問題に対して適用できる汎用の探索技法である。近年、学習の新しいパラダイムとしても注目されつつある遺伝的アルゴリズムの、概要と応用について述べる。
著者
鈴木 雅雄 綿引 元 河合 隆 百々 修司 山本 英明 竹内 鉄郎 樋口 哲也 白石 勉 日置 弥之 近藤 真弘 都宮 伸 木村 恵理子 神谷 明江 小川 博 家本 陽一 下川 邦泰
出版者
一般社団法人日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.32, no.8, pp.2191-2192, 1999-08-01

従来より食道表在癌のX線学的深達度指標として, 病変正面像での陰影斑の濃度, 病巣内隆起の大きさ, 辺縁隆起の程度の3因子と各々の組み合わせ, 病変側面像で壁不整像, 陰影欠損像, 伸展障害の程度の3因子と組み合わせにより深達度推定を行い, 高い精度を得ている。表在癌m_1 35, m_2 20, m_3 22, sm_1 6で再検討を行った。陥凹型では陰影斑の濃度と顆粒像の組み合わせが最も有用であり, m_3の顆粒像は5mm以下であった。不整な顆粒像では4mmでもsm_1があった。隆起はm2bから欠損像を呈し, 腫瘍量を表している。伸展障害はsm以深の線維化の程度を反映した。
著者
梶谷 勇 樋口 哲也
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MBE, MEとバイオサイバネティックス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.130, pp.75-82, 2001-06-15

節肉の活動電位(以下では筋電と略す)によって操作可能な義手(以下では筋電義手と略す)は, すでに実用化されているものも多いが, これらの多くは1つの機能(例:手先の開閉)しか筋電によって操作できず, 日常生活においては不便である. このため, 近年, 複数機能を操作可能な筋電義手に対する関心が高まり, 様々な研究機関や大学で研究が行われているものの, そこでは, 主に筋電からの多動作識別を目指すに留まり, 使う人のニーズが十分に把握されないまま, 研究, 開発が行われているのが現状である. そこで本稿では, 多機能筋電義手のニーズを調査するためにアンケート調査を行った. つまり, 義手の機能面や, 快適性, 信頼性, 価格面などに対する意識を調査した. このアンケート調査の結果, 今後の多機能筋電義手の開発に向けて注意すべき, 様々な知見を得ることが出来た.
著者
梶谷 勇 星野 力 西川 大亮 横井 浩史 梶原 信樹 樋口 哲也
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解
巻号頁・発行日
vol.98, no.275, pp.9-16, 1998-09-18
被引用文献数
3

表面筋電位のパターン認識によるユーザインタフェースの一つの実現例として, 筋電操作型義手がある.従来の筋電操作型義手では, 表面筋電位に個人差ががあるために, 障害者が義手に対して適応する必要があった(約1ヶ月の訓練が必要).そこで本研究では, 従来とは逆に障害者に対して適応できるような義手を開発する.適応の手段としては, 高速に適応でき, かつ, 小さく実装可能な, 進化するハードウェアを用いる.