著者
斎藤 公明 山本 英明
出版者
公益社団法人 日本アイソトープ協会
雑誌
RADIOISOTOPES (ISSN:00338303)
巻号頁・発行日
vol.63, no.11, pp.519-530, 2014-11-15 (Released:2014-11-28)
参考文献数
17
被引用文献数
2

放射線防護において外部被ばくの線量評価及び測定に用いられる諸線量のうち,福島事故における環境放射線測定・評価で頻繁に使用される線量に焦点をあてて,基本的な意味と特徴について説明する。この中で,基本的な物理量である吸収線量,放射線防護の判断基準となる実効線量と等価線量,放射線測定に使用される周辺線量当量H*(10)と個人線量当量Hp(10)を取り上げ,それらの関係等についてわかりやすく解説する。
著者
三上 智 松田 規宏 安藤 真樹 木名瀬 栄 北野 光昭 川瀬 啓一 松元 慎一郎 山本 英明 斎藤 公明
出版者
公益社団法人 日本アイソトープ協会
雑誌
RADIOISOTOPES (ISSN:00338303)
巻号頁・発行日
vol.64, no.9, pp.589-607, 2015-09-15 (Released:2015-09-29)
参考文献数
29
被引用文献数
1

福島周辺における空間線量率や放射性核種沈着量の地域的分布及び経時変化の特徴について,様々な手法による大規模環境調査の解析結果に基づいて紹介する。また,除染モデル実証事業後の継続的な環境測定結果を基に,除染効果の継続性に関する議論を行う。さらに,土地利用状況ごとの環境半減期の解析結果,及びこれをベースにした空間線量率の将来予測の例について紹介する。
著者
山本 英明 浅野 芳裕 松井 浩
出版者
Japan Health Physics Society
雑誌
保健物理 (ISSN:03676110)
巻号頁・発行日
vol.19, no.1, pp.25-32, 1984 (Released:2010-02-25)
参考文献数
15
被引用文献数
2 1

The literature on plutonium aerosols was surveyed for information (1) particle size distributions of plutonium aerosols from nuclear facilities, (2) collection efficiencies for plutonium aerosol particles of multi-stage HEPA filter systems used as exhaust air cleaning systems in these facilities, and (3) particle size distributions of plutonium aerosols discharged through the air cleaning systems.Following are the results.1. Mean particle sizes of plutonium aerosols from chemical plants are about 0.5μm AMAD and from fuel fabrication plants about 3μcm AMAD.2. Average collection efficiencies for plutonium aerosols of the first and second stage HEPA filters in the multi-stage HEPA filter systems exceed 99.99%.3. Mean particle sizes of plutonium aerosols discharged through the air cleaning systems are 0.2μm-0.4μm AMAD for chemical plants and 0.5μm-1.2μm AMAD for fuel fabrication plants.
著者
山本 英明
出版者
東北大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2013-08-30

細胞培養液中で基板表面の細胞親和性を局所的に改質することにより,神経細胞の突起伸長経路を制御できる.これまでに,酸化チタン(TiO2)の光触媒作用を活用して,表面の細胞接着阻害膜を培養液中において分解除去し,そこに足場タンパク質を物理吸着させることで,細胞を液中パターニングできることを示してきた.しかし,神経細胞への応用を試みたところ,足場タンパク質の安定性が不十分で,細胞を接着させることができなかった.そこで,ribosomal protein L2 (Si-tag)をリンカーとして用いることで,タンパク質を被改質領域に安定に固定し,その領域に初代神経細胞を選択的に接着させることを試みた.
著者
永田 真 田部 一秋 山本 英明 丸尾 仁 木内 英則 坂本 芳雄 山本 恵一郎 土肥 豊
出版者
一般社団法人 日本アレルギー学会
雑誌
アレルギー
巻号頁・発行日
vol.42, no.5, pp.628-634, 1993
被引用文献数
6

ダニ抗原感受性の成人気管支喘息におけるrush immunotherapy (RI) の至適施行指針を確立する目的で, 筆者らはRIを施行した38症例についての臨床的解析を行った。全例で10日以内にハウスダスト (HD) 10倍液の0.10ml以上の維持量に到達可能であった。全身的副作用は10倍液の0.15ml以上の注射時に多くみられ, また注射部位の発赤・腫脹径が8cm以上を示した症例で高頻度であった。喘息発作の誘発に先行して気道系の前駆症状が高率にみられた。RIの臨床的な有効率は, 1秒率<70%の症例では明らかに低値であり, また。維持量が10倍液の0.10mlの群と0.20m以上の群との間では差はみられなかった。以上の成績からHDを用いるRIにおいては, 1) 非発作時の1秒率が70%以上の症例を選択すること, 2) 10倍液の0.10mlを原則的な到達目標量とすること, 3) 局所皮膚反応が8cm以上となるか, 気道の違和感などの前駆症状がみられた場合は抗原量の増量には慎重を期すること, などがその安全性と有効性を向上させる観点から推奨されると考えられた。
著者
鈴木 雅雄 綿引 元 河合 隆 百々 修司 山本 英明 竹内 鉄郎 樋口 哲也 白石 勉 日置 弥之 近藤 真弘 都宮 伸 木村 恵理子 神谷 明江 小川 博 家本 陽一 下川 邦泰
出版者
一般社団法人日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.32, no.8, pp.2191-2192, 1999-08-01

従来より食道表在癌のX線学的深達度指標として, 病変正面像での陰影斑の濃度, 病巣内隆起の大きさ, 辺縁隆起の程度の3因子と各々の組み合わせ, 病変側面像で壁不整像, 陰影欠損像, 伸展障害の程度の3因子と組み合わせにより深達度推定を行い, 高い精度を得ている。表在癌m_1 35, m_2 20, m_3 22, sm_1 6で再検討を行った。陥凹型では陰影斑の濃度と顆粒像の組み合わせが最も有用であり, m_3の顆粒像は5mm以下であった。不整な顆粒像では4mmでもsm_1があった。隆起はm2bから欠損像を呈し, 腫瘍量を表している。伸展障害はsm以深の線維化の程度を反映した。