- 著者
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本川 達雄
- 出版者
- 一般社団法人 日本高次脳機能障害学会
- 雑誌
- 高次脳機能研究 (旧 失語症研究) (ISSN:13484818)
- 巻号頁・発行日
- vol.37, no.1, pp.1-6, 2017-03-31 (Released:2018-04-01)
- 参考文献数
- 16
サイズの生物学によれば, 時間は体重の 1/4 乗に比例し, 体重当たりのエネルギー消費量は体重の 1/4 乗に反比例する。よって, 動物の時間の速度はエネルギー消費量に比例するという関係が得られる。 この関係は現代人の社会生活の時間にもあてはまると考えた。そしてエネルギーによりつくり出された異常に速い時間が現代人のストレスの源になっていると心配した。現代人はエネルギーを使って時間をつくり出す。一つにはコンピュータなどの時間加速装置を用いて余暇を生み出している。もう一つは医療により死という不活発な時間を活発なものに変換している。こうして人工的に生み出された時間とどうつきあうかは, 高次脳機能障害の治療に関わる方々にとっても, 大きな課題であろう。