著者
本村 暁
出版者
認知神経科学会
雑誌
認知神経科学 (ISSN:13444298)
巻号頁・発行日
vol.22, no.2, pp.68-77, 2021 (Released:2021-04-13)
参考文献数
36

【要旨】 失語症の定義、失語症候群の意味、失語症分類について臨床医の観点から論じた。失語症分類:症状を整理し、症例をグループ分けする方法であり、病変部位や閉塞血管との一定の対応関係がある。原発性進行性失語の分類は、病変の分布や分子病理との対応関係が明らかにされつつある。失語症候群:4つの言語様式全般にわたる言語症候の組み合わせからなる症候群である。左大脳半球の病巣を示す。血管性失語と変性性失語の相違、言語野の回路網の最近の考え方について述べた。失語症の定義:難問であり、万人が納得できるよう定義することは困難であるともいわれている。脳の個体差、病前の言語能力という多様性と、症候群(症候の組み合わせ)の定義であることに起因していると考えられる。
著者
朝原 秀昭 丸山 俊一郎 本村 暁 田村 潔 三好 甫
雑誌
臨床神経学 (ISSN:0009918X)
巻号頁・発行日
vol.38, no.4, pp.301-304, 1998-04-01
参考文献数
22
被引用文献数
1

1 0 0 0 OA 失語のみかた

著者
本村 暁
出版者
日本失語症学会 (現 一般社団法人 日本高次脳機能障害学会)
雑誌
失語症研究 (ISSN:02859513)
巻号頁・発行日
vol.22, no.3, pp.221-224, 2002 (Released:2006-04-25)
参考文献数
7

ベッドサイドにおける,失語の定性的な観察・記載法について述べた。まえおきとして,脳卒中 (脳梗塞) 診療での失語の症候学的意義について概観した。   失語は,病変の側 (side),脳梗塞の病型 (ラクナ,アテローム血栓,心原性塞栓),病変部位について有力な情報となる。とくに Wernicke失語と心原性脳塞栓の関連について触れた。ベッドサイドの失語のみかたの要点は,話す (自発語,命名,復唱) ・聞く (聴覚的理解) ・書く・読む (書字理解) という言語の 4様式における障害とその質,失語症全体の重症度をつかむことである。