著者
朴 堯星 袰岩 晶 茶山 秀一
出版者
科学技術政策研究所 第1調査研究グループ
巻号頁・発行日
2012-09-10 (Released:2012-09-10)

本稿は、我が国における博士課程修了者等のうち、人文・社会科学分野を専攻していた博士課程修了者等の基本属性と進路動向を分析したものである。その主な特徴は、大学教員として就職する者の割合が約45%(専任およびその他を含む)と理系の19.7%に比べて高いことである。一方、博士課程修了直後にポストドクターとなった者のうちポストドクターの職に留まる者は博士課程修了から時間が経つにつれて減少し、5 年後には人文科学の場合15.1%、社会科学の場合9.3%になり、博士課程修了5 年後に専任の大学教員になった者はそれぞれ56.6%、74.4%まで増えている。これはポストドクターから専任の大学教員になるというアカデミックなキャリアパスが開かれていることを示している。ただし博士課程修了直後に大学の非常勤職等に就いた者は、博士課程修了から5 年後にもそれぞれ65.7%、46.1%が非常勤職等に留まっている。
著者
前田 忠彦 朴 堯星 吉川 徹 尾崎 幸謙
出版者
統計数理研究所
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2018-04-01

2019年度は,「日本人の国民性調査」に関連して次の内容を実施した。(1a)2018年度に実施した「日本人の国民性 第14次全国調査」についてのデータクリーニング、および関連する調査地点データ等の整備、(1b)同調査の基礎集計の吟味と主な時系列的な知見の整理、(1c)先に整理が進んだ過去のデータに基づく共同分析の実施と成果発表,(2)過去(第13次全国調査まで)の調査データに付帯するメタデータ情報の整理と共同利用研究のためのデータ整備、(3)オンラインパネルに対するウェブ調査の方法論の検討、等。(1a)に関しては調査報告書の発行とウェブ上での公表を予定していたが,データ整備の遅延により2020年度に先送りした。(1b)について,継続調査の中で長期にわたって利用されてきた調査項目の多くでは,(変化自体が観察されにくくなっていることを含めて)これまでの動きと同質の傾向性が見られる一方,2013年度実施の第13次全国調査で見られた「東日本大震災後」に特有の意識,たとえば自然災害に対する不安や,日本人の良い性質などについての項目で若干の「揺り戻し」とみられる動きが観察されること,などが分かってきている。(2)1953年に第1次調査が行われて以来の,2018年まで14回にわたる全国調査について,,今後の共同利用(のためのデータ公開)に向けて,メタデータおよび個票データの整備を進めた。すなわち調査データそのもの,コード表,調査地点情報の3点の整備を行った。また複数時点間で微妙に異なるコーディング法等をハーモナイズする方針などを検討した。(3)については確率標本に対する面接調査とオンラインパネルに対するウェブ調査の比較検証の前に,ウェブ調査の信頼性を揺るがす可能性がある,いわゆる手抜き回答の検出法等に関する成果発表を行った。
著者
朴 堯星 稲垣 佑典 土屋 隆裕
出版者
日本行動計量学会
雑誌
行動計量学 (ISSN:03855481)
巻号頁・発行日
vol.44, no.1, pp.95-107, 2017 (Released:2017-12-01)
参考文献数
42

A decline of the voting rate becomes conspicuous in Japan in recent years. There is a movement which tries to improve the governance and increase of political participation through participation to community activity according to Putnam (1993). This paper clarifies empirically the impact of the attitudes and behavior of community residents on the voting behavior. We conducted questionnaire survey toTama-Area Residents in order to examine the effect of the impact of the local political environment on the attitudes and behavior of community residents. Furthermore, we compared the voting behavior with four group's significant difference based on Age groups, on attitudes about local governance. The causal structure is identified by using the multiple group Structural Equation Modeling between four groups.