著者
高宮 正貴 児島 博紀 生澤 繁樹 橋本 憲幸 室井 麗子 森岡 次郎 杉田 浩崇 虎岩 朋加 平石 晃樹 鵜海 未祐子 関根 宏朗 岸本 智典 市川 秀之 田中 智輝
出版者
大阪体育大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2020-04-01

これまで、教育学と政治学の接合の仕方は、①教育政策を政治学の方法で分析すること、②シティズンシップ教育として政治「を」教育すること、の2点に止まっていた。しかし本研究では、教育の規範を問う観点から、上記の接合の仕方とは異なった以下の3つのあり方を探究する。【1A】教育政策をいかに正当化すべきか(教育の分配的正義)【1B】教育は人々の生にどのように作用し、いかに包摂と排除を可能にしているのか(教育の生政治)【2】統治の対象かつ主体でもある人間は、いかにして形成されるのか(政治的主体の育成)これらの探究を通して、正義論、権力分析、市民性教育論を統合することで、規範的教育学の再構築を行う。
著者
杉田 浩崇
出版者
一般社団法人 日本教育学会
雑誌
教育学研究 (ISSN:03873161)
巻号頁・発行日
vol.82, no.2, pp.229-240, 2015 (Released:2016-05-18)
参考文献数
44

実証科学的なデータとしての「エビデンス」、なかでも脳科学の知見は、不確実な教育実践を正当化しうる点で教師にとって魅力的に映りやすい。だが、教師の専門的な知識は子どもの様子や授業をめぐる事実の解釈・形成過程に支えられている。本稿はそうした広い意味でのエビデンスに応答する教師の倫理的な資質を問いなおすべく、知識よりも知る人の知的な徳に焦点を絞る徳認識論、とりわけ知識獲得における態度や動機に価値を見出す応答責任主義の意義を明らかにする。