著者
鷲坂 光一 山崎 憲一 廣津 登志夫 尾内 理紀夫
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.第54回, no.人工知能と認知科学, pp.59-60, 1997-03-12

これまで日本語形態素解析は, 機械翻訳などを行うための最初のステップとして用いられることが多かった. ここでの解析間違いは当然のことながら後のステップの解析精度に影響を及ぼす. このため, これまでは形態素解析の精度の向上を主眼として研究が進められてきており, 計算量についての研究なども幾つか見られるものの, 実システムの速度はそれほど重視されていなかった. しかし, 形態素解析を情報検索のような大量の文書処理に適用する場合, 処理の高速性が極めて重要となる. 本論文では, 応用の立場から形態素解析の速度向上の重要性を指摘するとともに, 我々が実装したシステム「すもも」における高速化技法を述べ, 最後に評価結果を示す.
著者
鷲坂 光一 山崎 憲一 廣津 登志夫 尾内 理紀夫
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.54, pp.59-60, 1997-03-12
被引用文献数
8

これまで日本語形態素解析は, 機械翻訳などを行うための最初のステップとして用いられることが多かった. ここでの解析間違いは当然のことながら後のステップの解析精度に影響を及ぼす. このため, これまでは形態素解析の精度の向上を主眼として研究が進められてきており, 計算量についての研究なども幾つか見られるものの, 実システムの速度はそれほど重視されていなかった. しかし, 形態素解析を情報検索のような大量の文書処理に適用する場合, 処理の高速性が極めて重要となる. 本論文では, 応用の立場から形態素解析の速度向上の重要性を指摘するとともに, 我々が実装したシステム「すもも」における高速化技法を述べ, 最後に評価結果を示す.
著者
明畠 利樹 山崎 憲一
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.J100-D, no.11, pp.907-916, 2017-11-01

高速不揮発性メモリ(NVM)の開発が順調に進めば,従来のDRAMとハードディスクが全てNVMに置き換えられる可能性がある.本論文では,そのようなアーキテクチャの計算機を想定する.NVM上に置かれたデータは,電源喪失などの障害が起きても保持されるが,そのデータを再利用することは現在のプログラム言語では想定されておらず,問題が生じる.また,データ更新中に障害が起きた場合には,データが矛盾状態になるという問題もある.本研究で提案するライブラリは,NVM上のデータにグローバルな名前を付けることで,後での再実行でもそのデータを再利用することを可能とする.また,障害に対するデータの一貫性保持のための原子的更新の機能を有する.特に実装上の課題としては,メモリキャッシュのためにデータがNVMに確実に書き出されないという問題がある.これを解決した上で原子的更新を実装するために,ソフトウェアトランザクショナルメモリと類似の実装方法を提案する.本論文では,以上についての設計と実装について述べたのち,実験等により提案を評価する.
著者
吉田 雅治 天海良治 山崎 憲一 中村 昌志 竹内 郁雄 村上 健一郎
雑誌
情報処理学会研究報告計算機アーキテクチャ(ARC)
巻号頁・発行日
vol.1995, no.98(1995-ARC-114), pp.17-24, 1995-10-19

記号処理システムの核となるプロセッサSILENTのアーキテクチャ,実験機構成,及び簡単な性能評価について述べる.SILENTは記号処理のみならず,知能ロボットやコンピュータグラフィックス等の分野への適応も考慮し,画像生成計算機SIGHT?2で提案したTARAI演算器と密結合マルチプロセッサを構成することを前提としている.SILENT?CPUは0.7μCMOSゲートアレーで作成した.LSIの回路規模は97kgates,33MHzで動作している.SILENTアーキテクチャの性能評価のために実験機を作成し,マイクロプログラムでLispの処理系を実装した.関数呼び出しのオーバーヘッドを計測するtarai関数の実行時間を比較したところ,SILENTはELISの10倍以上の性能を得た.
著者
渡辺 和文 山崎 憲一 三上 博英 梅村 恭司
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.39, pp.1732-1733, 1989-10-16

ELISは、Lisp専用のアーキテクチャを持ったプロセッサであり、インタプリタの性能が高いことが大きな特徴である。この高いLisp処理能力を優れたユーザインタフェースと融合させることにより、ELISの利用分野を新たに開拓、広められる可能性がある。筆者らは、ユーザインタフェースに定評のあるApple社のMacintoshII(以下Mac IIと呼ぶ)を選び、これにELISを接続した(これをMacELISと呼ぶ)。本報告では、Mac IIへの接続ハードウェアについて述べる。
著者
山崎 憲一 三上 博英 梅村 恭司 渡邊 和文
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.39, pp.1734-1735, 1989-10-16

エキスパートシステムや知識処理システムにおいては、高速でかつ強力な記号処理機能と共にユーザインタフェースが重要である。そこで優れたユーザインタフェースをもつ米Apple社のMacintosh II(以下Mac)と、高速な記号処理機能を持ったLispマシンELISを結合したシステムMacELISを開発した。MacELISはELIS自身のプログラミング環境のユーザインタフェースを向上させること、および優れたユーザインタフェース構築のための環境を提供することを目的として設計され、次のような特徴を持つ。・ELISからMacのユーザインタフェースを使用できる。・Macに接続可能なデバイス(スキャナ、MIDコントローラ、光ディスク等)をELISから使用しマルチメディアに対応することができる。・デスクトップ型程度にまでコンパクトにできる。このようにMacELISではMacのユーザインタフェース機能を用いて、X-Windowに代表されるネットワークを介したウィンドウシステム以上の環境を提供できる。さらにMacELIS(1)はMacELIS IIとして現在開発中のシステムのプロトタイプでもあり、ハードウェア、ソフトウェアのフィージビリティ確認の役割をも持つ。
著者
山崎 憲一 奥乃 博 竹内 郁雄
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.32, no.9, pp.1090-1101, 1991-09-15
被引用文献数
2

TAO は記号処理を伴う大規模なアプリケーションの記述のために開発されたマルチパラダイム言語であり 関数型 論理型 オブジェクト指向の3つのバラダイムから構成される本論文ではこのうち論理型パラダイムの機能と実現方法および他パラダイムとの融合方法について述べる本方式では 述語を関数の一種としたこと すべてのパラダイムのデータ構造を共通化したことなどによりこれまでの融合型言語に比べ より簡単にパラダイム間の相互呼び出しが可能となったまた実用性を重視して設計 実装しインタプリタで 10KLIPS コンパイラで 40KLIPS を達成した
著者
中村 昌志 天海 良治 山崎 憲一 吉田 雅治 竹内 郁雄
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. 記号処理研究会報告
巻号頁・発行日
vol.94, no.3, pp.9-16, 1994-01-14

実時間記号処理カーネルTAO/SILENTのパッケージシステムについて述べる.言語TAOは記号処理専用マシンSILENT上でOSとしての役割を果たすため,一般的なプログラミング言語の機能の他に,OSの機能を併せ持つ.TAOのパッケージシステムでは,パッケージとシンボルの保護機能およびインクリメンタルリハッシュがOSの機能である.一般的にプログラミング言語の機能としては,パッケージパスによるパッケージの継承がCommon Lispと異なった特徴的なものとなっている.これらの機能を組合わせることにより多様な構造の名前空間を実現することができ,マルチユーザ環境や複数言語の共存などに対応できる.
著者
山崎 憲一 吉田 雅治 天海良治 竹内 郁雄
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.40, no.6, pp.2743-2754, 1999-06-15
被引用文献数
2

本論文では Lispをべースとして論理型プログラミングを融合したマルチパラダイム言語TAOについて述べる. これまで研究されたきた融合型言語においては 純粋な関数型言語と論理型言語を融合するものが多かったが TAOではすべてのLispプリミティブと論理型プログラミングを利用できる. TAOでは Lispと論理型言語の実行機構の類似性に着目した融合を行う. ここで 実行機構の類似性とは 状態変数と論埋変数 関数呼び出しと述語呼び出し 大域的脱出とバックトラックなどを指す. たとえば catch/throwのような脱出とバックトラックには類似性があり バックトラックを大域脱出の一種と考えることができる. これにより バックトラックが Lispの大域脱出に関するさまざまなプリミティブを自然に利用できるようになる.This paper describes a Lisp-based multi-paradigm programming language TAO that incorporates a logic programming (LP) paradigm. Whereas previous multi-paradigm languages only supported purely functional and LP facilities, TAO supports all Lisp primitives as well as LP facilities. This amalgamation of Lisp and LP is done by making use of the similarities in their execution mechanisms, giving a natural semantics to the amalgamation. The similarities include state vs. logic variables, function vs. predicate calling, and non-local exit vs. backtracking. For example, the similarity between non-local exit (catch/throw) and backtracking enables backtracking to be regarded as a kind of non-local exit, so that backtracking can use all Lisp facilities which support non-local exit.
著者
山崎 憲一 吉田 雅治 天海良治 竹内 郁雄
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌プログラミング(PRO) (ISSN:18827802)
巻号頁・発行日
vol.42, no.7, pp.70-83, 2001-07-15

Lispに論理型言語の機能を融合する場合には,論理型言語特有の内部データ構造である未定義値(UNDEF)と,参照(REF)をどのように表現するかということが問題となる.本論文では,我々がTAO86およびTAOという2つの言語で採ったアプローチについて述べる.UNDEFには,必然的に構造データ中の「番地」という概念がともなうが,これをLispからどのように隠蔽するかがポイントとなる.TAO86では,UNDEFを即値とし,REFを処理系が自動的にたどる方法によって実装を行った.これにより言語が単純なものとなるが,いくつかのケースにおいては特有の問題を生じる.たとえば,REFやUNDEFを含む構造データの同一性を判定するために,アドホックな関数を必要とする.TAOでは同様の方法を採りつつも,論理変数を述語の値として返す関数型の機能,パターンマッチによる同一性の判定の機能などを用いて,これらの問題を解決する.また,本論文ではTAOのタグ割当てなど,実装の詳細についても述べる.Lisp can have much expressive power by incorporating logic-programming facilities. In this paper, we discuss implementation issues of this incorporation, especially for internal data representation such as undefined value (`UNDEF') and reference (`REF'). We designed two Lisp-based multi-paradigm programming languages, TAO86 and TAO, to solve these issues. In TAO86, UNDEF is a first-class immediate value, and REF is dereferenced by the system automatically. This solution is quite simple but did not have enough power to handle the whole set of data so that TAO86 provides some adhoc builtin functions. TAO, a thoroughly redesigned successor of TAO86, has new features such as functional predicates and pattern-matching mechanism that give an elegant solution of TAO86 issues. This paper also describes the implementation of internal data representation and data handling mechanisms in detail.
著者
山崎 憲一 吉田 雅治 天海良治 竹内 郁雄
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.41, no.1, pp.136-147, 2000-01-15
被引用文献数
1

TAOは,関数型,論理型,オブジェクト指向のプログラミング機能を持つマルチパラダイム言語である.TAOの論理型計算は次の2つの特徴を持つ.パターンマッチとガードによって節を選択し,深いバックトラックは陽に呼び出す.関数と述語は互い呼び出すことができ,任意のデータを渡せる.本論文では,このような論理型計算機構を実装するための抽象マシンを提案する.この抽象マシンは,WAMをベースとしており,以下のような特徴を持つ.1)構造データをスタックでなくヒープ上に表現する.2)単一化やパターンマッチでは,レジスタを極力使用しない.3)プロセススイッチする可能性がある時点では,データを必ず無矛盾に保つ.また,他のProlog処理系と比較評価し,Lispとの融合によって性能が劣化しないことを示す.TAO is a Lisp-based multi-paradigm programming language whichincorporates functional, logic and object-oriented programmingparadigms. This paper describes the implementation of logic computation in TAO, which is different from Prolog in thefollowing two points.A clause is selected according to pattern matching and guard testing,and deep backtracking is invoked explicitly.Functions and predicates can invoke each other and pass any type ofdata between them.We propose an abstract machine, based on WAM (Warren's abstract machine), which has the following features.1) Structured data are represented in heap memory instead of stack.2) Almost no extra registers are used at unification and pattern maching.3) Memory configuration is consistent at any potential process-switching point.We also evaluated our implementation comparing with other Prologprocessors, and showed that the paradigm fusion does not degrade theperformance.
著者
山崎 憲一 吉田 雅治 天海良治 竹内 郁雄
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.43, no.1, pp.112-123, 2002-01-15

本論文では,Lispでオブジェクト指向プログラミングを行うための,Lispの拡張について述べる.本論文で提案する言語TAOは,ポリシーとメカニズムを分離するという考えに基づいて設計されており,たとえば,クラスや継承といったポリシーは提供しない.TAOは,オブジェクト指向計算のための最小限のメカニズムと,ポリシーを構築するためのメカニズムだけを備える.メカニズムは,Lispの環境とラムダ式を自然に拡張することにより導入される.ユーザは,これらを用いてTAO上にさまざまなポリシーを構築できる.本論文では,一例として,単純継承と委譲の構築例を示す.また,実装についても述べ,評価を行い,TAOの提供するメカニズムがいずれも十分な性能を達成していることを示す.This paper describes an extension of Lisp to incorporateobject-oriented programming into Lisp.A symbolic processing languageTAO, proposed in this paper, is designed based on policy/mechanismseparation principle where mechanisms support essential primitives forobject-oriented computation and policies, such as class definition andinheritance, determines how mechanisms are managed.The mechanisms areintroduced naturally by extending the Lisp's concept of environmentand lambda expression.By using these mechanisms, a TAO user canconstruct his/her own policy, such as single inheritance and simpledelegation which are shown in this paper as an example.We describe theimplementation of TAO and evaluate it using some benchmark programs,and as a result, we show that these primitives are efficient enough.
著者
笠井 裕之 山崎 憲一 倉掛 正治
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.523, pp.19-24, 2004-12-09

本橋では,コンテキストアウェアサービス等のプッシュ型情報通知システム構築を目的として,情報通知による"情報認知度"と"タスク負荷度"を考慮した"情報通知ユーザモデル"を提案する.特に,ベイジアンネットワークによる巨視モデルを提案するとともに,通知情報量とタスク情報処理量を考慮した効用関数に基づく通知制御方式を提案する.モデル構築にあたっては,モバイル環境下での携帯端末への情報通知サービスを想定し,評価アプリケーションを用いてデータ収集を行うことで,初期モデル構築する.最後に,構築モデルを用いて確率推論から得られる"情報認知度"と"タスク負荷度"の変動結果を示す.