著者
打出 喜義 杵淵 恵美子 水野 真希
出版者
金沢大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2010

日本では「掻爬」(D & C)法が主流とされながら、その実態は不明であった。我々は日本の中絶実態を明らかにするため、産婦人科医および看護者を対象に調査を実施した。その結果、D & Cが今でも最も使われている方法であること、WHOが標準的だとする2つの初期中絶法(吸引と薬物)のいずれも、日本ではあまり使われていないこと等が初めて明らかになった。より安全で信頼のおける医療を提供するため、知識を広め認識を改める必要がある。
著者
杵淵 恵美子 高橋 真理
出版者
石川県公立大学法人 石川県立看護大学
雑誌
石川看護雑誌 (ISSN:13490664)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.39-47, 2004
被引用文献数
1

人工妊娠中絶を経験した女性の心理経過を事例を通して明らかにすることを目的に,3名(21〜28歳.未婚2名)を対象に,中絶手術当日から術後4ヵ月まで,半構成的面接を継続的に行った(2〜4回).その結果,3名の女性の心理変化は一様ではなく,個別の経過を辿っており,心理的な危機状態に陥ることはなかった.人工中絶の経験は,女性たちにとってパートナーや夫との関係や自分自身を振り返る契機となっていた
著者
杵淵 恵美子 吉田 安子
出版者
駒沢女子(短期)大学 学長 光田 督良
雑誌
駒沢女子大学研究紀要. 人間健康学部・看護学部編 = The faculty journal of Komazawa Women's University (ISSN:24347574)
巻号頁・発行日
no.1, pp.61-68, 2018

1961年から2016年までの55年間で、家族計画に関する女性の行動として避妊法の利用にどのような変化があったのか明らかにするため、既存資料から検討を行った。先行研究および統計資料から、避妊の実行状況、避妊の実施方法、不妊手術件数・実施率、人工妊娠中絶件数・実施率の経年変化についてデータを収集した。その結果、最も利用されていた避妊方法は55年間変化なくコンドームであった。避妊効果の高い低用量経口避妊薬や子宮内避妊器具・子宮内避妊システムは利用率が低いままであった。不妊手術件数(女性)は約1/9に減少し、人工妊娠中絶件数も約1/6に減少していた。しかし、20歳未満の人工妊娠中絶件数は一時期増加し、実施率も1961年の水準には戻っていなかった。日本女性の避妊法利用に顕著な変化は確認できず、若年世代への教育支援やライフステージおよび女性個々の状況に合った避妊効果の高い方法を選択できるような働きかけが必要と考えられた。
著者
金川 克子 山岸 映子 田村 須賀子 西村 真実子 大木 秀一 杵淵 恵美子 伴 真由美 浅見 洋 曽根 志穂 梅山 直子 高窪 美智子 杉原 敏雄 田中 理 吉村 香代子
出版者
石川県公立大学法人 石川県立看護大学
雑誌
石川看護雑誌 (ISSN:13490664)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.1-9, 2007

石川県立看護大学はJICAの依頼のもとに,タジキスタン共和国の母子保健の向上に資する目的で,2005年から概ね3年間の予定で「母と子の健やか支援プロジェクト」の企画,運営を通して,支援活動に加わることになった.その一環として2005年10月から12月まで,タジキスタンより研修員6人を受け入れ,県内の他機関との協力のもとで,研修を実施した.本旨は研修プログラムの企画,内容,評価等の実施状況と,研修のありかたについての考察についての報告である.研修の目的はわが国における母子保健や公衆衛生活動の現状を理解するのみでなく,研修員がこれらの成果を生かして,自国での母子保健の改善や新しいプログラム開発に向けてのアクションプランを作成し,実践することが課せられている.われわれもその目的に向けての研修のあり方の工夫が必要である.(著者抄録)