著者
島田 洋子 伊藤 慶彦 米田 稔 森澤 眞輔
出版者
一般社団法人日本リスク学会
雑誌
日本リスク研究学会誌 (ISSN:09155465)
巻号頁・発行日
vol.22, no.1, pp.25-32, 2012 (Released:2012-07-26)
参考文献数
37

Before the Fukushima Daiichi nuclear power plant accident, radionuclide like 137Cs released from atmospheric nuclear detonation tests and the Chernobyl accident has been transported worldwide in the environment and finally taken up by humans through various pathways. In this research, dietary intake of 137Cs and the health risks caused by prolonged radioactive global environment contamination were evaluated age-dependently for the reference Japanese since 1945 until 2010 by using the mathematical model for the evaluation of global distribution of 137Cs with food ingestion and domestic and international food supply model. The model estimates were compared with the monitoring data of 137Cs in Japanese total diet and 137Cs concentration in food as an attempt at validation. The results of this evaluation would be useful for understanding the background situations without the Fukushima accident and give important information for the radiological health risk assessment of the accident.
著者
森澤 眞輔 鬼頭 牧子 島田 洋子 米田 稔
出版者
一般社団法人 日本原子力学会
雑誌
日本原子力学会誌 (ISSN:00047120)
巻号頁・発行日
vol.42, no.9, pp.951-959, 2000-09-30 (Released:2010-03-08)
参考文献数
21
被引用文献数
3 2

The mathematical model was developed for evaluating a fallout 90Sr accumulation in Japanese bone through its dietary intake, and was validated by comparing the estimates of 90Sr concentration in bone with the observed. The mortality risk by the radiation-induced leukemia and bone cancer was evaluated based on the NUREG/CR4214 model. The main results obtained in this study under the limited assumptions are as follows: (1) The mathematical model was developed to relate 90Sr concentration in an environment with the mortality risk due to the radiation-induced leukemia and bone cancer through dietary intake of fallout 90Sr. (2) The leukemia mortality risk due to the fallout 90Sr is about one order larger than the bone cancer mortalit risk, and is evaluated to be larger than 10-6 for Japanese who were born before early 1970' (3) The leukemia mortality risk due to the fallout 90Sr is about 10% level in 1992 of the leukemia mortality risk expected by the benzene in ambient air.
著者
吉田 麻美 米田 稔 片岡 利仁 尾坂 高明 小倉 研二 小島 玉雄
出版者
日本緑化工学会
雑誌
日本緑化工学会誌 (ISSN:09167439)
巻号頁・発行日
vol.36, no.1, pp.179-182, 2010 (Released:2011-03-16)
被引用文献数
1 1

京都府立植物園の桜園を対象として, 瓦破砕材を用いた土壌改良の有効性について検討した。まず試験的に各種土壌を充填した穴を通路上に設定し, 降雨への応答や踏圧による物理特性などの変化を追跡した。その結果, 瓦破砕材は適度な水の保持能力と水はけの良さを合わせ持っていること, 数ヶ月程度ではその効果は消えないことが明らかとなり, さらに実際に瓦破砕材を約40%(重量比)混合して実施した土壌改良でも改良前と水分保持量は変わらず, 水はけは良くなるという結果を得た。また土壌改良と同時に瓦破砕材のみを充填した道を造ったが, 土壌領域地表に難透水層が形成された場合には, この道が周囲の土壌中含水率に影響を及ぼすことが数値シミュレーションにより明らかとなった。
著者
森澤 眞輔 米田 稔 中山 亜紀
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2006

放射線等価係数を用いた新しいリスク評価法をベンゼン誘発白血病に適用した結果、1ppmの大気中ベンゼンに対して3.5×10-4-8.5×10-4、1μg/m3の大気中ベンゼンに対して1.2×10-7-2.8×10-7の白血病リスク推定値を得た。これらの推定値は表6に示した疫学情報に基づく報告値と比べて約30分の1から約20分の1程度の過小評価となった。白血病の標的臓器である骨髄の正常細胞を用いることでリスク推定値が改善されたと言え、エンドポイント毎に適切な細胞を用いるなど用量-反応評価の条件を整えることで、より正確な健康リスク評価が実現できると予想される。本研究の成果により使用細胞等の実験条件を発症機構に即したものへと近づけることで、より正確なリスク評価が実現できる可能性が示された。今後実験条件に更に改良を加えることで、信頼性を保った予見的な新しいリスク評価法の実現が期待できる。
著者
紙谷 淳 米田 稔 新井 貴史
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
環境工学研究論文集 (ISSN:13415115)
巻号頁・発行日
vol.44, pp.443-451, 2007-11-16 (Released:2011-06-27)
参考文献数
5

本研究では, 瓦破砕材のリサイクル方法として, 代替土壌としての有効性を見るため, 踏圧による透水性と空隙率の変化, 有効水分保持量, 有効肥料成分保持量などについて, 検討を行った. その結果, まさ土と比較した場合, 瓦破砕材は踏圧を受けることによる透水性や空隙率の変化が小さいことがわかった. また, まさ土や軽石, 活性炭などと比較した場合, 粒径2mm以下の瓦破砕材では, 肥料の保持特性でもよい結果を示した. さらに, 実際にまさ土と瓦破砕材を施工したパターゴルフ場において, 芝生の成長度を比較した結果, 瓦破砕材を施工した場合の方が根の長さは2倍ほど長く, クロロフィルaの量も2倍ほど多かった, このことから瓦破砕材は芝生育成のための代替土壌として, きわめて有効であると考えられる.
著者
宮本 一夫 宇田津 徹朗 田中 克典 三阪 一徳 小畑 弘己 上條 信彦 米田 稔 欒 豊実 靳 桂雲
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2015-04-01

研究代表者が提起する東北アジア初期農耕化4段階説の内、第2段階の山東半島から遼東半島へのイネの伝播仮説を、土器圧痕調査で実証した。同段階の偏堡文化の朝鮮半島無文土器文化の成立への影響を、山東半島・遼東半島の土器製作技術の調査によって明らかにした。また、この段階の山東半島の水田の存在について楊家圏遺跡のボーリング調査によって示した。さらに第4段階の北部九州の弥生文化の成立年代を炭化米の年代によって明らかにした。
著者
中山 亜紀 篠本 祐介 佐々木 克典 米田 稔 森澤 眞輔
出版者
一般社団法人 日本放射線影響学会
雑誌
日本放射線影響学会大会講演要旨集 日本放射線影響学会第53回大会
巻号頁・発行日
pp.181, 2010 (Released:2010-12-01)

化学物質のリスク評価方法は現在大きな転換を求められている。 放射線のリスク評価が広島・長崎の原爆生存者調査という膨大なヒトのデータに基づいているのに対し、化学物質のリスク評価の多くは動物実験に頼ってきた。しかし、コスト・時間・動物倫理の面から、in vitro毒性試験に基づいたリスク評価の開発が望まれている。 そこで我々は、「放射線等価係数」という概念によるリスク評価方法を提案したい。 この方法ではin vitro毒性評価試験系により対象物質の毒性を等価な放射線量に換算した放射線等価係数を決定し、さらに対象物質のターゲット臓器における曝露量と放射線の発がん確率からその臓器における発がんリスクを推定するものである。 DDT及びX線について行ったin vitroトランスフォーメーションアッセイから肝臓がんリスクを評価したところ、Slope Factor(1mg/ kg 体重/日の用量で生涯にわたり経口曝露した時の発がんリスク)として0.143~0.152が得られ,US.EPAの呈示するSlope Factorと比較して良好な値であり、「放射線等価係数」によるリスク評価方法が妥当である可能性を確認した。
著者
米田 稔 瀬戸口 浩彰 原田 浩二 福谷 哲 高橋 知之
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2019-04-01

福島第一原発事故で放射能汚染された地域の復興では、森林活動の復活が欠かせない。本研究では、実際に被災した村が考える森林を活用した復興のあり方を実現するための知識の普及、技術の確立、村有林等を対象としてモデル事業を実施した場合の有効性の検証を行う。その研究内容は大まかには以下に分類される。1.森林を活用した住民の生活時間パターンの把握とそのパターン毎の被曝量評価2.現地での天地返し法を主たる除染法とした線量削減効果の評価3.様々な健康リスクを考慮した森林活用健康生活モデルの提案4.村有林を対象としたパイロット除染事業の可能性検討と効果の予測これらの研究を実施し、帰還地域の復興加速化に貢献する。
著者
中川 滋人 林田 賢治 米田 稔 山本 隆文
出版者
日本肩関節学会
雑誌
肩関節 (ISSN:09104461)
巻号頁・発行日
vol.21, no.3, pp.413-417, 1997-08-31 (Released:2012-11-20)
参考文献数
13
被引用文献数
2

The purpose of this study was to clarify the mechanism of rotator cuff tears seen in baseball players.Forty baseball players who injured their shoulders through repetitive throwing and underwent shoulder arthroscopy were studied retrospectively using a videotaped arthroscopic tour. They ranged in age from 13 to 48 years (average: 24 years) and were classified into 3 groups according to the rotator cuff findings: articular-side partial rotator cuff tear (APRCT)in Group 1 (29 patients), cuff inflammation only in Group 2 (5 patients), and intact cuff in Group 3 (6 patients). The existence and the site of rotator cuff tears, labral tears and notches of the greater tuberosity were examined in each group.All APRCTs were located around the posterior aspect of the supraspinatus tendon (SSP) and the anterior aspect of the infraspinatus tendon (ISP). Localized splits of the posterior rotator interval were recognized in 5 patients. In most of the other patients in Group 1, the deepest APRCT was also located in the posterior rotator interval. Posterior-superior labral fraying was seen in 22 patients (17/29 in Group 1,0/5 in Group 2, and 5/6 in Group 3). However, posterior labral lesions localized to the superior portion were only recognized in 4 patients in Group 1 and SLAP lesions were combined with this posterior lesion in 5 patients. The remaining 8 patients in Group 1 had labral fraying of the whole posterior portion. A notch of the greater tuberosity around the insertion of the ISP was recognized in 23 players, which showed it had a significant relationship to cuff lesions (21/29 in Group 1,2/5 in Group 2, and 0/6 in Group3).The most significant APRCTs were located around the posterior rotator interval between the SSP and ISP. APRCTs caused by repetitive throwing activity may be initiated by tearing between the SSP and ISP due to an eccentric or shearing force. They were not always associated with posterior-superior labral lesions as predicted by the internal impingement theory.
著者
辻野 綾子 米田 稔彦 田中 則子 樋口 由美
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.30 Suppl. No.2 (第38回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.96, 2003 (Released:2004-03-19)

【目的】脳卒中片麻痺患者の治療として、端坐位での側方リーチ動作を用いることがあるが、足底接地の条件の違いが運動特性にどのような影響を及ぼすかは明らかでない。本研究の目的は、足底接地の条件の違いによる端坐位における体幹のバランス機能について運動学的・筋電図学的に検討することである。【方法】対象は、健常女性12名(平均年齢20.6±1.9歳、身長158.8±2.4cm、体重51.8±5.0kgであり、全員右利きであった。運動課題は、大腿長55%が支持面となるように腰掛け、膝関節95度屈曲位に設定した背もたれなしの端坐位での肩関節外転90°位で上肢長130%の位置への右側方リーチ動作とした。条件は、(1)足底接地・閉脚位、(2)足底接地・開脚位、(3)足底非接地の3つにした。圧中心(以下COP)の位置を重心動揺計を用いて計測した。頭頂、第7頚椎、第12胸椎、第4腰椎、そして両側の耳介、腸骨稜、後上腸骨棘にランドマークを取りつけ、後方からのデジタルカメラによる画像から骨盤傾斜角度、体幹傾斜角度、立ち直り角度(左屈)を計測した。両側の脊柱起立筋(腰部L4、以下ES)、外腹斜筋 (以下OE)、中殿筋(以下GM)を被験筋とし、安静坐位と側方へのリーチ保持時の積分筋活動量を測定し、最大等尺性収縮時の値で標準化した。3条件間での測定値の比較には、対応のある一元配置分散分析を用い、有意水準を5%未満とした。【結果】1) COP移動距離:条件(1)や(3)より(2)が有意に大きく、(1)が(3)より大きかった。2)Kinematics:骨盤傾斜角度は、条件(1)、(2)、(3)の順に有意に増大した。体幹傾斜角度は、条件(1)や(2)より(3)が有意に大きかった。立ち直り角度は、条件(3)より(2)が有意に大きかった。3)各筋の%IEMG:右GMは、条件(2)が(3)より有意に大きかった。左GMは、条件(3)が(1)より有意に大きかった。左OEは、条件(3)が(1)や(2)より有意に大きかった。右ES、右OE、左ESにおいては、3条件間に有意差はみられず、右側の筋活動は左側に比べ小さなものであった。【考察・まとめ】条件(2)はCOP移動距離が最も大きく、条件(3)はCOP移動距離が最も小さいが左のGM、OEの大きな筋活動を要求した。それにより、開脚位で足底接地した端坐位でのリーチ動作はCOPの移動を行いやすい傾向にあり、足底非接地の端坐位でのリーチ動作はリーチ側とは対側の大きな体幹筋活動を要求するといった特徴があることが示唆された。
著者
香川 真二 千田 廉 木村 愛子 前田 真依子 米田 稔彦 星 信彦 岡田 安弘
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2005, pp.C0457, 2006

【目的】<BR>近年、歩行解析に三次元加速度計が広く利用されている。しかし、定量的な加速度解析や歩行周期の特定に関する報告は少ない。そこで、三次元加速度センサとデジタルカメラ映像を同時にパーソナルコンピューター(以下、PC)へ記録できるシステムを用いて、腰背部に取り付けた加速度データと歩様の関係を詳細に検討した。さらに、健常者と変形性股関節症(股OA)患者の加速度変化をリーサージュ図形により可視化し、各方向へのバランス評価を行った。また、各軸の加速度変化を周波数解析し、OA患者と健常者間の定量的な比較を行った。<BR>【方法】<BR>20人の健常者(平均年齢: 62.2)と20人のOA患者(平均年齢: 58.3)を対象とした。全ての対象者に研究趣旨を説明し同意を得た。被験者全てに腰背部中央に無線型加速度センサ(サンプリング周波数:600Hz, Microstone)を取り付け、さらに、主要関節部位に発泡スチロール製マーカー(直径: 3 cm)を装着し、自由歩行として約20mの歩行をサンプリングした。加速度センサデータと歩行動作画像は同時にデジタル化しPCへ記録した(Digimo)。<BR>【結果】<BR>加速度変量のピークと各歩行動作は単純には一致せず、個体間でも共通した傾向は見られなかった。しかし、健常者およびOA患者とも左右・上下での加速度がmid stance時に0に近い値を示し、この時点において「等速状態」であることが示された。PC上に加速度変量をリサージュ図形として可視化し、左右、前後および上下のバランスを視覚的かつ定量的に比較した。OA患者は左右・上下・前後とも健常者より、不規則かつ大きく変動した。2次元の加速度で合成される2次元ベクトル値(スカラー)の総和平均を比較すると、OA患者は健常者より有意に増加していた(p<.01)。mid stance時を基準にし、Fast Fourier 変換 (FFT)を用いて、加速度のパワースペクトルを算出した。OA患者における左右および前後方向での高周波領域(5-20Hz)のパワー値は、健常者より有意に高い値を示した(p<.05)。<BR>【考察】<BR>今回の結果から三次元加速度計波形の左右・上下成分加速度よりmid stanceの特定が可能となり、mid stanceを起点として歩行解析を行うことが、定量的解析方法の基準となることが期待される。加速度変化の可視化により、視覚的に歩様バランスを判断できる可能性も示唆された。患者への説明用データとしても有用であると考える。左右・前後成分でOA患者の高周波領域のパワー値の有意な増加は、体幹・骨盤の挙動を代表した異常歩行と関係することが示唆される。定量的加速度波形解析は、時間的変化を比較できることから、リハビリ過程の評価の一つとして有効であると考えられる。
著者
藤井 奈穂子 小野 玲 米田 稔彦 篠原 英記 中田 康夫 長尾 徹 石川 雄一
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2004, pp.E0241, 2005

【目的】 現在高齢社会である日本では、今後さらに高齢者人口の増加・総人口の減少により平成27年には超高齢化社会に入ることが予測されている。この中で老後の時間をいかに過ごし、いかに生活の質(Quality of Life:QOL)を向上させるかということが重要になる。高齢者のQOLに影響を与える因子としては家族構成・友人関係・健康状態・身体活動習慣等が報告されており、周囲との関わりや活動への参加がQOLの向上に深く関わっていると考えられているが、QOLの概念を細分化し余暇活動習慣との関連を検討した報告は少ない。本研究の目的は地域高齢者の余暇活動の実施状況を把握し、余暇活動とQOLとの関連を検討することである。<BR>【方法】 対象は大阪市内の2ヶ所の老人福祉センター利用者で、質問紙調査に参加した132名(平均72歳、女性96名、男性36名)とした。調査内容は余暇活動の実施状況として活動内容と頻度、QOLを細分化し抑うつ度としてZung Self-Rating Depression Scale(SDS)得点、生活満足度としてLife Satisfaction Index-Z(LSI-Z)得点、健康関連QOLとしてEuroQoL(EQ-5D)効用値である。解析は週1回以上余暇活動を実施している群(実施群)と、週1回未満または実施していない群(非実施群)に分け、各群とSDS・LSI-Z・EQ-5Dとの関連にMann-WhitneyのU検定を用い、活動内容(種目)とSDS・LSI-Z・EQ-5Dとの関連にKruskal-Wallis検定を用いた。危険率は5%未満を有意とした。<BR>【結果】 132名中71名が何らかの余暇活動を1週間に1回以上の頻度で実施していた。実施・非実施の比較では、実施群の抑うつ度が有意に低く、生活満足度が有意に高かったが、健康関連QOLについて有意差を認めなかった。実施者の多かった活動種目は「ダンス」・「歩行」・「卓球」・「グラウンドゴルフ/ゲートボール」で、これらの種目間について抑うつ度、生活満足度、健康関連QOLの比較では有意差は認められなかった。<BR>【考察】 抑うつ度は不安等の精神面の状態を示し、生活満足度は主観的幸福感を示すもので生きがいや幸福といった広義のQOLに含まれる概念である。健康関連QOLは身体機能に起因し医療行為に影響される領域に限定された概念である。本研究の結果より定期的な余暇活動習慣の有無は身体機能との関連よりも精神面での満足感との関連が強いことが明らかとなり、余暇活動の習慣化が精神面および主観的幸福感を良好にすると考えられた。また実施者の多かった活動種目として、高齢者にとって実施しやすい活動や老人福祉センターで実施されている種目があがっており、地域高齢者の身体活動動習慣における老人福祉センターの役割の重要性がうかがわれた。
著者
中川 滋人 小室 透 福島 直 小畠 昌規 宮崎 義雄 米田 稔
出版者
日本肩関節学会
雑誌
肩関節 (ISSN:09104461)
巻号頁・発行日
vol.27, no.3, pp.567-570, 2003-10-30 (Released:2012-11-20)
参考文献数
11

The purpose was to investigate the efficacy of several diagnostic methods to detect superior labrum injuries in throwing shoulder. Fifty-four throwing athletes, who underwent arthroscopic surgery, were prospectively studied. There were superior labrum injuries in twenty-four cases and loose attachment of the superior labrum in six. The efficacy of preoperative diagnostic methods were investigated comparing them with arthroscopic findings of superior labrum injuries. The forced shoulder abduction and elbow flexion test (forced abduction test) was diagnosed as positive, when pain at the postero-superior aspect of the shoulder in forced maximal abduction was reduced or diminished in elbow flexion. The most useful test to detect superior labrum injuries was the forced abduction test, and the sensitivity, specificity, and accuracy was 73%,69%, and 70%, respectively. Loose attachment of the superior labrum significantly increased false positive rate of this method. Forced abduction tests were simple and effective for diagnosis of superior labrum injuries in throwing shoulders.
著者
宮崎 義雄 米田 稔 瀧内 敏朗 前田 朗 横田 淳司
出版者
日本肩関節学会
雑誌
肩関節 (ISSN:09104461)
巻号頁・発行日
vol.23, no.2, pp.309-312, 1999-07-30 (Released:2012-11-20)
参考文献数
6
被引用文献数
1

[Purpose] To clarify the diagnostic value of load and shift test (LST) for the assessment of glenohemeral joint laxity compared with examination under anesthesia (EUA).[Material and Method] We retrospectively reviewed the healthy-side shoulders of 100 patients (65males,35 females) who underwent surgical treatment of their opposite side. Their mean age was 27.5years. We examined the anterior and posterior laxity at 30° and 90° of abduction, and inferior laxity in neutral rotation with the arm at the side. The anterior or posterior laxity was graded into three degrees (-, +, + +), and the inferior laxity was graded into two degrees (sulcus sign -, +). We detrmined the joint laxity positive when the laxity was graded + or + +. We calculated the sensitivity, the specificity and the accuracy of the LST based on the results of the EUA. In addition, when a joint laxity existed at the anterior and posterior transelation on LST, we assessed the discrimination of the grade of the laxity on LST based on the results of the EUA.[Results]Sensitivity, specificity and accuracy of LST were as follows: inferior; 50.0%,96.0%,98.0%, anterior at 30°of abduction; 45.0%,96.3%,86.0%, anterior at 90°of abduction; 54.2%,100%,78.0%, posterior at 30°of abduction; 36.4%,92.9%,68.0%, posterior at 90°of abduction; 56.0%,88.9%,71.0%, respectively. The discrimination of the grade of laxity: anterior at 30°of abduction; 100%, anterior at 90°of abduction; 84.6%, posterior at 30° of abduction; 87.5%, posterior at 90°of abduction; 77.4%.[Conclusion]LST was not sensitive but a specific examination compaired with EUA fbr shoulder joint laxity. Moreover, LST was excellent for the discriminating the gradeof the laxity.
著者
松尾 善美 山本 洋史 米田 稔彦 三木 明徳
出版者
一般社団法人 日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
雑誌
日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌 (ISSN:18817319)
巻号頁・発行日
vol.13, no.2, pp.300-306, 2003-12-20 (Released:2018-04-10)
参考文献数
25

腹式呼吸(横隔膜呼吸)により,1回換気量の増加,呼吸数・酸素換気当量・死腔換気率の減少,さらにPaO2 上昇やPaCO2 減少が報告されている.呼吸補助筋の収縮抑制と胸腹部運動の同期性を伴った意識下での呼吸コントロールが成功したときに,腹式呼吸は,換気効率を改善し,呼吸困難感を緩和する可能性がある.しかし,安定期COPD患者では,必ずしも完全な腹式呼吸パターン習得がその目標にはならない.
著者
松尾 善美 山本 洋史 米田 稔彦 三木 明徳
出版者
一般社団法人 日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
雑誌
日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌 (ISSN:18817319)
巻号頁・発行日
vol.13, no.2, pp.300-306, 2003

<p>腹式呼吸(横隔膜呼吸)により,1回換気量の増加,呼吸数・酸素換気当量・死腔換気率の減少,さらにPaO<sub>2</sub> 上昇やPaCO<sub>2</sub> 減少が報告されている.呼吸補助筋の収縮抑制と胸腹部運動の同期性を伴った意識下での呼吸コントロールが成功したときに,腹式呼吸は,換気効率を改善し,呼吸困難感を緩和する可能性がある.しかし,安定期COPD患者では,必ずしも完全な腹式呼吸パターン習得がその目標にはならない.</p>
著者
前田 朗 成田 陽二郎 米田 稔 広岡 淳
出版者
Japan Shoulder Society
雑誌
肩関節 = Shoulder joint (ISSN:09104461)
巻号頁・発行日
vol.23, no.2, pp.349-352, 1999-07-30
参考文献数
10
被引用文献数
1

The purpose of this study was to know the time-course from primary shoulder dislocation to recurrence in young rugby players. We sent questionnaire about shoulder dislocation to all highschool/college rugby teams in the Kyushu area (No. of players; 5476). Based on the answers from the players who had undergone shoulder dislocations, we divided them into two groups; Group I: immobilization for 0-3 weeks at the time of initial dislocation(n=61), and Group II: immobilization for 4-7weeks (n=18). We compared the time-course from primary dislocation to recurrence between the two groups using the Kaplan-Meier method. The age of primary dislocation was between 14 and 23 years old ( ave.; 16.7 ). The probability of recurrence was 78%,44%, and 70% after one year; 85%,69%, and 81% after two years in Groups I, II, and the whole groups respectively. The average period from restart of rugby to recrurrence was 9.8,30.6, and 19.7 months in Groups I, II, and the whole groups respectively. The symptom-free period could be elongated if immobilization was done for 4 weeks or more in comparison with cases immobilized for 3 weeks or less (p<0.05). However, the high recurrence ratio showed limitations of immobilization therapy for primary shoulder dislocations of rugby players.
著者
高原 省五 本間 俊充 米田 稔 島田 洋子
出版者
日本保健物理学会
雑誌
保健物理 (ISSN:03676110)
巻号頁・発行日
vol.51, no.3, pp.147-159, 2016 (Released:2016-11-18)
参考文献数
58
被引用文献数
1

Management of radiation-induced risks in areas contaminated by a nuclear accident is characterized by three ethical issues: (i) risk trade-off, (ii) paternalistic intervention and (iii) individualization of responsibilities. To deal with these issues and to clarify requirements of justification of interventions for the purpose of reduction in radiation-induced risks, we explored the ethical basis of the radiological protection system of the International Commission on Radiological Protection (ICRP). The ICRP's radiological protection system is established based on three normative ethics, i.e. utilitarianism, deontology and virtue ethics. The three ethical issues can be resolved based on the decision-making framework which is constructed in combination with these ethical theories. In addition, the interventions for inhabitants have the possibility to be justified in accordance with two ways. Firstly, when the dangers are severe and far-reaching, interventions could be justified with a sufficient explanation about the nature of harmful effects (or beneficial consequences). Secondly, if autonomy of intervened-individuals can be promoted, those interventions could be justified.
著者
林田 賢治 米田 稔 岡村 健司 広岡 淳 脇谷 滋之 妻木 範行
出版者
日本肩関節学会
雑誌
肩関節 (ISSN:09104461)
巻号頁・発行日
vol.17, no.2, pp.315-319, 1993-09-01 (Released:2012-11-20)
参考文献数
8
被引用文献数
1

To decide the appropriate treatment for articular-side partial rotator cuff tears (APRCT),31patients with arthroscopically documented APRCT were surgically treated and reviewed retrospectively. The mean age at time of operation was 31 years old (13-62) and the mean post-operative follow-up period was 22.5 months (12-66). APRCT was classified into three groups according to the depth of the cuff tear, the superficial tear (S-tear), the intermediate tear (I-tear), and the deep tear (D-tear).8 patients with a S-tear were treated by arthroscopic debridement of the lesion (S-tear &debridement group).23 patients had an I-tear.16 of them had an arthroscopic debridement of the lesion (I-tear & debridement group) performed of time, and 7 of them were treated by open repair procedure (I-tear & repair group).3 patients with a D-tear were treated by open repair procedure (D-tear & repair group). Arthroscopic or open subacromial decompression were simulteneously performed in all of the cases. The functional results were graded by Constant's shoulder rating scale (1987) which consisted of the evaluation of pain, function, range of motion, and strength of abduction. Clinical results were evaluated by the ratio of the rating scale; the involved side / the healthy side (%). Statistic significances were calculated by Student's t-test.According to the ratio of total clinical evaluation, the S-tear & debridement group was 99.3 +2.9%, the I-tear & debridement group was 97.4 + 4.4%, the I-tear & repair group was 87.3 + 7.7%, and the D-tear & repair group was 87.5 + 14.0%. There were no significant differences between the S-tear & debridement group to 2 and the I-tear & repair group to 4, but there was a significant difference between the I-tear & debridement group to the I-tear & repair group (p <0.01). The results of the strength of abduction were the S-tear & debridement group was 93.6 + 11.4%, the I-tear & debridement group was 98.4 + 18.7%, the I-tear & repair group was 78.6 + 11.2%, and the D-tear & repair group was 97.6 + 4.1%. A significant difference was also seen between the I-tear &debridement group to the I-tear & repair group (p <0.01).In this follow-up study, two things were clarified. Firstly, the clinical outcome of an arthroscopic debridement for APRCT was not influenced by the depth of a lesion with less than half of a rotator cuff thickness. Secondly, the arthroscopic debridement for an intermediate type APRCT with subacromial decompression provided a more favorable clinical outcome than did the open repair technique.