著者
松岡 悠和
出版者
日本社会教育学会
雑誌
社会教育学研究 (ISSN:21883521)
巻号頁・発行日
vol.59, pp.41-53, 2023 (Released:2023-06-30)
参考文献数
79

This study aimed to clarify an aspect of the role of religion in prewar social education organizations by identifying the relationship between the Federation of Boy Scouts in Japan and Boy Scouts troops affiliated with religious groups. While focusing on the relationship between the Boy Scout troops in Konkokyo, Honganji-ha, and Ohtani-ha sects and the Federation of Boy Scouts in Japan, this study examined the consistency between religion and emperor ideology and found the following findings. First, the Boy Scouts in Europe and the United States of America were based on Christian ideology; however, during the process of organizing the Boy Scouts in Japan, sectarianism was eliminated. Second, religious organizations adopted the methods of the Boy Scouts to improve traditional religious education and sought to organize themselves in their own way such as altering Scout Promise and Law. Third, the Boy Scouts encouraged all participants to clarify their faith and belong to a religious order as part of their educational policy. However, the Boy Scout troops that systematically belonged to a religious sect depended on the existence of the Federation of Boy Scouts in Japan, a national organization, and threatened the absoluteness of the emperor’s ideology. Thus, the relationship between the emperor system ideology and religion created tension in the Federation of Boy Scouts in Japan.
著者
松岡 悠太 中澤 史
出版者
法政大学スポーツ研究センター
雑誌
法政大学スポーツ研究センター紀要 = Bulletin of Sports Research Center, Hosei University (ISSN:21879168)
巻号頁・発行日
no.37, pp.19-24, 2019-03

本研究では,育成年代に該当にする中学生サッカー選手を対象に,ポジションごとのパーソナリティの差異及び傾向を検討した。調査対象者は,中学生のサッカー選手,合計125名(平均年齢13.47 ± 0.93歳:全て男子)であった。個人のパーソナリティを客観視するために開発されたパーソナリティ検査であるエゴグラムを用いて,ポジション(FW,MF:トップ下・サイドハーフ・ボランチ,DF:センターバック・サイドバック,GK)ごとの心理特性を検討した。その結果,FCの自我状態の項目において,FWとボランチ及びFWとサイドバックのポジション間で有意な差が認められた。また,細分化したMFとDFのポジション間でも,それぞれ特徴的なパーソナリティ傾向が認められた。今回の結果から,各ポジション間でパーソナリティの差異及び傾向があることが明らかとなった。このことから,育成年代に該当する中学生において,ポジションの決定や転向を考える際に,技術や戦術,体格という基準に加え,選手のパーソナリティという新たな基準を設けて考える必要性があることが示唆された。
著者
小林 茂樹 松岡 悠 久万田 敏夫
出版者
日本鱗翅学会
雑誌
蝶と蛾 (ISSN:00240974)
巻号頁・発行日
vol.68, no.1, pp.37-42, 2017

<p><i>Macarostola</i> 属は,インド~オーストラリア区から26 種が知られ,成虫の前翅は鮮やかな橙赤色の地に白や黄色の斑紋をもち,美麗種を多く含む.幼虫は日本産種を除き,フトモモ科の植物を利用する.日本では,ベニホソガ <i>M.japonica</i> Kumata, 1977(寄主植物:ゴンズイ,ミツバウツギ科)の1 種のみが知られていた.しかし,De Prins and De Prins (2016)は,ウェブサイト上にレンブ(フトモモ科)から得られた日本産本属の標本写真を本属の一種 <i>M.zehntneri</i> (Snellen, 1902)として掲載した.吉安は,2016年3 月に沖縄島において野生化したフトモモ(フトモモ科)からベニホソガ属の幼虫を採集した.羽化した成虫と大阪府立大学所蔵標本を検討した結果,前翅の斑紋の特徴から <i>M. zehntneri</i> と同定した.雌雄交尾器を初めて図示し,分布と寄主を追加するとともに,これまで報告のなかった幼虫の潜孔,マユの写真を図示した.幼虫は初め,葉にナメクジの這ったような細い潜孔を作り,その後潜孔を脱出し,葉を円錐形に巻き内部を摂食する.老熟すると巻いた葉から脱出して葉縁を強く折り曲げて細長いマユを紡いで蛹室を作り,その中で蛹化した.また,ミトコンドリアDNAのCOI 領域の一部(DNA バーコード領域)の配列(658bp)を決定し,遺伝距離を比較した結果,同属の他種(<i>M.japonica</i>, <i>M. ida</i>)と明確に区別でき、最も近かったのはオーストラリアの学名未決定種であった.</p><p>フトモモベニホソガ <i>Macarostola zehntneri</i> (Snellen, 1902)(和名新称)(Figs 1-4)</p><p>開張8-10 mm.前翅の斑紋は,翅頂の2 つの黒色斑紋,後角部にL字形の白色斑紋を除き,6 ないしは7 つの黄色の斑紋をもつ.原記載では前縁の黄色斑紋は3 つであるが, 日本産ではしばしば第一斑紋が2 つに分かれる.日本産のベニホソガ <i>M. japonica</i>は,頭部が橙赤色,黒色斑紋を持たない,前縁の斑紋が白色,雄交尾器のバルバはより丸みを帯びる,雌交尾器の1 対のシグナは短く,同じ長さであるなどの点で本種と識別できる.幼虫は,両種とも葉を円錐形に巻くが,ベニホソガでは,ミツバウツギ科のゴンズイを利用し,葉縁を折らないでボート形のマユを葉上に作る.</p><p>寄主植物:フトモモ,レンブ(フトモモ科),国外ではフトモモ(新記録),レンブ,同属の <i>Syzygium cumini</i> が知られる.</p><p>分布:日本(新記録):沖縄(沖縄島,石垣島);国外では台湾(新記録),インドネシア,インド.</p>
著者
白浜 公章 松岡 悠太 上原 邦昭
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.414, pp.129-134, 2011-02-10

本論文では,ユーザから与えられたサンプルから,クエリーにマッチするショットを検索する映像例示型検索手法を提案する.特に,異なる撮影技法・状況で撮影された多様なショットを検索するために,'ラフ集合理論'を用いて,サンプルから複数の検索ルールを抽出する.また,少数のサンプルから検索可能なショットの範囲を拡張するために,"バギング"と"ランダムサブスペース法"を導入する.具体的には,サンプルと特徴量の次元をランダムに変更して構築した分類器によって,大きく異なるショットが特徴づけられるようになる.さらに,計算コストを削減するために,"MapReduce"という並列プログラミングモデルを用いて検索プロセスを並列化する.実験では,TRECVID 2009の映像データを対象として,本手法の有効性を示す.