著者
戸田 保幸 松村 清重 眞田 有吾
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2012-04-01

プロペラと船体・舵との相互干渉をCFD計算内で体積力分布を用いる方法に対して新しい手法を提案した。CFD計算のプロペラ面の速度を直接用い体積力分布を計算する方法でこれまでのものとは異なり、誘導速度を引き算して非粘性プロペラ性能で体積力分布を求める時に行うやり取りを必要としない。この手法を用いて平水中の推進性能、ダクトや舵につけられたフィンのような省エネルギーデバイスの付いた計算や波浪中における推力変動の計算を行い十分に使用可能であることを示した。
著者
松村 清治
出版者
公益社団法人日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.73, no.2, pp.250-255, 2007-03-15
参考文献数
34
被引用文献数
1 1

有明海において1991〜1995および2000〜2002年に放流した23群のトラフグ標識魚の11月1目の推定全長を目的変数とし,放流時期,放流サイズ,放流場所,種苗性,資源量指数および水温(7〜8月と9〜10月)を説明変数として重回帰分析を行った。解析の結果,漁獲サイズの変動には放流サイズ,放流時期,放流場所,資源量指数および水温が影響していることが判明した。偏回帰係数から,諌早湾および湾奥において大きいサイズで早期に放流することにより,より大型の漁獲加人魚が得られることが判った。
著者
田中 一朗 戸田 保幸 松村 清重 鈴木 敏夫
出版者
大阪大学
雑誌
一般研究(B)
巻号頁・発行日
1987

船首尾部で発生する3次元剥離の発生機構及びその船型要素との関係を明らかにするとともに、これらの影響を考慮した船体まわりの流場、船体に働く流体力の計算法を開発することを目的とする。以下に調査法とその結果について述べる。1.通常船型を横断面積分布、偏平度分布、へこみ度分布を用いて表し、この船体が斜航する場合の流場の計算法を示した。この結果、剥離渦の強さ及び剥離線はへこみ度分布に強く依存することがわかった。2.上記計算法には剥離渦の発生初期の形状を必要とする。これを得るために、剥離渦を伴う円錐まわりの自己相似流場について調査し、剥離線近傍の剥離渦の形状を摂動法により求めた。この解はレイノルズ数が無限大の時に起きる剥離構造を示すことがわかった。しかし、この解析解は渦の端が無限遠方で渦の巻き込みを表せないため、この解を元に渦の局所的流速を用いて解を大局化させる反復法による計算法を示した。この結果、渦層は円錐からあまり離れず、有限レイノルズ数の渦層形状とはかなり異ることが明らかとなった。3.厚い境界層理論と簡易プロペラ理論を用いてプロペラ作動時の実用船型まわりの流場の計算法を開発した。その結果、プロペラ作動時においても計算結果は実験結果とよい一致を示すことがわかり、また、プロペラ作動時の方が船体表面圧力分布に及ぼす粘性影響が小さいことがわかった。また船体横断面形状をフレアーを持つように変形することで粘性圧力抵抗が軽減されることがわかった。4.船首砕波する流場を低フルード数という仮定で解析的に求めた。その結果、渦を伴っていない局所波は実験で得た波形によく似た形状となることがわかった。