著者
井上 春奈 森 悠芽 畑中 律敏 芝原 友幸 笹井 和美 松林 誠
出版者
日本野生動物医学会
雑誌
日本野生動物医学会誌 (ISSN:13426133)
巻号頁・発行日
vol.28, no.2, pp.103-106, 2023-09-01 (Released:2023-11-01)
参考文献数
11

野生鳥類の糞便101検体についてショ糖遠心浮遊法により寄生虫検査を実施した。その結果,寄生虫の陽性率は29.7%であり,内訳は原虫類(Eimeria 型もしくはIsospora 型のオーシスト)が20.8%,線虫類(毛細線虫類または回虫類)は8.9%であった。消化管寄生虫は糞便と共に排泄された後も長期間にわたり感染性を保持するため,間接的または直接的な糞口接触が比較的高率に生じている可能性が示唆された。
著者
宇仁 茂彦 松林 誠 池田 英一 鈴木 義孝
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
The journal of veterinary medical science (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.65, no.3, pp.s・v, 385-388, 2003-03-25
被引用文献数
3 10

福井,滋賀,岐阜の3県において,捕獲されたニホンツキノワグマの各種内部臓器(肝臓,腎臓,心臓,肺,脾臓,リンパ節,皮膚)の組織学的検索を行った.その結果,18頭すべての肺の全葉の肺胞壁にHepatozoon sp.の未成熟および成熟メロントを見いだした.また,病理学的所見として,メロント,メロゾイトおよび虫体を包含する食細胞結節の周回に炎症性細胞潤滑は見られなかったが,崩壊過程を示す細胞,虫体および結節の周りには炎症性細胞浸潤を見いだした.クマにおけるヘパトゾーン症の最初の報告である.