著者
曽我 真人 松田 憲幸 瀧 寛和
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会論文誌 (ISSN:13460714)
巻号頁・発行日
vol.23, no.3, pp.96-104, 2008 (Released:2008-02-21)
参考文献数
8
被引用文献数
2 9

Skill, such as arts, sports and crafts, is regarded as a cycle that consists of the following three steps: recognition of objects, selection of appropriate action series and execution of the action. In arts and crafts, people produce works as a result of this cycle. Skill-learning environment should involve diagnosis-function providing appropriate advice for each step. This paper describes technique that is providing advice in real time when a learner learns recognition of drawing. To assist learners' recognition, we developed the sketch-area-dependent advising system that presents advice with voice for learners' drawing. The effectiveness of advice was confirmed through an experiment evaluating proposed technique.
著者
高木 佐恵子 松田 憲幸 曽我 真人 瀧 寛和 志磨 隆 吉本 富士市
出版者
一般社団法人 画像電子学会
雑誌
画像電子学会誌 (ISSN:02859831)
巻号頁・発行日
vol.32, no.4, pp.386-396, 2003 (Released:2004-02-29)
参考文献数
17
被引用文献数
3

絵画は,心を豊かにするための重要な研究テーマの一つである.これまで,絵画に関する多くの研究では,実際の画材を再現するような機能を提供するばかりで,ユーザが描いた絵を評価し,アドバイスを与えるようなものはなかった.そこで,我々は,初心者のための基礎的な鉛筆デッサンの学習支援システムを提案する.提案システムは,モチーフに関するデータとユーザが鉛筆で画用紙に描いたデッサンの画像を入力とし,ユーザへのアドバイスを出力とする.提案システムでは,次の四つの機能により,処理が行われる:モチーフの特徴解析,デッサンの特徴解析,誤りの同定,アドバイスの生成と提示.提案システムの有効性を確かめるため,扱う対象を基礎的なモチーフに対する主要なアドバイスに限定したプロトタイプシステムを開発し,実験を行った.その結果,提案システムの有効性が確かめられた.
著者
松田 憲幸 柏原 昭博 平嶋 宗 豊田 順一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-情報処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.80, no.1, pp.326-335, 1997-01-25
被引用文献数
13

プログラミングを行うためには, プログラマは少なくとも, プログラムの動作について明確に理解しておく必要がある. しかしながら初心者の場合プログラムの個々の命令の振舞いを理解できても, プログラム全体の動作を正しく理解できなかったり, プログラム仕様から動作を想定できない場合がよく見られる. このような初心者を対象とする場合, 動作とプログラムコード動作とプログラム仕様の対応関係について説明することが重要となる. 本論文では動作の理解が特に難しい再帰プログラムを対象に, プログラムの動作を介したプログラミングを支援する知的教育システムについて述べる. 筆者らは再帰プログラミングのモデルを想定した上で, 学習者にとって理解が容易となるようにプログラムの動作を表現し, これをプログラムの振舞いと呼んでいる. 本論文ではこの振舞い表現を用いて, 再帰プログラムの設計過程および理解過程を支援する方法について論じる. 特に, 雛形を用いた解法による設計過程の支援ならびに, 振舞い表現の可視化による理解過程の支援について述べる. 更に振舞い表現の評価実験についても述べる.
著者
松田 憲幸 高木 佐恵子 曽我 真人 堀口 知也 平嶋 宗 瀧 寛和 吉本 富士市
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.J91-D, no.2, pp.324-332, 2008-02-01

初心者のための鉛筆デッサンの基礎は,対象を見えたまま正確に描きとる写実であり,獲得が難しい技能である.初心者は自己の写実の誤りに気づくことができない,あるいはデッサン画全体に漠然とした違和感を感じることができても,具体的に写実の何が誤りかを判断できず,同じ誤りを繰り返す.反復練習を指導する教師は,写実の誤りを理解させるため,描く対象と異なった立体物をイメージさせるたとえ(比喩)を用いる.学習者は比喩説明を聞く過程で徐々に,明らかに異なるイメージの写実と感じるようになり,ついに自己の写実の誤りに気づくと考えられる.本論文は学習者の鉛筆デッサン画像に含まれる写実の誤りを顕在化した三次元モデルを構築する手法を検討する.本手法は誤った写実による1枚の画像から,誤りを映し出し,かつ直感的に不自然さを感じさせる三次元モデルを構築する.写実の8種の誤りを対象に,デッサン画像の誤りを特徴づける15個の特徴量を用いて三次元モデルのスケーリング変換を定義した.三次元モデルを表示する顕在化ツールを実装した.学習者が本ツールを用いることで,鉛筆デッサンに含まれる写実の誤りに気づきやすくなると期待できる.