著者
古川 康一 植野 研 尾崎 知伸 神里 志穂子 川本 竜史 渋谷 恒司 白鳥 成彦 諏訪 正樹 曽我 真人 瀧 寛和 藤波 努 堀 聡 本村 陽一 森田 想平
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会論文誌 (ISSN:13460714)
巻号頁・発行日
vol.20, no.2, pp.117-128, 2005 (Released:2005-02-04)
参考文献数
52
被引用文献数
4 4

Physical skills and language skills are both fundamental intelligent abilities of human being. In this paper, we focus our attention to such sophisticated physical skills as playing sports and playing instruments and introduce research activities aiming at elucidating and verbalizing them. This research area has been launched recently. We introduce approaches from physical modeling, measurements and data analysis, cognitive science and human interface. We also discuss such issues as skill acquisition and its support systems. Furthermore, we consider a fundamental issue of individual differences occurring in every application of skill elucidation. Finally we introduce several attempts of skill elucidation in the fields of dancing, manufacturing, playing string instruments, sports science and medical care.
著者
根来 美貴 曽我 真人 瀧 寛和
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ET, 教育工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.39, pp.53-58, 2011-05-07

近年,マンガの描き方を記した書籍には『視線誘導』という技術が記載されている.『視線誘導』とは「ページのコマの絵を追っていく読者の視線の自然な流れを作る」技術である.この視線の流れを作者がコントロールすることで,マンガ内の時間感覚やリズムなどを希望した通りに読み進めてもらえる.しかしこれは著者の経験に基づいて記述されているものであり,実験により証明されたものではない.そこで本研究では書籍および参考資料に記載されている視線誘導の例からマンガを作成し,視線分析装置を用いた分析を行った.また印象の変化が発生するとされるものにはアンケートを実施した.そこから視線誘導の有用性を明らかにすることを目的とした.
著者
曽我 真人 松田 憲幸 瀧 寛和
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会論文誌 (ISSN:13460714)
巻号頁・発行日
vol.23, no.3, pp.96-104, 2008 (Released:2008-02-21)
参考文献数
8
被引用文献数
2 9

Skill, such as arts, sports and crafts, is regarded as a cycle that consists of the following three steps: recognition of objects, selection of appropriate action series and execution of the action. In arts and crafts, people produce works as a result of this cycle. Skill-learning environment should involve diagnosis-function providing appropriate advice for each step. This paper describes technique that is providing advice in real time when a learner learns recognition of drawing. To assist learners' recognition, we developed the sketch-area-dependent advising system that presents advice with voice for learners' drawing. The effectiveness of advice was confirmed through an experiment evaluating proposed technique.
著者
高木 佐恵子 松田 憲幸 曽我 真人 瀧 寛和 志磨 隆 吉本 富士市
出版者
一般社団法人 画像電子学会
雑誌
画像電子学会誌 (ISSN:02859831)
巻号頁・発行日
vol.32, no.4, pp.386-396, 2003 (Released:2004-02-29)
参考文献数
17
被引用文献数
3

絵画は,心を豊かにするための重要な研究テーマの一つである.これまで,絵画に関する多くの研究では,実際の画材を再現するような機能を提供するばかりで,ユーザが描いた絵を評価し,アドバイスを与えるようなものはなかった.そこで,我々は,初心者のための基礎的な鉛筆デッサンの学習支援システムを提案する.提案システムは,モチーフに関するデータとユーザが鉛筆で画用紙に描いたデッサンの画像を入力とし,ユーザへのアドバイスを出力とする.提案システムでは,次の四つの機能により,処理が行われる:モチーフの特徴解析,デッサンの特徴解析,誤りの同定,アドバイスの生成と提示.提案システムの有効性を確かめるため,扱う対象を基礎的なモチーフに対する主要なアドバイスに限定したプロトタイプシステムを開発し,実験を行った.その結果,提案システムの有効性が確かめられた.
著者
瀧 寛和 石川 幹人 伊藤 昭 岡 夏樹
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.43, no.1, pp.57-65, 2002-01-15
参考文献数
7
被引用文献数
3

この解説では,人の心や認知的な心をそのまま論じるのではなく,工学的に機械の心をどのように捉え,どのような仕組みとして実現すれば,有用な機械を構築できるかを考えてみる.鉄腕アトムのような心を持った,より人に近い機械を実現していくには,どのような技術が必要になってくるのかを,その歴史と技術動向からみていきたい.
著者
曽我 真人 瀧 寛和
出版者
和歌山大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2010

擦弦楽器の一種である二胡を事例として,初心者の演奏時の手指の動きを測定し,誤りについて分析した.また,初心者の二胡の演奏スキルの学習を支援する学習支援環境を構築した.具体的には,学習者の左手指先に装着した磁気式位置センサが,弦を抑える位置を検出する.システムは,その学習者が弦を抑える位置と,正しい位置とを表示し,抑える位置のずれを三次元CGで可視化することができる.
著者
安松谷 亮宏 曽我 真人 瀧 寛和
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.25, 2011

バスケットボールのシュート率を向上させるには,シュートフォームの確立が不可欠である.また,初心者にシュートフォームを教えるためには,熟練者のシュートフォーム姿における身体各関節の角度の測定が必要となってくる.そこで,熟練者と初心者のシュートフォームをモーションキャプチャで取得し,身体各関節の回転角を分析した.その結果,初心者は熟練者より安定性がなく,足や腕の伸展力を利用していないことが分かった.
著者
松田 憲幸 高木 佐恵子 曽我 真人 堀口 知也 平嶋 宗 瀧 寛和 吉本 富士市
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.J91-D, no.2, pp.324-332, 2008-02-01

初心者のための鉛筆デッサンの基礎は,対象を見えたまま正確に描きとる写実であり,獲得が難しい技能である.初心者は自己の写実の誤りに気づくことができない,あるいはデッサン画全体に漠然とした違和感を感じることができても,具体的に写実の何が誤りかを判断できず,同じ誤りを繰り返す.反復練習を指導する教師は,写実の誤りを理解させるため,描く対象と異なった立体物をイメージさせるたとえ(比喩)を用いる.学習者は比喩説明を聞く過程で徐々に,明らかに異なるイメージの写実と感じるようになり,ついに自己の写実の誤りに気づくと考えられる.本論文は学習者の鉛筆デッサン画像に含まれる写実の誤りを顕在化した三次元モデルを構築する手法を検討する.本手法は誤った写実による1枚の画像から,誤りを映し出し,かつ直感的に不自然さを感じさせる三次元モデルを構築する.写実の8種の誤りを対象に,デッサン画像の誤りを特徴づける15個の特徴量を用いて三次元モデルのスケーリング変換を定義した.三次元モデルを表示する顕在化ツールを実装した.学習者が本ツールを用いることで,鉛筆デッサンに含まれる写実の誤りに気づきやすくなると期待できる.