著者
原田 利宣 吉本 富士市
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.51, no.1, pp.77-84, 2004-05-31
被引用文献数
4

日本刀は,日本人における美の原点のひとつであり,デザイナーにとっても曲線美の基準である。しかし,日本刀の曲線の曲率半径を算出し,厳密に日本刀の曲線の性質を分析した研究例はほとんどない。そこで,本研究では,60振り(刀[太刀を含む]を45振り,短刀15振り)を用いて,日本刀の曲線の性質とはいかなるものであるか,またそれらの日本刀においてどのような共通点があるのかを調べた。具体的には,まず日本刀の写真をスキャニングし,その刃先の曲線を表す点列データを画像処理で抽出した。次に,それらの点列データから曲線を創成し,筆者らの提案した曲線の性質の定量化手法によって分析を行った。その分析結果を基に,それら曲線に共通する特徴や相違点の考察を行った。その結果,太刀,刀における曲線を5つのタイプに,短刀を2つのタイプに分類することができた。また,各タイプの曲線における特徴を明らかにすることができた。加えて,それらの曲線の工業デザインヘの応用を提案した。
著者
高木 佐恵子 岡田 陽介 岩崎 慶 吉本 富士市
出版者
芸術科学会
雑誌
芸術科学会論文誌 (ISSN:13472267)
巻号頁・発行日
vol.4, no.4, pp.135-144, 2005 (Released:2008-07-30)
参考文献数
22

魅力的な外見は一般に好まれる傾向にあるため,通常,人々は自分をよりよく見せようとする傾向がある.我々は,顔の個人的特徴をできるだけ残しつつ,その美しさを向上させるために,顔データを変形する手法を提案する.顔の魅力に関する既存研究を調査した結果,小さい,かつ/または,アンバランスな目と,突出した口を変形対象とする.変形は,3 次元の顔データに対して適用される.用いる顔データには,顔の部分(目や唇など)に分類された特徴点が含まれている.変形は,特徴点の移動により実現し,その移動は特徴点を囲む計測サンプル点の座標にも反映される.提案手法を適用して変形した8 人分の顔データを用いて,アンケート調査を行った.その結果,提案手法が個人的特徴を残しつつ美男美女化することに有効であることが確認された.
著者
高木 佐恵子 岡田 陽介 岩崎 慶 吉本 富士市
出版者
The Society for Art and Science
雑誌
芸術科学会論文誌 (ISSN:13472267)
巻号頁・発行日
vol.4, no.4, pp.135-144, 2005

魅力的な外見は一般に好まれる傾向にあるため,通常,人々は自分をよりよく見せようとする傾向がある.我々は,顔の個人的特徴をできるだけ残しつつ,その美しさを向上させるために,顔データを変形する手法を提案する.顔の魅力に関する既存研究を調査した結果,小さい,かつ/または,アンバランスな目と,突出した口を変形対象とする.変形は,3 次元の顔データに対して適用される.用いる顔データには,顔の部分(目や唇など)に分類された特徴点が含まれている.変形は,特徴点の移動により実現し,その移動は特徴点を囲む計測サンプル点の座標にも反映される.提案手法を適用して変形した8 人分の顔データを用いて,アンケート調査を行った.その結果,提案手法が個人的特徴を残しつつ美男美女化することに有効であることが確認された.
著者
山田 浩子 原田 利宣 吉本 富士市
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.50, no.3, pp.1-8, 2003-09-30
被引用文献数
1

今日,ゲームやアニメ作品等に登場する2次元(2D)キャラクターが3次元(3D)CG化や立体造形(以下、フィギア)される傾向にある。また,アニメ等の作品自体の人気をも左右するキャラクターデザインは,今後益々重要になると考えた。そこで,本研究ではフィギア,日本人形,およびリカちゃん人形の顔の造形にはどのような相違があり,また人の顔と比較することによりどのように人の顔を抽象化しているかを明らかにすることを目的とした。まず、人や人形の顔の形状を3次元計測し,顔の曲面を構成するキーラインとして顔の特徴点における断面線7箇所を抽出した。次に,それらにおける曲率半径とその変化の仕方の分析結果と,高速フーリエ変換による曲率半径の周波数分析からそれぞれの顔の特徴分析を行った。また,その解析結果を人形の顔作りに応用し,評価を行った。その結果,それぞれの人形の特徴を作り分けることができ,その指針の有用性を確認した。
著者
岡田 陽介 高木 佐恵子 岩崎 慶 吉本 富士市
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告グラフィクスとCAD(CG) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2007, no.13, pp.103-108, 2007-02-20

本稿では、人間の顔の3次元形状データを、一般に美しいとされる顔がもつ特徴を有するように変形するシステムについて報告する。変形対象は、眉、目、鼻、口、輪郭とし、形状と配置の美化を行う。美化の程度は、入力パラメータによって制御可能であり、ユーザの好みに合わせた美化モデルを作成できる。提案システムおよび生成された顔モデルについて実験を行った結果、提案システムの有用性を確認した。We introduce a new system that transforms 3D facial data into beautified ones which have the features as beautiful faces in general. The targets of beautification are eyebrows, eyes, nose, mouth, and face contour. The operations for beautification are modifications of shapes and arrangement of the targets. The levels of the beautification can be controlled according to the parameter values input by a user, and the system can make beautified facial models matched to the user's favor. The effectiveness of the proposed system was confirmed from the experimental result on the proposed system and beautified facial models.
著者
田畑 惣太郎 岩崎 慶 高木 佐恵子 吉本 富士市
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NLC, 言語理解とコミュニケーション (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.668, pp.1-6, 2005-02-18

現在, 多くの情報検索システムがあるが, モバイル環境で利用できるものは少ない.本稿ではモバイル環境で簡単に利用できる花の画像検索システムについて述べる.本システムは, 携帯電話を用いて撮影した花の画像とその位置情報, および花の簡単な特徴を花の画像検索サーバに送り, 検索した結果を携帯電話で確認するシステムである.特徴量の和による順位付けと, 各特徴量の順位を用いた順位付けの2種類について, 特徴量の重みを変化させて, 検索方法の評価を行った.その結果, 目的とする花が第1位から第10位までに入ったものが最も高かった組み合わせにおける検索率は, 前者で89%, 後者で87%であった.
著者
高橋 紀哉 原田 利宣 吉本 富士市
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.48, no.5, pp.5_27-5_36, 2002-01-31 (Released:2017-11-08)
参考文献数
11

自動車のフロントマスクデザインは,ヘッドランプのことを'目'といったり,エアインテーク形状のことを'口'というように,よく人の顔に例えられる.つまり,自動車のフロントマスクと人の顔の認知においては,何らかの類似関係があるという仮説をたてた. そこで,本研究ではイメージという視点から自動車のフロントマスクや人の顔の形態要素間の類似関係を明らかにすることを目的とした.具体的には,主成分分析,クラスター分析を用いて自動車のフロントマスクと人の顔を4つのクラスターに分類を行い,また,古屋らの研究(1993)における誇張画作成の考え方を応用し,各クラスターにおける誇張画の特徴を考察した.その結果,各クラスター内の自動車のフロントマスクと人の顔との間には,一致する形態的特徴が数多く存在することが明らかとなった.
著者
山田 浩子 原田 利宣 吉本 富士市
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.50, no.3, pp.1-8, 2003-09-30 (Released:2017-07-19)
参考文献数
3

今日,ゲームやアニメ作品等に登場する2次元(2D)キャラクターが3次元(3D)CG化や立体造形(以下、フィギア)される傾向にある。また,アニメ等の作品自体の人気をも左右するキャラクターデザインは,今後益々重要になると考えた。そこで,本研究ではフィギア,日本人形,およびリカちゃん人形の顔の造形にはどのような相違があり,また人の顔と比較することによりどのように人の顔を抽象化しているかを明らかにすることを目的とした。まず、人や人形の顔の形状を3次元計測し,顔の曲面を構成するキーラインとして顔の特徴点における断面線7箇所を抽出した。次に,それらにおける曲率半径とその変化の仕方の分析結果と,高速フーリエ変換による曲率半径の周波数分析からそれぞれの顔の特徴分析を行った。また,その解析結果を人形の顔作りに応用し,評価を行った。その結果,それぞれの人形の特徴を作り分けることができ,その指針の有用性を確認した。
著者
高木 佐恵子 波川 千晶 吉本 富士市
出版者
芸術科学会
雑誌
芸術科学会論文誌 (ISSN:13472267)
巻号頁・発行日
vol.2, no.4, pp.156-164, 2003 (Released:2008-07-30)
参考文献数
15
被引用文献数
2 4

現在,CAI システムにCG を応用する研究は,知識学習に関するものが中心であり,技能学習を扱うシステム,特に,バーチャルではなく,実際の技能のためのシステムはほとんど皆無である.多くの人が,実際の向上を目指している技能の一つにメイクアップがある.近年,メイクアップ支援の需要が増加し,メイクアップシミュレータが開発されているが,既存システムは,シミュレーションの高品質化を探求するものばかりである.そこで,本論文では,ユーザが自分の顔へ実際に行ったメイクアップに対するアドバイス機能を含む3次元メイクアップアドバイスシステムを提案する.提案システムでは,顔を3次元形状計測装置で計測した距離データと画像,デジタルカメラで撮影した画像を入力とする.出力は,各段階におけるメイクアップシミュレーション結果の画像と実際のメイクアップテクニックの説明,そして,ユーザが行ったメイクアップとの比較によるアドバイスである.プロトタイプシステムの試用実験では,大半の被験者から肯定的評価を得た.
著者
原田 利宣 石田 智子 吉本 富士市
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.49, no.3, pp.61-68, 2002
参考文献数
8
被引用文献数
2

自動車インテリア評価に関する既存研究例には,写真や2次元CG,実車を用いて評価したものが多い。写真や2次元CGは室内空間という臨場感に欠け,実車は精度が高くリアルだが,意図した形態要素を含んでいるとは限らない。そこで,本研究では立体感,スケール感を再現できるVRシステムを用いてより精度の高いデザイン評価を行うことにより,インスツルメントパネルを構成する形態要素と印象との関係を明確化することを目的とした。まず,既存車39車種のインパネを計測し,プロポーション,面構造,曲線(面)の3つの視点から分析を行った。それによりインパネ形状に影響を与える形態要素を抽出し,それらを用いて実験計画法によるVRモデルの作成を行った。次に,作成したVRモデルを10語の評価用語を用いて評価実験し,主効果を求め,分散分析,t検定を用いてどの形態要素がどのような印象に影響するのか調査した。その結果,各評価用語に対し影響すると考えられる形態要素が抽出された。
著者
高木 佐恵子 松田 憲幸 曽我 真人 瀧 寛和 志磨 隆 吉本 富士市
出版者
一般社団法人 画像電子学会
雑誌
画像電子学会誌 (ISSN:02859831)
巻号頁・発行日
vol.32, no.4, pp.386-396, 2003 (Released:2004-02-29)
参考文献数
17
被引用文献数
3

絵画は,心を豊かにするための重要な研究テーマの一つである.これまで,絵画に関する多くの研究では,実際の画材を再現するような機能を提供するばかりで,ユーザが描いた絵を評価し,アドバイスを与えるようなものはなかった.そこで,我々は,初心者のための基礎的な鉛筆デッサンの学習支援システムを提案する.提案システムは,モチーフに関するデータとユーザが鉛筆で画用紙に描いたデッサンの画像を入力とし,ユーザへのアドバイスを出力とする.提案システムでは,次の四つの機能により,処理が行われる:モチーフの特徴解析,デッサンの特徴解析,誤りの同定,アドバイスの生成と提示.提案システムの有効性を確かめるため,扱う対象を基礎的なモチーフに対する主要なアドバイスに限定したプロトタイプシステムを開発し,実験を行った.その結果,提案システムの有効性が確かめられた.
著者
岡田 陽介 高木 佐恵子 岩崎 慶 吉本 富士市
雑誌
情報処理学会研究報告グラフィクスとCAD(CG)
巻号頁・発行日
vol.2007, no.13(2007-CG-126), pp.103-108, 2007-02-20

本稿では、人間の顔の3次元形状データを、一般に美しいとされる顔がもつ特徴を有するように変形するシステムについて報告する。変形対象は、眉、目、鼻、口、輪郭とし、形状と配置の美化を行う。美化の程度は、入力パラメータによって制御可能であり、ユーザの好みに合わせた美化モデルを作成できる。提案システムおよび生成された顔モデルについて実験を行った結果、提案システムの有用性を確認した。
著者
吉野 孝 宗森 純 湯ノ口 万友 泉 裕 上原 哲太郎 吉本 富士市
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.41, no.9, pp.2382-2393, 2000-09-15
被引用文献数
19

携帯情報端末(PDA)上で動作し,発想一貫支援グループウェア郡元のデータ収集部分を担当するGMemoを開発した.GMemoは,思いついたときに,いつでも,どこでも,また,入力もれなく使用できるよう開発したソフトウェアである.GMemoの特徴は,手書きデータを郡元で利用可能な情報として直接利用していることである.PDAを用いたデータ収集の実例として,和歌山大学システム情報学センター教職員にPDAを携帯してもらい,思いついたときに,自由にメモやアイディアを記入する実験を行った.約5カ月間にわたって収集されたメモやアイディアは大きく分けて,センター業務の改善に関するものと,利用したGMemoの改善についてであった.収集された手書き入力のアイディアを直接利用して,郡元を用いてKJ法を実施した.それらの結果から,PDAによるデータ収集は有効であることを示す.We have developed data collecting software, called GMemo (GUNGEN Memo), running on a Personal Digital Assistant (PDA). GMemo is a piece of input equipment for GUNGEN. GUNGEN is a groupware for a new idea generation consistent support system. Users can collect data for the KJ method using GMemo easily with no omission, and input ideas in free handwriting. We thought that such sudden ideas need to be stored in anytime and anywhere. The feature of GMemo is using handwriting data as input data for GUNGEN directly. We requested members of the Wakayama University Information Science Center to use GMemo regularly. They have used GMemo for about five months. The kinds of collected data were about the improvement of centers works and the improvement of GMemo.We carried out KJ method using handwritten data collected by GMemo. In this paper, we describe the result of the data collection using GMemo and the result of KJ method using handwritten data collected by GMemo. Furthermore, we show the effectiveness of the data collection using PDA.
著者
吉本 富士市 原田 利宣 高木 佐恵子 岩崎 慶
出版者
和歌山大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2003

描画の素人にとって,高品質な絵を描くことは容易ではない.コンピュータの支援により,素人が高品質な作品を容易に製作できれば,多くの人にとって福音となる.しかし,絵の一般的な評価基準を作り,それに基づいて素人の絵を評価・修正することは極めてむずかしい.そこで本研究では描画の初心者が,コンピュータを用いて心地よい手描き風曲線を生成するための支援システムと,それらの周辺の研究を行った.その成果の要点は以下のとおりである.まず,手描き風曲線の形とともに太さを玄人風に表現する,手描き風曲線の生成支援システムを研究した.手描き曲線の輪郭線の骨格から手描きの概形的特徴をフラクタル次元と曲率の符号変化数で抽出する.骨格線から輪郭線の縁までの距離をフーリエ変換して,そのスペクトルの高周波領域から太さの特徴を抽出する.それらについて,素人の特徴を玄人の特徴に近づけることにより,高品質な手描き風曲線を生成する.プロトタイプシステムを開発して評価実験を行った.その結果,玄人が描いた手描き曲線の特徴を用いて,素人が描いたぎこちない手描き曲線の概形的特徴を残しつつ,高品質な手描き風曲線を生成できることがわかった.また,周辺研究として以下の研究を行った.1.モバイル環境で素人が手軽に美しいイラストを作成するシステムを開発した.2.曲率半径と周波数分析を用いた人形の顔を構成する曲線の特徴解析3.VRシステムを用いた自動車コンフィギュレーション印象評価4.日本刀の曲線の性質を解析し,どのような共通点があるかを調べた.5.カーナビの情報デザインを構成する要素とユーザが持つ印象との関係を明確化した.
著者
野田 真樹子 園部 博崇 高木 佐恵子 吉本 富士市
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. HI,ヒューマンインタフェース研究会報告 (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.96, pp.9-14, 2001-11-15
被引用文献数
1

現在, 多くの画像検索システムがあるが, それらをモバイル環境で利用することは難しい.そこで, 本稿では, モバイル環境で利用できる花の画像検索システムを提案する.提案システムは, デジタルカメラで撮影した花の画像と, 利用者が指定した簡単な特徴情報を, モバイル機器を用いて画像検索サーバに送信し, サーバで検索を行った結果をモバイル機器で確認するというシステムである.サーバでの検索の際には, 利用者が指定した特徴と, デジタルカメラで撮影した花の画像から抽出した形状や, 色の特徴を使用する.本システムで検索実験を行った結果, 目的とする画像が検索結果の第1位から第3位に入ったものが約92%であり, その結果は満足できる時間内に取得できた.
著者
野田 真樹子 園部 博崇 高木 佐恵子 吉本 富士市
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告モバイルコンピューティングとユビキタス通信(MBL) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2001, no.108, pp.9-14, 2001-11-15

現在,多くの画像検索システムがあるが,それらをモバイル環境で利用することは難しい.そこで,本稿では,モバイル環境で利用できる花の画像検索システムを提案する.提案システムは デジタルカメラで撮影した花の画像と,利用者が指定した簡単な特徴情報を,モバイル機器を用いて画像検索サーバに送信し,サーバで検索を行った結果をモバイル機器で確認するというシステムである.サーバでの検索の際には,利用者が指定した特徴と,デジタルカメラで撮影した花の画像から抽出した形状や,色の特徴を使用する.本システムで検索実験を行った結果,目的とする画像が検索結果の第1位から第3位に入ったものが約92%であり,その結果は満足できる時間内に取得できた.There are many image retrieval systems today. These systems, however, are difficult to use outdoors. In this paper, we propose an image retrieval system of flowers that can be used for mobile computing environment. In this system, we photograph a flower with a digital camera and specify some simple characteristics of flowers. Then we transmit the flower image and the characteristics to an image retrieval server with PDA and PHS. In the image retrieval server, images similar to the received image are retrieved. For the purpose of retrieving the images, we use the characteristics specified and characters of shape and color extracted from the images. The result of our experiment shows that the percentage of getting the objective image from the first to the third places was about 92%. The objective flower-data was obtained in satisfactory time.
著者
松田 憲幸 高木 佐恵子 曽我 真人 堀口 知也 平嶋 宗 瀧 寛和 吉本 富士市
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.J91-D, no.2, pp.324-332, 2008-02-01

初心者のための鉛筆デッサンの基礎は,対象を見えたまま正確に描きとる写実であり,獲得が難しい技能である.初心者は自己の写実の誤りに気づくことができない,あるいはデッサン画全体に漠然とした違和感を感じることができても,具体的に写実の何が誤りかを判断できず,同じ誤りを繰り返す.反復練習を指導する教師は,写実の誤りを理解させるため,描く対象と異なった立体物をイメージさせるたとえ(比喩)を用いる.学習者は比喩説明を聞く過程で徐々に,明らかに異なるイメージの写実と感じるようになり,ついに自己の写実の誤りに気づくと考えられる.本論文は学習者の鉛筆デッサン画像に含まれる写実の誤りを顕在化した三次元モデルを構築する手法を検討する.本手法は誤った写実による1枚の画像から,誤りを映し出し,かつ直感的に不自然さを感じさせる三次元モデルを構築する.写実の8種の誤りを対象に,デッサン画像の誤りを特徴づける15個の特徴量を用いて三次元モデルのスケーリング変換を定義した.三次元モデルを表示する顕在化ツールを実装した.学習者が本ツールを用いることで,鉛筆デッサンに含まれる写実の誤りに気づきやすくなると期待できる.