著者
松田 紀子 白木原 美紀 白木原 国雄
出版者
日本水産學會
巻号頁・発行日
vol.77, no.1, pp.8-14, 2011 (Released:2012-12-06)

天草下島周辺海域に周年定住するミナミハンドウイルカTursiops aduncusを対象としてイルカウォッチング船が群れの行動に及ぼす影響を調べた。陸上定点から群れの行動観察を行い,群れの位置をセオドライトで計測した。個体が間隔を詰めて同調的な潜水浮上を繰り返す時,ウォッチング船が1隻でも存在すると,不在時に比べて潜水時間が長くなり,浮上中の速度が増加した。4,5隻以上存在した時,潜水地点から浮上地点までの距離が増加し,浮上時間が減少した。群れに接近可能な隻数制限の導入が必要である。
著者
吉岡 基 幸島 司郎 天野 雅男 天野 雅男 荒井 一利 内田 詮三 大谷 誠司 小木 万布 酒井 麻衣 白木原 美紀 関口 雄祐 早野 あづさ 森 恭一 森阪 匡通
出版者
三重大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

ミナミハンドウイルカの保全のために必要な基礎情報を得るため,分布や移動経路の把握,地域個体群間の関係に関する検討,行動解析,繁殖生理値の収集を行った.その結果,(1)伊豆鳥島周辺に本種が分布し,その個体群は小笠原や御蔵島の個体群との間に関係を有すること,(2)奄美大島での調査により,本種が同島周辺を生活圏とすること,(3)御蔵島個体群の社会行動の分析から,その頻度が性や成長段階によって異なること,(4)飼育個体の性ホルモン分析から,オスの精子形成は春~秋により活発になることなどが明らかになった.
著者
白木原 美紀 天野 雅男 竹村 暘 白木原 國雄 天野 雅男 竹村 暘 白木原 國雄
出版者
東邦大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

熊本県天草下島沿岸域に周年定住するミナミハンドウイルカが2年間で26頭(年平均13頭)混獲されたことが漁業者への聞き取り調査から推察された. 本個体群の多くのイルカは背びれの傷をもとに個体識別されており, 個体数は200頭余りと小さい. 本個体群では, 混獲などの人為的要因による死亡数が2頭を超えると個体群が減少する可能性がある. 年平均混獲数13頭はこの値を大きく上回っている. 混獲対策が緊急課題であることが明らかになった.