著者
木村 洋二 ハンナロン チャーン 板村 英典
出版者
関西大学
雑誌
関西大学社会学部紀要 (ISSN:02876817)
巻号頁・発行日
vol.37, no.3, pp.55-106, 2006-03-30

2004年5月10日の記者会見における皇太子の「人格否定」発言を日本の4大新聞がどのように報道したか、荷重グラフを作成して比較分析した。はじめに、同じく王室を戴くタイ国における王室報道を概観した。記事の割付けと面積をグラフィカルに表現するパターングラフ(NWP)を開発するとともに、「敬意度」を測定するために記事の開始段数を指標化(SRW)した。タイにおいてはすべての王室報道が第1段から掲載されるのに対し、日本の新聞にはかなりのバラツキが見られた。産経、読売が「敬意度」の得点が高く、朝日、毎日の得点が低いことがグラフ表示から明らかになった。
著者
板村 英典 池田 資尚 池信 敬子 森下 伸也
出版者
関西大学人間健康学会
雑誌
人間健康学研究 : Journal for the study of health and well-being (ISSN:21854939)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.79-90, 2012-03-31

The purpose of this paper is to show a method of the objective and quantitative measurement of the human laughter by electromyography (EMG). There are two existing clues in catching the human smile and laughter: smiling expression (face) and laughing voice (throat). Both of these are not available in terms of detecting a spontaneous laughter, because human beings can express a smile and a laugh selectively or consciously without feeling funniness. We have developed "DLMS" (Diaphragmatic Laughter Measuring System) in order to measure the spontaneous laughter. This system is composed of an electromyograph and a personal computer, which make it possible to measure the myoelectricity of the human belly muscles moved in accordance with the one's spontaneous laughter breaking out. In this paper, it is proposed that "DLMS" has some advantages in measuring spontaneous human laughter with funniness which can contribute to the human health and well-being.
著者
池田 資尚 板村 英典 池信 敬子 森下 伸也
出版者
日本笑い学会
雑誌
笑い学研究
巻号頁・発行日
no.19, pp.75-85, 2012-07-21

私たち人間は日常生活を送る中で「笑い」という行為を意識的あるいは無意識的に表出している。このような人間の「笑い」という現象を科学的に考察するためには、それらを客観的に把握する手法を構築することが求められる。本稿では、笑いが発生する際に反応の見られる「顔」、「喉」、「腹」の3つの身体部位に着目し、それらの動きを計測する「3点計測システム」を用いて、笑い発生時の各身体部位の反応の有無を検出することから笑いの客観的な分類を試みるとともに、それらの組み合わせから笑いを論理的に8つのパターンに分けて捉える「笑いの分類モデル」を導出した。「3点計測システム」の視座から人間の笑いを客観的に把握・分類することは、「笑い」の多様性に対して新たな視点を提起することにつながり、日々の生活の中で忘却されがちな私たち人間の笑いのあり方を自覚的に捉えるための契機になると考えられる。
著者
木村 洋二 板村 英典 池信 敬子
出版者
関西大学
雑誌
関西大学社会学部紀要 (ISSN:02876817)
巻号頁・発行日
vol.37, no.1, pp.1-56, 2005-10-31

私たちはこれまで、北朝鮮による「日本人拉致」問題を日本の4大新聞がどのように報じてきたか、その報道姿勢を、見出し構成のあり方を中心に、2回にわたって分析してきた(木村・板村・池信2004、2005)。3回目にあたる本稿は、2004年11月9日から14日にかけて平壌で開かれた「第3回日朝実務者協議」に関連して、「拉致」問題を各紙がどのように荷重(重みづけ)して報道したかを分析する。見出しに「拉致」という用語が出現する頻度とその文字の大きさを測定し、時系列で変化を見るために前回同様に「荷重グラフ」を作成する。返還された「遺骨」が偽物であると判明した12月9日以降、各紙とも「経済制裁」の必要を訴える論陣を張った。「制裁」の使用頻度と文字面積についても時系列で荷重グラフを作成した。「制裁」の頻度や使用法にかなり荷重差がみられる。また、「制裁」の文字が含まれている見出し文あるいは文節の構成自体が、読者に正負の異なった印象を与えるのではないか、との仮説から、若干の意味論的構文分析を手がけるとともに、構文法の違いによってもたらされる見出しの分極性と印象強度をたずねる予備的なアンケート調査を試みた。
著者
池田 資尚 板村 英典 池信 敬子 森下 伸也
出版者
日本笑い学会
雑誌
笑い学研究 (ISSN:21894132)
巻号頁・発行日
vol.19, pp.75-85, 2012-07-21 (Released:2017-07-21)

私たち人間は日常生活を送る中で「笑い」という行為を意識的あるいは無意識的に表出している。このような人間の「笑い」という現象を科学的に考察するためには、それらを客観的に把握する手法を構築することが求められる。本稿では、笑いが発生する際に反応の見られる「顔」、「喉」、「腹」の3つの身体部位に着目し、それらの動きを計測する「3点計測システム」を用いて、笑い発生時の各身体部位の反応の有無を検出することから笑いの客観的な分類を試みるとともに、それらの組み合わせから笑いを論理的に8つのパターンに分けて捉える「笑いの分類モデル」を導出した。「3点計測システム」の視座から人間の笑いを客観的に把握・分類することは、「笑い」の多様性に対して新たな視点を提起することにつながり、日々の生活の中で忘却されがちな私たち人間の笑いのあり方を自覚的に捉えるための契機になると考えられる。