著者
三井 雄太 柳谷 俊
出版者
北海道大学大学院理学研究院自然史科学部門(地球物理学)
雑誌
北海道大学地球物理学研究報告
巻号頁・発行日
vol.75, pp.109-115, 2012-03-19

We observed clear fractoluminescence in crystalline quartzite, quartz crystal and fused silica at uniaxial compressional loading tests by commercial digital cameras. These fractoluminescence are composed of blue and red colors. In particular, a blue color does not appear in fractures of fused silica but appear in crystalline quartzite and quartz crystal, which implies that the piezoelectric charge and discharge play a key role in the blue-color fractoluminescence via excitation of N2 molecules.
著者
寺田 孚 柳谷 俊 松本 義雄 斎藤 敏明
出版者
京都大学
雑誌
一般研究(B)
巻号頁・発行日
1990

研究成果の概要は次のようである。1.ある垂直応力状態のもとでせん断を行うと、不連続面の凹凸の周波数成分のうちある周波数の凹凸を境に、それより高周波の凹凸はその特性に変化があり破壊が生じていると思われるが、それより低周波の凹凸には変化がなかった。2.せん断変形の進行とともに、高周波の凹凸から破壊が進行し、破壊が生じない限界の周波数の凹凸で乗り越えが起こり、残留せん断強度を示すと考えられる。3.ピ-ク強度を示すまでは剛性の強い高周波域の凹凸がせん断荷重を受持ち不連続面の凹凸はしっかりかみこんで変形しているが、ピ-クに達すると高周波域の凹凸のある領域にわたって一挙に破壊する。4.ピ-ク強度を過ぎると破壊と乗り越えを繰り返しながら徐々にせん断荷重を受け持つ周波数帯は低周波側に移動し、それにつれてせん断強度も低下する。完全な乗り越え状態に達すると一定の残留強度となる。5.残留状態までは、削り取るにたらない低周波の凹凸の上をすべりつつも、その上に存在する小さな凹凸を破壊して平滑化するので、垂直方向の膨張量がわがかずつ減少し、それに呼応してせん断強度も小さくなる。これは岩石の鉱物粒径にはあまり関係がなく、垂直応力にのみ依存する。6.残留強度は乗り越える凹凸の周波数に大きく依存するが、ピ-ク強度はさらに供試体の強度特性などにも影響を受けるので、ピ-ク強度の方が残留強度よりばらつきが大きい。
著者
MORI James Jiro 加納 靖之 柳谷 俊 大見 士郎
出版者
京都大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2009

2009年7月、中国・?川地震(2008年、Mw7.9)による余震域の上空を皆既日食が通過した。これは地球潮汐が小規模地震を誘発するかどうか調べる貴重な機会となった。2008年5月から2009年9月までの期間の余震について中国地震局のデータを調べたところ、M1.3以上の地震は4万回を超えていた。われわれはスペクトル解析やスタッキング法などいくつかの方法を使って16ヶ月分のデータを研究し、潮汐の振幅の大きい日食期間中のものはとくに詳しく調べた。その結果、スペクトル解析においては、12時間の地球潮汐との弱い相関関係を見つけることができた。われわれは断層地域に掘られたボアホールでハイドロフォン観測を行うことも計画していた。しかし、ボアホールの完成が5ヶ月も遅れたため、日食に合わせて計器を設置することができなかった。その後、ボアホールに設置された地震計は多くの小規模地震を記録している。ここでも、われわれは12時間の地球潮汐との弱い相関関係を見つけることができた。
著者
筒井 稔 柳谷 俊 加納 靖之
雑誌
京都産業大学先端科学技術研究所所報 = The bulletin of the Research Institute of Advanced Technology Kyoto Sangyo University (ISSN:13473980)
巻号頁・発行日
vol.11, pp.1-6, 2012-07

地震に伴って地殻岩盤に生じる圧電効果により、電磁波パルスが励起されるとの仮説の下、京都産業大学では地中に深さ100mのボアホールを構築し、その中に電磁波センサーを挿入して地中励起の電磁波を検出する事を目指して観測を続けている。一方、この岩盤からの電磁波励起を確認検証するために、地上の実験室で岩石に衝撃応力を印加する基礎実験を行っている。最初は効果の強い水晶における衝撃印加実験を行い、円柱状の水晶の周方向に沿った磁界が発生している事を確かめた。今回は、花崗岩への衝撃応力印加による電磁界の励起を確認するための実験を行った。一辺が10cmで長さが50cmの四角柱の花崗岩を用いて、その四角柱の側面の軸方向に沿った4か所に電界・磁界のセンサーを配置し、花崗岩の上端で軸方向に衝撃応力を印加した時の、各位置での電界・磁界の検出測定実験を行った。この実験により、電界・磁界成分ともに検出された。検出された電界・磁界波形の立ち上がり時刻は上部から下部へと少しずつ時間の遅れが認められた。この時間差から、花崗岩中の衝撃波の速度が計算でき、それは地震波のP波の速度と同等である事が明らかとなった。この事から岩盤に加わる衝撃応力によって、電界・磁界が十分に励起される事を確認した。
著者
柳谷 俊 加藤 護
出版者
京都大学
雑誌
萌芽研究
巻号頁・発行日
2005

本研究では,近年飛躍的に性能が向上したデジタル一眼レフ・カメラをもちいて破壊に伴う発光をはじめて撮影することに成功した.えられた発光画像のなかで,特に決定的な例は,断層面が試料表面を切る線の上に発光スポットがきれいに並び,岩石のFaultingと発光の因果関係を強く示唆している.一般に,発光現象が生じる場合,そのメカニズムを特定するには,詳細な波長情報がえられる分光測定を行うのが標準的手法であるが,発光時間が数マイクロ秒以下の単発かつ局所的な現象であること,ISO3200でようやく撮影できる微弱光であり,このような光をさらに分光するには通常の分光器では困難であることがわかった.したがって本研究では,分光器の代わりにデジタル一眼レフ・カメラを使用して発光を観察することとし,シンプルな1軸圧縮破壊実験を行い,破壊時発光を撮影することを試みた.この手法は,分光器に比べて限定的ではあるが,撮影した画像から発光のおおまかな波長情報を得ることができるのに加えて,発光が生じる場所の空間的情報を得ることができる.岩石試料として,花崗岩,トーナライト,玄武岩,砂岩,大理石,珪岩を用いた.さらに花崗岩については,産地と粒径の異なる4種類を用いた.実験の結果,カメラの画像上ではっきりとした発光が確認できたのは,粒径の大きな石英を多くふくむ花崗岩と珪岩に限られた.破壊発光の色は,青系統と赤系統の2種類であり,特に青系統の発光は,珪岩でもっとも顕著に確認できるなど,石英を含む試料に特徴的に見られることから,石英の圧電効果によって生じた電場とそこでの放電がその原因であることを示唆している.いっぽう赤系統の発光は,その発光場所の分布にこれといった特徴は見られなかった.さらに赤系統の発光は,別途に行った摩擦発光とおなじ色に写ることから,破壊時のひずみエネルギーの開放にともなって高温となったスポットからの黒体放射がそのメカニズムである可能性が高い.
著者
長谷川 亮 森谷 健二 喜多 幸次 柳谷 俊一 山田 一雅 小川 陸郎
出版者
函館工業高等専門学校
雑誌
函館工業高等専門学校紀要 (ISSN:02865491)
巻号頁・発行日
vol.37, pp.19-24, 2003

Since 2000, we have attempted to improve a method of leading and experimental theme in the fundamentals of electrical and electronic engineering laboratory I accompanying with a reorganization from dept. of electrical eng. to dept. of electrical and electronic Eng.. In the second-year class, instructions of how to write a technical report were also included into contents of the electrical and electronic experiment. In the present report, we investigated such a method of leading, the experimental system and other problems based on previous enquetes. As a result, it was judging that current experimental system: members of groups, volume of contents, were adequate for students. Additionally, the instruction of technical report was meaningful for the students and we could confirm the necessity of continuing the efforts. On the other hand, some problems: 1) student's preparations to experiments are not sufficient 2) students frequently depend on teacher's advices 3) teachers are not enough to explain evaluation system to students 4) whether experimental themes are really proper or not, were revealed. These examinations and improvements should be needed continuously in the future.
著者
MORI James Jiro 伊藤 久男 柳谷 俊 松林 修 加納 靖之 木下 正高 MA Kou-fong
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

我々は,車籠埔断層を横断する温度プロファイルを観測するために,深さ250mのボアホールを掘削した.この掘削場所は1999年集集地震による温度異常が2000年に観測された場所のごく近傍である.2008年と2010年の温度測定では,温度異常は観測されなかった.このことは,2000年に観測された温度シグナルが地震による摩擦発熱による真のシグナルであったことを示している.