著者
寺澤 洋子 星-芝 玲子 柴山 拓郎 大村 英史 古川 聖 牧野 昭二 岡ノ谷 一夫
出版者
日本認知科学会
雑誌
認知科学 (ISSN:13417924)
巻号頁・発行日
vol.20, no.1, pp.112-129, 2013-03-01 (Released:2014-11-20)
参考文献数
34
被引用文献数
2

Music induces a wide range of emotions. However, the influence of physiological functions on musical emotions needs further theoretical considerations. This paper summarizes the physical and physiological functions that are related to musical emo-tions, and proposes a model for the embodied communication of musical emotions based on a discussion on the transmission of musical emotions across people by sharing move-ments and gestures. In this model, human with musical emotion is represented with (1) the interfaces of perception and expression (senses, movements, facial and vocal expressions), (2) an internal system of neural activities including the mirror system and the hormonal secretion system that handles responses to musical activities, and (3) the musical emotion that is enclosed in the internal system. Using this model, mu-sic is the medium for transmitting emotions, and communication of musical emotions is the communication of internal emotions through music and perception/expression interfaces. Finally, we will discuss which aspect in music functions to encourage the communication of musical emotions by humans.
著者
大村 英史 柴山 拓郎 高橋 達二 澁谷 智志 二藤 宏美 古川 聖
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.28, 2014

雰囲気は、環境から知覚される情報の総体である。知覚される情報を定量的にコントロールすることは、任意の雰囲気を作り出すために有用であると考えられる。私たちは、音の知覚である音楽に着目し、発音時間および周波数の構造をエントロピーに基づいて構造化し、音楽を生成するシステムを開発した。本システムはwebブラウザ上で動作するため、ユーザは任意の環境で音知覚を行うことができる。
著者
大村 英史 柴山 拓郎 寺澤 洋子 星(柴) 玲子 川上 愛 吹野 美和 岡ノ谷 一夫 古川 聖
出版者
一般社団法人 日本音響学会
雑誌
日本音響学会誌 (ISSN:03694232)
巻号頁・発行日
vol.69, no.9, pp.467-478, 2013-09-01 (Released:2017-06-02)

本稿では,音楽情動に関わる研究を歴史,測定,心理的知見,生理的知見,理論の五つの項目から横断的に概観し,音楽の知覚と情動に関わるメカニズムについて考察を行う。従来の音楽情動の研究では,メロディやリズムなどの音に関する要素と情動の関係に焦点を当てた研究が中心であったが,最近では音楽が持つ背景や聴取環境などの音以外の要素と情動の関係の知見も多く報告されている。これらは,音楽情動を引き起こす原因が音に関する事象だけに存在しているのではなく,他の事象も多く存在することを示している。本稿ではこれらの事象をひとまとめにして,音楽と聴取者の間に存在する,音楽情動を引き起こすための「媒体」と呼ぶ。音楽情動に関係する複数の媒体は互いに影響を与え合い複雑な関係になっていることが考えられる。
著者
大村 英史 平田 圭二 東条 敏 柴山 拓郎
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.31, 2017

音楽聴取の楽しみは期待感の逸脱・実現や,緊張・弛緩などによって成立していると考えられている.これに基づく理論がいくつか提案されている.しかしながら,これらの理論は概念的あるいは心理学的なモデル化にとどまっており計算機上に実装は困難である.本研究では,音楽における期待感の逸脱・実現の計算機上の実装をめざし,音の物理的特性,情報理論,確率,論理に基づいて音楽における期待感の逸脱・実現の定式化を試みた.
著者
大村 英史 柴山 拓郎 高橋 達二 澁谷 智志 岡ノ谷 一夫 古川 聖
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
知能と情報 (ISSN:13477986)
巻号頁・発行日
vol.24, no.5, pp.954-966, 2012-10-15 (Released:2012-11-05)
参考文献数
20
被引用文献数
2 2

本稿では,人間の認知バイアスのモデルを用いた音楽生成システムを提案する.音楽は期待の満足や裏切りによって情動豊かな作品として構成されている.このような音楽における期待の形成とその期待に対する満足や裏切りのダイナミクスを実現するために,緩い対称性(LS)モデルを使用した.このモデルは人間の思考や推論に特徴的な非論理的な対称性バイアスと相互排他性バイアスに基づいた確率モデルである.本システムは,(1)音から音への遷移を音楽におけるメロディの最も単純なイベントとみなし,既存の楽曲から音の遷移の特徴量を抽出し,(2)LS モデルにより「人間的な」改変,汎化を行い,(3)新たなメロディを生成する.メロディ生成に用いられる汎化後の確率分布の平均情報量を調べた結果,LS モデルがほどよい複雑性を作り出していることが確認された.さらに,生成されたメロディの評価のために心理実験を行い,LS モデルが期待に関する満足(音楽的まとまり)と裏切り(意外性)をバランスよく含んだメロディを生成していることを確認した.この結果は,音楽生成における期待感生成に関する認知バイアスの適用の有効性を示唆する.