著者
寺田 昭彦 堀 知行 久保田 健吾 栗栖 太 春日 郁朗 金田一 智規 伊藤 司
出版者
公益社団法人 日本水環境学会
雑誌
水環境学会誌 (ISSN:09168958)
巻号頁・発行日
vol.45, no.3, pp.91-105, 2022 (Released:2022-05-10)
参考文献数
119

近年の超高速シーケンサー技術, 顕微鏡, 質量分析装置の開発のスピードは目覚ましいものがあり, 純然たる環境微生物学や微生物生態学を専門としない工学系研究者でも複合微生物系の機能や活性の解明といった, 微生物群集の高度な生理生態解析が行えるようになっている。このような潮流により, 水処理施設に潜む新奇微生物の存在や, 新機能の発見が進んでいる。本総説では, 水処理施設や自然環境の水質変換に関与する微生物の遺伝子, 細胞, 活性, 代謝物を高解像度に診る最新手法の紹介を行う。さらに, 手法の導入によってもたらされた水処理施設に存在する微生物群の生理生態に関する最新知見と今後の水処理技術の進展に向けた微生物生態研究の展望について概説する。
著者
古米 弘明 片山 浩之 栗栖 太 春日 郁朗 鯉渕 幸生 高田 秀重 二瓶 泰雄
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2009

合流式下水道雨天時越流水(CSO)由来の汚濁負荷が、都市沿岸域における雨天後の水質に及ぼす影響を定量評価し、お台場のような親水空間における健康リスク因子の動態評価手法の開発を試みた。多数の分布型雨水流出解析結果に基づき、降雨パターンの類型化によってCSO発生を大まかに特徴づけることができた。また、ポンプ場や下水処理場からの汚濁負荷を降雨パターンごとに表現できるモデルを構築し、干満の影響を考慮した3次元流動・水質モデルによる大腸菌の挙動予測が可能となった。
著者
古米 弘明 栗栖 太 片山 浩之 鯉渕 幸生 藤田 昌史 春日 郁朗 片山 浩之 鯉渕 幸生 藤田 昌史 春日 郁朗 益永 茂樹
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

合流式下水道雨天時越流水(CSO : Combined Sewer Overflow)に含まれる未規制リスク因子(健康関連微生物、微量化学物質)に着目し、これらが受水域に流出した場合に、どのような挙動を示すのかを評価した。雨天後の東京湾において、未規制リスク因子を含めた汚濁物質の動態をモニタリングすると共に、CSO の東京湾への負荷経路として重要な隅田川に着目して、晴天時および雨天時に24 時間の採水を行った。また、お台場周辺に特化した3 次元流動モデルの精緻化を行い、大腸菌群の挙動を解析した。