著者
岡 芳子 桐山 修八 吉田 昭
出版者
公益社団法人 日本栄養・食糧学会
雑誌
栄養と食糧 (ISSN:00215376)
巻号頁・発行日
vol.27, no.7, pp.347-355, 1974
被引用文献数
2

34種類の香辛料から抽出した脂質の不鹸化物を薄層クロマトグラフィーにかけ, そのステロール部分をβ-シトステロール (β-S) 相当量としてあらわした。 また, ステロール部分のガスクロマトグラフィーを行なった。 コレステロール (Ch) と相対保持時間 (R. R. T.) の等しいピークについて, GC-MSで同定実験をした。<BR>1) 34種類の香辛料のステロール量は乾燥物1g当たり0.08~2.56mgであった。 ステロール組成ではβ-Sは今回のいずれの試料にも含まれていて, celery, cumin, fennelにスチグマステロール (St) がβ-Sより多いのを除いては今回のいずれの試料にも最も多く含まれていた。 β-S, St, キャンペステロール (C) の3種類のステロールのうち, cloveにCが見当たらず, horse radish, laurel, mustardにStが見当たらないのを除いては, β-S, St, Cはいずれの試料にも含まれていた。 ブラシカステロール (Br) がfenugreek,mustard, onionに含まれていた。 Δ<SUP>7</SUP>-stigmastenolがcelery, coriander, dill, tarragonに見られた。 Chがfenugreek, garlic, onion, paprika, redpepperにあった。 Δ<SUP>7</SUP>-stigmastenolと接近してR. R. T. がβ-S 100に対してOV-17とSE30の両カラムで, ともに1.14の未同定のピークがcuminにあった。<BR>2) 前回未同定の, とくにうり類にかならず含まれていたβ-SのあとのピークはΔ<SUP>7</SUP>-stigmastenolであることがわかった。<BR>3) 前回β-Sとして報告したカボチャ, フダンソウ<SUP>3)</SUP>, カンピョウ<SUP>3)</SUP>, キュウリ, シロウリ, トウガン, ヒョウタン, マクワウリ, マスクメロン, プリンスメロンのピークはα-スピナステロール (Sp) であり, Spのあるホウレンソウをも含め, Spのある試料にはΔ<SUP>7</SUP>-stigmastenolの含まれているものの多いことがわかった。 これまで調べたうり類のうち, スイカを除いてはおもなステロールはSpであり, Δ<SUP>7</SUP>-stigmastenolも含まれていた。 pumpkin seedのおもなステロールはSp (Δ<SUP>7</SUP>, 22-stigmastadienol), Δ<SUP>7</SUP>-stigmastenol, Δ<SUP>7, 24 (28) -</SUP> stigmastadienolであることがわかり, うり類にΔ<SUP>7</SUP>のステロールがあることは生合成上興味のあることと思われる。<BR>4) 今回の試料中のfenugreak, garlic, onion, paprika, red pepperのChとR. R. T. の等しいピークを含め, 前報までに見られたChとR. R. T. の等しいピークはGC-MSの結果, すべてChであることがわかり, Chが植物界に広く分布していること, およびナス, ワケギ, onionなどのある種の植物には, かなり多量に含まれていることがわかった。
著者
岸田 太郎 佐伯 茂 桐山 修八
出版者
Japan Society of Nutrition and Food Science
雑誌
日本栄養・食糧学会誌 : Nippon eiyo shokuryo gakkaishi = Journal of Japanese Society of Nutrition and Food Science (ISSN:02873516)
巻号頁・発行日
vol.50, no.4, pp.251-260, 1997-08-10
被引用文献数
2 1 2

本研究により以下のことが明らかになった。<BR>1) DWB, DOFおよびPSFは二価鉄の利用性を促進した。PSFはその発泡度が高いほど大きく二価鉄の利用性を促進した。<BR>2) DWB, DOFおよびPSFは三価鉄の利用性には大きな影響を与えなかった。<BR>3) DOFおよびPSFの二価鉄利用性促進はFe吸収の促進によるものと推測された。