著者
桑原 章 檜尾 健二 山野 修司 苛原 稔
出版者
JAPANESE SOCIETY OF OVA RESEARCH
雑誌
Journal of Mammalian Ova Research (ISSN:13417738)
巻号頁・発行日
vol.22, no.2, pp.59-63, 2005 (Released:2005-06-04)
参考文献数
25

子宮外妊娠は補助生殖医療(ART)による妊娠の約5%に起こることから,その予防が重要な課題である.近年,胚盤胞移植により子宮外妊娠の頻度が減少する可能性が指摘されている.初期胚移植に比べて,胚盤胞移植では移植から着床までの期間が短いこと,また子宮の収縮が胚盤胞移植時期に少ないことから,移植胚が卵管へ輸送される可能性が低い胚盤胞移植は子宮外妊娠予防に有利とされる.一方,不妊原因である卵管因子の有無は子宮外妊娠の発生頻度に影響を与える.ART症例で卵管因子を有する症例の子宮外妊娠率は卵管因子の無い症例に比べて高い.胚盤胞移植と子宮外妊娠の関連を検討した報告では,卵管因子をもつ症例では初期胚移植に比べ胚盤胞移植で子宮外妊娠の発生が少ないが,卵管因子を持たない症例ではこの傾向は認められない.卵管因子をもつ症例にARTを行う場合,移植時期を胚盤胞期にすることで子宮外妊娠の予防が期待される.
著者
五島 瑳智子 丹羽 千鶴子 桑原 章吾 林田 敏夫
出版者
公益社団法人 日本化学療法学会
雑誌
CHEMOTHERAPY (ISSN:00093165)
巻号頁・発行日
vol.11, no.6, pp.358-360, 1963-11-25 (Released:2010-09-24)
参考文献数
5

卯尾田および高井(195)が合成したBis-(5-nitrofurfurylidene)-acetenguanylhydrazoneは,培地に.加えてから加熱滅菌すると高い抗菌価を示すが,無菌的に培地に加えた場合は抗菌価が低く,培地内で物質の変化が予想された。 三浦ら(1961)は上記の物質をアルカリ環境で有機溶媒中で加熱すると閉環反応が起こりastriazineをもつ化合体が生成することを発見し,強力な抗菌作用を示す3-Amine-6-[2-(5-nitro-2-fury1)-viny1]-as-triazineの合成に成功した。その抗菌力については木村ら(1962)の検討がある。私らは上記の2化合体のメチル誘導体である1,5-Bis(5-nitro-2-fury1)-3-pentadienone N4-methy1-amidinohydrazone・HC1(以下,BNP-Mと略す)および3-Methylamino-6-[2-(5-nitre-2-fury1)viny1]-as-triazine・HCI(ANT-Mと略)の新鮮分離ブドウ球菌および赤痢菌に対する抗菌価をしらべたので,つぎにその成績のあらましを報告する。