著者
桑田 寛子 治部 祐里 田淵 真愉美 寺本 あい 渕上 倫子
出版者
The Japan Society of Home Economics
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
pp.193, 2015 (Released:2015-07-15)

目的 ダイジョは別名アラタと呼ばれ、東南アジア原産のヤマノイモ科ヤマノイモ属ダイジョ種に分類される。自然薯に次ぐ粘質多糖類含量であるため、粘りが強い。このため、とろろの起泡性を利用した菓子への利用が期待されるが、えぐみと褐変しやすいという欠点を持つ。今回は冷凍耐性およびえぐみの原因の1つと考えられる針状結晶に着目した。すなわち、ダイジョと他のヤマノイモとの比較を行い、ダイジョの調理特性を検討するための基礎研究を行った。方法 剥皮したダイジョ、ナガイモ、ツクネイモを5%食酢液に30分間浸漬後、すりおろした。砂糖無添加、および10%添加したとろろを-20℃、-30℃、-80℃のフリーザーで凍結した。その後、25℃の恒温器で解凍し、動的粘弾性測定装置でレオロジー特性を測定し、冷凍前と比較した。また、ヤマノイモの皮を含む5㎜角の試料を食酢原液、0.5%塩酸溶液、1%塩酸溶液に浸漬し、針状結晶の有無を低真空走査型電子顕微鏡で観察した。結果 砂糖添加の有無や冷凍温度によって、冷凍後のレオロジーに大差はみられなかった。すべてのヤマノイモの皮下部にシュウ酸カルシウムの針状結晶がみられた。ナガイモに最も多く、次いでツクネイモで、ダイジョは最も少なかった。皮を剥くとき手が痒くなるのは、細胞中に埋もれていた針状結晶が飛び出して、手に刺さるためである。1%塩酸溶液に30分浸漬すると、すべてのヤマノイモの針状結晶が溶けたが、食酢原液では溶けなかった。
著者
木村 安美 治部 祐里 寺本 あい 桑田 寛子 渕上 倫子
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.64, 2012

<b>目的</b> サワラはサバ科の回遊魚で、ばら寿司の具材に使用されるなど岡山の郷土料理に欠かせない食材である。岡山県はサワラの取扱量は全国一で、大半を県内で消費し「岡山県の魚」とも呼ばれている。本研究では岡山県におけるサワラの喫食状況の特色を明らかにするとともに、サワラを用いた郷土料理がどの程度日常食の中に溶け込んでいるのかを検討することを目的とした。<br><b>方法</b> 日本調理科学会特別研究「調理文化の地域性と調理科学」-魚介類の調理-(平成15年7月~平成16年9月)で得られたデータを集計、比較分析を行った。調査地区に10年以上居住している者を対象とし、全国(3,431世帯)、中国・四国(931世帯)、岡山県(380世帯)から回答を得た。得られたデータからサワラ料理を抽出し、喫食率、調理法、郷土料理について比較検討を行った。<br><b>結果</b> サワラの喫食状況は、全国44.5%、中国・四国60.3%に比較し岡山県が156.8%(複数回答)と圧倒的に高く、調理方法では、全国、中国・四国では大半を焼き物が占めるのに対し、岡山県では生ものや煮物が多い結果となった。岡山県南部では北部に比較して生もの、煮物、飯物の割合が多く、北部では焼き物の割合が高かった。飯物の内訳では、押し寿司は全国34.8%、中国・四国61.5%、岡山県0%に対し、チラシ寿司が全国13.0%、中国・四国0%、岡山県72.5%であり、南部・北部に分類すると、南部はばら寿司、北部はサバ寿司が高い結果となった。このことから、岡山県におけるサワラを用いた料理は生もので食べる習慣が今も続き、南部では瀬戸内の新鮮なサワラを用いたばら寿司、北部ではサバ寿司を食する郷土料理の伝統が結果に顕著に表れたと考えられる。
著者
山口 享子 桑田 寛子 石井 香代子 木村 安美 高橋 知佐子 治部 祐里 渕上 倫子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集 平成25年度(一社)日本調理科学会大会
巻号頁・発行日
pp.165, 2013 (Released:2013-08-23)

【目的】日本各地で伝承されてきた年中行事や通過儀礼のハレの日の食事が、親から子へ伝承されない傾向にある。そこで、それらの認知状況、調理状況や食べ方、これらが変化した時期などについて調査を行い、全国レベルで比較検討し、地域性(広島県と全国の違い)を明らかにすることが本研究の目的である。【調査】平成21年12月~平成22年8月に行った日本調理科学会の行事食・儀礼食調査において、47都道府県24,858名の学生及び一般(保護者を含む)からの回答を得た。その中から、広島県に10年以上住んでいる人及び住んだことがある人858名(学生及び一般)を抽出し、お節料理について全国調査結果と比較した。【結果】年中行事を代表する正月に供される食べ物11種類の「一般」の喫食頻度(毎年食べる率)は以下の順番になった。広島県:魚料理>かまぼこ>煮しめ>黒豆>なます>肉料理>数の子>田作り>昆布巻き>だて巻き卵>きんとん。全国:かまぼこ>煮しめ>黒豆>魚料理>肉料理>数の子>なます>だて巻き卵>田作り>昆布巻き>きんとん。お節料理の喫食頻度で一番多かったのは、広島県の一般の魚料理(93.2%)で、全国の一般(81.3%)よりも多く食べていた。広島県の学生の魚料理の喫食頻度は全国とほぼ同じで、約73%の者が毎年食べると答えている。一般の最も少なかったのは広島県も全国もきんとんであった。学生が最も多く食べている物は、広島県、全国ともかまぼこであり、最も少なかったものは昆布巻きであった。家庭で作る頻度が50%以上と多いものは、煮しめ>なます>肉料理であった。