著者
棚田 梓
出版者
一般社団法人社会情報学会
雑誌
日本社会情報学会学会誌 (ISSN:09151249)
巻号頁・発行日
vol.23, no.2, pp.107-121, 2012-03-31

テレビショッピングで買物をする消費行動は,視聴者の間に広く行き渡り,当たり前になっている。民放のテレビショッピングの隆盛と,社会的関心の高まりを受け,2010年の改正放送法では,番組種別の放送時間をテレビショッピングの放送時間も含め,審議会へ報告し公表することが求められることになった。公共の電波を利潤追求に使うことに関して,批判される時期もあったが,大衆に受け入れられ,成長を続けてきた。日本初のテレビショッピングは,1970年関東ローカル番組で「テレビバーゲンセール」と題して,情報番組としてスタートした。本稿では,日本初のテレビショッピング番組を例にとり,番組の最初の理念を探求し,番組制作の面から今後のテレビショッピング番組のあり方を考察する。
著者
棚田 梓
出版者
日本社会情報学会
雑誌
日本社会情報学会全国大会研究発表論文集 日本社会情報学会 第19回全国大会
巻号頁・発行日
pp.191-194, 2004 (Released:2006-02-01)
参考文献数
3

1953(昭和28)年,日本でテレビ放送が始まって50年が過ぎた。テレビは戦前にはなかった,新しいメディアである。テレビ受像機が普及していなかった頃は,街頭テレビの前に集まってプロレスに熱狂した。このように,テレビを無料の娯楽と受けとめていた大衆が,やがてニュースショウを好んで見るようになった。ここ半世紀の変貌を「市民的意識の生成」と捉え,その経過を分析した。 テレビ放送開始から現在までを6つに区切り,テレビ年表でそれぞれの時期の特徴を明らかにする。 ?(前史―1952) テレビ放送前夜 ?(1953―1959) 一億総白痴化 ?(1960―1970) アクセルとブレーキ ?(1971―1984) もうけ主義と合理化 ?(1985―1992) ニュースショウの時代 ?(1993―現在まで)メディアの失われた10年
著者
棚田 梓 岡田 勇
出版者
一般社団法人 社会情報学会
雑誌
社会情報学 (ISSN:21872775)
巻号頁・発行日
vol.2, no.2, pp.33-47, 2013

インターネットメディアの発展により,いわゆる放送と通信の境界があいまいになるにつれ,地上デジタルテレビ放送の地位が急速に低下してきている。しかし,多メディア化が進むにつれ,テレビ局の持っているノウハウや高度な編集能力に基づく高品質な番組を提供しうるポテンシャルは,引き続きメディアとしての差別化された価値を維持する可能性を持っている。視聴者がメディアを選択する時代に,地上デジタルテレビ放送が番組の品質を維持することは,重要な政策課題となるはずである。本稿では,地上デジタルテレビ放送のこのような差別的価値を強化するための方策として,放送倫理・番組向上機構(BPO)に着目し,事例分析を行いBPOの機能と役割について考察した。はじめにBPOは3つの事件を契機として,公権力の介入を阻止することを主目的として役割強化が図られてきたことを明らかにした。次に,BPOは視聴者の苦情処理という側面に加え,番組の品質向上への期待や業界への提言といった積極的役割を行っている一方,BPOの決定を放送局が遵守するというのは申し合わせに過ぎず,BPOが有効に機能しない事例もあることを示した。BPOで討議された事例を分析した結果,BPOは地上デジタルテレビ放送の差別化要因になりうることを指摘した。また,そのために放送業界がBPOの決定を遵守したり,社員教育の徹底を行ったりする必要があることを示した。現在のBPOには客観性についていくつかの批判が存在しているが,その是正には時間がかかることであり現在のBPOの自由度に配慮しつつ活動を見守るべきであることを主張した。
著者
棚田 梓 岡田 勇
出版者
日本メディア学会
雑誌
メディア研究 (ISSN:27581047)
巻号頁・発行日
vol.101, pp.103-118, 2022-08-10 (Released:2022-11-22)
参考文献数
25

To ascertain how editorial freedoms enshrined in the Broadcasting Act are interpreted and how actual broadcasting has developed, it is important to consider how the government has responded to the Diet’s interpretation of the Broadcasting Act, especially regarding how the rules on program editing are interpreted. This paper examines the changes in the government’s responses to the question of program editing rules, which has been an important point of contention for broadcasting freedom. Specifically, a chronological list of changes in the interpretation of the autonomy of broadcasters was compiled based on a comprehensive search of Diet proceedings from the enactment of the 1950 Broadcasting Act until 2020. This list was created by extracting 267 statements from 180 Diet sessions that matched keywords suggesting a connection with the government’s involvement in broadcasting and editorial freedom. The statements were ranked in five levels according to the level of involvement, thereby quantitatively demonstrating the increasing government involvement with each passing year. In this paper, the results are divided into four time periods, and the government’s responses in each period are evaluated. This approach is consistent with previous studies and is thought to facilitate the objective documentation of the changing nature of broadcasting.
著者
棚田 梓
出版者
日本社会情報学会
雑誌
日本社会情報学会全国大会研究発表論文集
巻号頁・発行日
vol.19, pp.191-194, 2004

1953(昭和28)年,日本でテレビ放送が始まって50年が過ぎた。テレビは戦前にはなかった,新しいメディアである。テレビ受像機が普及していなかった頃は,街頭テレビの前に集まってプロレスに熱狂した。このように,テレビを無料の娯楽と受けとめていた大衆が,やがてニュースショウを好んで見るようになった。ここ半世紀の変貌を「市民的意識の生成」と捉え,その経過を分析した。 テレビ放送開始から現在までを6つに区切り,テレビ年表でそれぞれの時期の特徴を明らかにする。 ?(前史―1952) テレビ放送前夜 ?(1953―1959) 一億総白痴化 ?(1960―1970) アクセルとブレーキ ?(1971―1984) もうけ主義と合理化 ?(1985―1992) ニュースショウの時代 ?(1993―現在まで)メディアの失われた10年