- 著者
-
星野 准一
森 博志
- 出版者
- 芸術科学会
- 雑誌
- 芸術科学会論文誌 (ISSN:13472267)
- 巻号頁・発行日
- vol.9, no.1, pp.20-28, 2009 (Released:2010-04-30)
- 参考文献数
- 18
- 被引用文献数
-
2
近年,ゲームやテーマパークなどで,CGキャラクタと対話をすることでストーリーが進行する,音声対話ゲームが見られるようになってきた.このようなゲームでは,ユーザのストーリー体験を強化するために,自然で現実味のある対話を実現することが求められている.しかし,従来ゲームでは,ユーザの発話内容を認識する間CGキャラクタがレスポンスを返すことができないため,CGキャラクタの反応タイミングが遅く不自然に感じられるという問題があった.そのため,本論文では,ユーザの発話内容を理解し反応する熟考的反応だけでなく,会話状態に連動した注意動作や,ユーザの非言語情報を知覚し反射的に注意を向けるといった,反応的注意動作を生成する手法を提案する.最後に,提案手法を音声対話型ゲームに適用し,従来の音声認識の遅延によって発生していたCGキャラクタの反応動作の遅延が軽減され,CGキャラクタとの対話感が増すことを示す.