著者
川口 大司 森 悠子
出版者
労働政策研究・研修機構
雑誌
日本労働研究雑誌 (ISSN:09163808)
巻号頁・発行日
vol.51, no.12, pp.41-54, 2009-12
被引用文献数
5

最低賃金が有効な貧困政策であるかの議論の前提を提供するため, この論文では最低賃金労働者の特性と最低賃金引き上げの雇用への影響を1982年から2002年にかけての『就業構造基本調査』に基づいて実証分析した。女性, 中卒・高卒, 地方勤務, 小売・卸売・飲食・宿泊業, パート・アルバイトといった属性をもつ労働者は最低賃金水準で働いている可能性が高い。2002年には最低賃金労働者の約15%が世帯年収300万円未満の世帯の世帯主であり, 約半数の最低賃金労働者は世帯年収が500万円以上の世帯の世帯員であった。最低賃金の上昇によって影響を受ける労働者の割合が都道府県ごとに異なることを用いた分析によれば, 最低賃金の上昇は10代男性労働者と中年既婚女性の雇用を減少させる。
著者
川口 大司 森 悠子
出版者
労働政策研究・研修機構
雑誌
日本労働研究雑誌 (ISSN:09163808)
巻号頁・発行日
vol.51, no.12, pp.41-54, 2009-12

最低賃金が有効な貧困政策であるかの議論の前提を提供するため, この論文では最低賃金労働者の特性と最低賃金引き上げの雇用への影響を1982年から2002年にかけての『就業構造基本調査』に基づいて実証分析した。女性, 中卒・高卒, 地方勤務, 小売・卸売・飲食・宿泊業, パート・アルバイトといった属性をもつ労働者は最低賃金水準で働いている可能性が高い。2002年には最低賃金労働者の約15%が世帯年収300万円未満の世帯の世帯主であり, 約半数の最低賃金労働者は世帯年収が500万円以上の世帯の世帯員であった。最低賃金の上昇によって影響を受ける労働者の割合が都道府県ごとに異なることを用いた分析によれば, 最低賃金の上昇は10代男性労働者と中年既婚女性の雇用を減少させる。
著者
吉田 修 北川 将之 上田 知亮 石坂 晋哉 油井 美春 長崎 暢子 志賀 美和子 木村 真希子 舟橋 健太 中溝 和弥 田辺 明生 三輪 博樹 伊藤 融 小川 道大 小西 公大 近藤 則夫 森 悠子 和田 一哉 佐藤 仁美
出版者
広島大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2012-04-01

20人弱の日本のインド政治・社会研究者がインドにおける州への分権化・自治の進展について共同・分担して分析を行った。その研究結果は2014年度アジア政経学会西日本大会で発表するとともに同学会誌『アジア研究』第62巻第4号に特集として掲載され、インド政治が一国家の枠内にありながら州を単位とした比較政治の対象でもありうること、また政治的に進展した分権化が全国レベルでの緩やかな統合を可能にしていることが、インド研究の政治学全体への貢献として提示できることが示された。この成果はインドの「社会経済変化研究所」で国際セミナーを開催することでインド国内にもインパクトを与え、今後の国際共同研究に道を開いた。