- 著者
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勝村 誠
重森 臣広
田林 葉
森 隆知
森 正美
- 出版者
- 立命館大学
- 雑誌
- 基盤研究(C)
- 巻号頁・発行日
- 2001
本プロジェクト研究は京都府総務部地方課、京都府企画環境部企画参事、京都府農業会議、府内各基礎自治体と連携しながら進められた。研究の目的は、地方政府の各セクションが中央政府の国土政策・地域政策とのかかわりで、それぞれどのように地域振興政策を展開しつつあるのかを具体的に検証していくことにあった。本プロジェクト研究の過程においては、京都府総務部地方課の協力を得て、歴代の「地域づくり施策」担当者にインタビュー調査を行うとともに、業務を通じて収集された資料のうち公表可能なものを提供していただいた。都道府県の「地域づくり」施策については全国に設置された協議会を府県で運営しているケースが大半であるが、全国的なルール作りや財源保障がないために都道府県政のなかにこの施策がどう位置付くかによって、各府県の実情はさまざまである。また、ソフト事業であり、予算の有無にかかわらずできることはあるため、担当者がこの施策に可能性を見いだすか、否かによって、事業の進展が左右されることも明らかになった。また、本研究プロジェクトがきっかけとなり、京都府地域づくり交流ネットワーク推進協議会と「地・生きネット京都」のメンバーで、実施に地域づくりかかわっているリーダの人々と交流を深め、リーダはどのようにして生まれるのかを、ライフヒストリー調査によって明らかにしてきた。報告書にはライフヒストリー調査の成果を掲載することができなかったが、調査によって得られた知見は報告書の随所に反映されている。地域づくりは自主的に進められなければならないが、その担い手にはある種の使命感が欠かせない。また、地域においてそのリーダを支える基盤も重要である。このたびの調査対象者を見る限りでは、地域づくりリーダの資質として、当該地域とそこに暮らす人びとへの愛着・愛情、まわりからの信頼が必要条件であるという結論が得られた。最後に、プロジェクトの活動を通じて京都府職員の方の共同研究への参加を得て、研究成果も執筆していただけたことも大きな意義があると思う。