著者
中村 修 森田 長吉 岡崎 清
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. A, 基礎・境界 (ISSN:09135707)
巻号頁・発行日
vol.78, no.10, pp.1263-1275, 1995-10-25
被引用文献数
7

超音波体外結石破砕裝置における誤照射防止法の一つとして,結石が確実に焦点部に存在することを検知する目的で実際の衝撃波発射前にトリガパルスを発射する方式がある.本研究ではこの方式で用いるトリガパルスの人体内伝搬の問題を時間領域差分法を用いて検討する.本文ではまず超音波伝搬路の焦点部に結石を置いた場合についてパルスの散乱・反射の様子を解析し,次にこの結石が焦点部から少しずつずれていった場合の反射波の量の変化をトリガパルス機構の動作に関連させて検討する.最後に焦点部に結石を置いた状態でパルス伝搬路付近に骨が存在する場合について,パルスの伝搬・散乱・反射の様子を調べ,骨の位置の違いがトリガパルスの動作にどのような影響を及ぼすかを定量的に評価検討する.
著者
歌川 尚明 須田 保 風間 保裕 森田 長吉
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. A・P, アンテナ・伝播 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.579, pp.65-68, 2003-01-16
被引用文献数
2

マイクロストリップ線路(MSL)給電パッチアンテナの複雑なMSL給電部分を簡単な同軸線路給電モデルで近似し,この部分を含めた全体構造をFDTD解析する方法を提案している.またこの方法を既開発のETC用パッチアンテナに適して放射特性を解析し,その妥当性を検証している.
著者
森田 長吉 趙 海波 風間 保裕 手代木 扶
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. A・P, アンテナ・伝播
巻号頁・発行日
vol.96, no.35, pp.21-26, 1996-05-16
被引用文献数
1

円形および円筒形を主形状とする構造に対する散乱問題やアンテナ問題の解析に適切である円柱座標FD-TD法について,具体的計算アルゴリズムを詳細に検討している.基本計算アルゴリズムについては座標系の違いを除けば直角座標のFD-TD法と全く同様である.本稿ではBerengerのPML吸収境界条件を円柱座標で適用できるようにするとともに,同軸励振のFD-TDモデル化法を新しく提案している.本アルゴリズムの適用例として高誘電率基板円偏波円筒型マイクロストリップアンテナを取り上げ,その放射特性を解析検討した結果についても述べている.
著者
菅 喜岐 森田 長吉 中村 修 岡崎 清
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 A (ISSN:09135707)
巻号頁・発行日
vol.J85-A, no.5, pp.509-517, 2002-05-01

体外衝撃波結石破砕療法は非侵襲的という画期的な特長をもっているため極めて短期間で一般療法として臨床に定着した.しかし,衝撃波による結石破砕に伴う詳細メカニズムや生体への影響はいまだ完全に解明されているとはいえない.これら未解明の部分を解決するためには人体内超音波パルス伝搬のメカニズムをできるだけ正確に再現する手法を確立することが重要である.筆者らは最近FD-TD(Finite-Difference Time-Domain)法に基づく非線形パルス伝搬の数値解析法を提案した.しかし,この方法には水の非線形パラメータ値を通常知られている値よりかなり大きく設定する必要がある点や小さな振動部分が再現できないなどの問題点があった.本論文は基本式の変更も含めたいくつかの改良によってこのような問題をほぼ解決でき,この手法が少なくとも焦点付近の実験波形に関してはこれをかなり正確に再現できる手法となったことを報告するものである.