著者
徳田 良仁 植木 昭和 吉田 篤夫
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
ファルマシア (ISSN:00148601)
巻号頁・発行日
vol.14, no.5, pp.349-354, 1978-05-01 (Released:2018-08-26)

生薬の時間に, 幻覚剤の講義を受けた時, 誰れでも七色の虹ってどんなのかなァと, 一寸あこがれにも似た異味をおぼえた答だ.メズカリン, カワカワ, ハッシシ等々, その後薬理の中枢のところでLSD, ヒロポン, ヘロイン等が増え, 中枢に効力のある薬物はいたずらに用いるまいと思った人も多いと思う.最近, マリファナが世情を騒がせている, 専門家に集っていただいて, 御話を聞いたら面白いことばかり.紙面の都合上涙をのんで, 切り捨てた部分が多かったことをつけ加えておきたい.
著者
植木 昭和
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
化学教育 (ISSN:24326542)
巻号頁・発行日
vol.31, no.2, pp.112-116, 1983-04-20 (Released:2017-09-15)

精神機能が脳の働きであることを疑う人は今日ではほとんどいないであろう。しかし精神活動が化学物質によって著明に変化することが信じられ, 本格的な科学研究の対象になってきたのは1950年代以降のことである。それは精神機能に特異的な作用を及ぼす薬物の発見が契機となった。100億以上の脳細胞の緊密な情報連絡によって営まれる脳の働きには数多くの機能があるが, 他の機能にはほとんど影響なしに, 知, 情, 意というような精神活動だけを選択的に変化させる薬物, それを向精神薬という。ここでは向精神薬の発見から主要な精神疾患の治療薬の進歩まで眺めることによって, 薬の意義や精神活動の脳機構解明の発展などを考えてみたい。
著者
植木 昭和
出版者
公益社団法人日本薬学会
雑誌
藥學雜誌 (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.103, no.9, pp.909-921, 1983-09-25

Characteristics of aggressive behavior induced in rats by olfactory bulbectomy, midbrain raphe lesions, nucleus accumbens septi lesions and an administration of Δ^9-tetrahydrocannabinol were compared and the effects of various drugs were investigated in details. Defensive aggression of these rats was readily inhibited by neuroleptics and antianxiety drugs, while muricide (mouse-killing behavior) was selectively suppressed by antidepressants, indicating that muricide of the rat would be a good animal model for depressive illness. It was also clarified that the neural mechanism for inducing muricide and the response to antidepressants differed each other depending upon the method of muricide induction. It is suggested that these various types of muricide are useful in evaluating the mechanisms of action of antidepressants.