著者
山守 一徳 海野祐史 河合 敦夫 椎野 努
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.43, no.9, pp.2928-2938, 2002-09-15

駅の切符売り場や列車の扉の上などで見かける鉄道の路線図は,等縮尺の地図上の線路図形と比べて大きな変形が施されている.駅間の繋がりを表す位相構造は維持したままでそのような大きな変形を施した路線図をデフォルメ路線図と呼ぶ.我々は,縦方向に圧縮されたデフォルメ路線図をインタラクティブ生成するシステムを開発した.本システムで用いた手法は,各線分を反復並列的にゆっくりと移動させることによって,変形前の位置にできるだけ近い形で変形を行うものである.ユーザは望む結果を得るまで,線分の向きを指示し結果を修正することができる.最後にできるだけ小さな領域内に路線図が収まるように駅名の再配置を行う.実験より,本システムは,縦方向に十分圧縮された満足のいく結果が生成できることが分かった.
著者
河合 敦夫 Pishva Davar 村林 篤 椎野 努
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IE, 画像工学
巻号頁・発行日
vol.98, no.136, pp.1-8, 1998-06-19

画像処理ソフトウェアの蓄積や、ハードウェアの低価格化、高速化により、各種画像処理応用システムが作られている。我々は、現在、菓子パンの種別(クロワッサン、メロンパン、・・・)を認識する画像処理系を試作している。パンの識別のための特徴として、大きさ、概形、輪郭線、色、テクスチャを考えた。大きさ、概形、輪郭線を用いた分類システムを作成した。個々の特徴のみでは、十分な分類はできないが、特徴の組合わせにより、65個中、59個の分類に成功した。また、色、テクスチャのみを利用して、14種類のパンの中心付近の領域の分類を試みた。色相、彩度の平均値、および、彩度、明度の同時生起行列のエネルギー値だけでは、分類がむずかしい領域も存在する。
著者
河合 敦夫 村林 篤 椎野 努
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.55, 1997-09-24

画像処理ソフトウェアの蓄積や, ハードウェアの低価格化, 高速化により, 各種画像処理応用システムが作られている。我々は, 現在, 菓子パンの種別(クロワッサン, メロンパン, ...)を認識する画像処理系を試作している。
著者
田添 丈博 椎野 努 桝井 文人 河合 敦夫
出版者
一般社団法人 言語処理学会
雑誌
自然言語処理 (ISSN:13407619)
巻号頁・発行日
vol.10, no.2, pp.43-58, 2003-04-10 (Released:2011-03-01)
参考文献数
22
被引用文献数
1 3

我々は文章中に現れる比喩表現, その中でも直喩・隠喩的な比喩について, その認識・抽出を目的として研究を進めている. 本論文では, “名詞Aのような名詞B” 表現について, 名詞の意味情報を用いたパターン分類によって比喩性を判定し, 比喩表現については喩詞 (喩えるもの) と被喩詞 (喩えられるもの) とを正確に抽出できるモデルを提案する. この表現には比喩 (直喩) とリテラル (例示など) の2つの用法があり, また比喩であっても名詞Bが被喩詞ではない場合がある. 我々はそれらを機械的に判定するために, これまでに行ってきた構文パターンやシソーラスを用いて喩詞と被喩詞の候補を抽出する手法を発展させ, 名詞Aと名詞Bの意味情報やその関係に従って “名詞Aのような名詞B” 表現を6つのパターンに分類し, 比喩性を判定し喩詞と被喩詞を特定するモデルを構築した. このモデルを日本語語彙大系の意味情報を利用して実装し, 新聞記事データを用いて検証したところ, 得られたパターン分類結果 (比喩性判定結果) と人間のそれとが一致する割合は, 学習データについては82.9% (未知語データを除く), 評価用データについては72.7% (同) であり, 比喩性判定モデルの全体的な処理の流れは実際の文章中の比喩表現認識に有効であることを示した. また, 比喩語という比喩性を決定づける語についてもその効果を示すことができ, モデルへの組み込みの可能性を示唆した.
著者
山守 一徳 海野祐史 河合 敦夫 椎野 努
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.43, no.9, pp.2928-2938, 2002-09-15
被引用文献数
4

駅の切符売り場や列車の扉の上などで見かける鉄道の路線図は,等縮尺の地図上の線路図形と比べて大きな変形が施されている.駅間の繋がりを表す位相構造は維持したままでそのような大きな変形を施した路線図をデフォルメ路線図と呼ぶ.我々は,縦方向に圧縮されたデフォルメ路線図をインタラクティブ生成するシステムを開発した.本システムで用いた手法は,各線分を反復並列的にゆっくりと移動させることによって,変形前の位置にできるだけ近い形で変形を行うものである.ユーザは望む結果を得るまで,線分の向きを指示し結果を修正することができる.最後にできるだけ小さな領域内に路線図が収まるように駅名の再配置を行う.実験より,本システムは,縦方向に十分圧縮された満足のいく結果が生成できることが分かった.Railway maps as seen on the ticket counter at the station or above the door of the train are largely transformed in comparison with the maps with equal reduced scale.And they are largely transformed maintaining the topological structure which represents relation among the stations.We call such type of maps ``deformed railway maps''.We have developed an interactive generation system of deformed railway maps which are compressed vertically.The method used here transforms all edge segment in parallel and iteratively,and the transformed shape becomes as close to the original one as possible.Users can repair the result by specifing edge directions until the comfortable results are obtained.Finally, station names are relocated to make the map as small as possible.In experiments,it was shown that this system can generate the comfortable result which is optimally compressed along vertical direction.
著者
山本 秀樹 甲斐 郷子 大里 真理子 椎野 努
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.31, no.6, pp.849-860, 1990-06-15
被引用文献数
9

本論文では 会話シミュレーションを基にした語学訓練用知的 CAI システムにおいて 学習者に適切な指導を行うための意図の理解とそれに基づいた会話制御を行う方式について述べた.本システムを使用する学習者は シミュレートされている場面に関係した意図だけでなく 英語の知識に関した意図を持つ.この意図が 明示的に示されない場合 システムは それを学習者の誤り 発話文の表層の情報などから理解しなければならない.学習者の意図を考慮した発話を行うために システムの会話制御部を シミュレーション会話制御部 教育会話制御部 および会話制御切替部から構成する.シミュレーション会話制御部は 目標指向の会話モデルに基づいた会話を制御する.発話の中に 目標-副目標関係 目標-手段関係が検出できる場合は 発話は会話の流れに沿っているといえる.会話制御切替部は 学習者からの教育会話の要求や 会話の中の誤りによって教育会話を起動する.教育会話は 学習者の誤った知識を正すなどの教育目標を連成すべく制御される.教育会話の目標が達成されたら 教育会話が起動される以前のシミュレーション会話に制御を移動する.本方式により 従来のシステムと比較して柔軟な教育が可能になり学習効果が向上する.本システムで採用した会話制御部の構成は シミュレーション会話制御部を他の教育対象のシミュレータと入れ換えることにより 英会話以外の知的 CAI システムに対しても応用可能である.