- 著者
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梶田 健史
山守 一徳
長谷川 純一
- 雑誌
- 全国大会講演論文集
- 巻号頁・発行日
- vol.47, pp.337-338, 1993-09-27
- 被引用文献数
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スペースの限られたパンフレットや広告では,デフォルメ(変形)された道案内地図がよく使われる。しかし,これらのデフォルメ地図は,単に物理的制約を満たすためというより,むしろ表現の簡潔さや美しさにその価値を求めて作成されることが多い。また,デフォルメ地図はスケッチを利用したマンマシンインターフェースの観点からも大変興味深い。しかし,位置関係に矛盾が生じない範囲で道路などを変形させる一般的手法がないこと,地図の見やすさや美しさの基準は人間の主観によるところが大きいことなどのため,実際のデフォルメ地図はすべて手作業で作成されているのが現状である。そこで我々は,デフォルメ地図を自動生成するシステムの開発に着手した。今回我々が対象とするのは,道路地図のデフォルメである。ベクトルデータで構成された道路地図の線構造に注目し,交差点間の位相関係に矛盾が生じない程度に変形を加えることで,デフォルメ道路地図を作成するシステムの開発が今回の目標である。本稿では,実際のデフォルメ地図に対する調査と分析の結果と道路のデフォルメのための手法(水平垂直化,平坦化)について説明し,最後に実際のデータを用いた予備的な実験の結果を報告する。