著者
森田 剛 神田 岳文 保井 秀彦 黒澤 実 樋口 俊郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. US, 超音波
巻号頁・発行日
vol.98, no.161, pp.31-36, 1998-07-03

水熱合成法は高温高圧のアルカリ条件下の水溶液中でPZT成膜を行うために立体形状基板への成膜が可能であるという利点を持つ。その応用デバイスとして、マイクロ超音波モータ、加振型接触センサ、補聴器用イヤホンの試作を行った。モータは直径1.4mmへの小型化に成功し、最高回転数600rpmであった。加振型接触センサは分解能66nmを実現し、水中での使用の可能性を示した。また、補聴器用イヤホンでは、駆動電圧1.3Vrmsで60dBの音圧発生を測定した。現在単一プロセス水熱合成法にかわる新たな合成プロセスを開発中である。
著者
樋口 俊郎 鈴森 康一 横田 眞一 黒澤 実 服部 正 則次 俊郎 黒澤 実 服部 正 則次 俊郎 横田 眞一 吉田 和弘 山本 晃生 神田 岳文
出版者
東京大学
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
2004

本研究課題は,特定領域「ブレイクスルーを生み出す次世代アクチュエータ研究」の総括班としての活動に関するものである.この特定領域は,新しい高性能アクチュエータの実現が,社会の様々な局面において今後ますます重要となることを鑑みて活動を開始したものであり,これまで異なる分野で個別に研究されてきたアクチュエータ研究者に共通の活動の場を与えることなどをめざし,平成16年度より平成20年度まで5年間にわたり研究活動を実施してきた.特定領域しての主な研究活動は平成20年度をもって終了しているが,本年度は,これまでの5年間にわたる研究成果をとりまとめ広く公表することを目的として総括班活動を実施した.本年度の中心となった活動は,一連の成果を英文の書籍として出版することであった,特定領域で活動した研究者らにより執筆された原稿をとりまとめ,世界的に著名な出版社であるSpringer社より,Next-generation actuators leading breakthroughsと題する総ページ数438ページに及ぶ英文書籍として2010年1月に出版した.また,2010年1月には,この英文書籍の一般への配布をかねて,この特定領域最後のシンポジウムとなる,3rd International Symposium on Next Generation Actuators Leadin Breakthroughsを東京工業大学大岡山キャンパスにて開催した.シンポジウムでは,出版した書籍の内容に即して,各研究者が研究成果の発表を行った.
著者
樋口 俊郎 古谷 克司 山形 豊 武田 幸三
出版者
公益社団法人精密工学会
雑誌
精密工学会誌 (ISSN:09120289)
巻号頁・発行日
vol.58, no.3, pp.501-506, 1992-03-05
被引用文献数
3

A pocket-size electro-discharge machine of which electrode-feeding is done by using two piezoelectric elements has been developed. One piezo makes inertial force for the Impact Drive Mechanism (IDM). The other piezo adjusts a gap length between an electrode and a workpiece, or forces an electrode to vibrate. To improve the machining performance of the pocket-size electro-discharge machine, forced vibration of an electrode (Vibration method) and the electrode-feeding with fine step of 10 nm (Interpolation method) are examined by using the additional piezo. By the vibration method, the machining time is decreased to 67 % of that without the additional piezo. By the interpolation method, which can make the resolution of the precise positioning mechanism utilizing the IDM finer, the machining time is decreased to 74 %.
著者
樋口 俊郎 清原 正勝 山本 晃生
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2000

本研究では,高出力静電モータが真空環境での駆動や,真空環境での電磁場利用用途への応用に適していることに着目し,モータ技術と非接触浮上技術を統合することで機械的摺動部を排除した超クリーン静電浮上リニアモータを開発することを目的とした.研究の第1段階としては,まずは非接触浮上技術を用いることなく,モータ構成を真空環境に適した構造とすることで真空環境下での位置決め制御等を可能とした静電モータステージを開発した.開発したステージは,真空環境下においても通常環境下と同等の推力を発生することが可能であった.このステージでは,ステージ位置を検出するための静電容量式位置センサを新たに開発した.開発したセンサを用いて,真空環境下での位置決め制御に成功した.第2段階として,静電浮上技術を統合した静電浮上リニアモータの開発を行った.はじめに,静電モータの特性検討を通じて浮上技術との統合手法に関する検討を行い,静電浮上リニアモータの構成および制御方法に関する基礎的手法を提案した.提案した構成に基づき試作機を製作し,提案原理の妥当性を検証した.試作機においては,原理検証を目的とするため,浮上方向1自由度,推進方向1自由度の計2自由度に動作を限定して実験を行った.その結果,移動子を固定子下200μmの位置に静電気力で浮上させ,浮上状態を維持したまま,推進方向へのモータ動作を行うことに成功した.さらに,推進方向の推力についてサーボ制御を試み,位置決め制御を行うことにも成功した.実験で得られた最大推進速度は20mm/sであり,推進時のギャップ変動は最大で20μmであった.これにより,提案した浮上モータの原理の妥当性を確認した.以上の結果より,静電浮上リニアモータの開発という当初の目的は達成されたものと考える.今後は,静電浮上リニアモータに関して,実用化へ向けた技術開発を進めていくことが必要であると考えられる.