著者
服部 正嗣 本田 一郎 松下 英信 小林 大介 大河内 治 坪井 賢治
出版者
日本臨床外科学会
雑誌
日本臨床外科学会雑誌 (ISSN:13452843)
巻号頁・発行日
vol.69, no.9, pp.2229-2234, 2008 (Released:2009-03-05)
参考文献数
16
被引用文献数
4 7 6

症例は22歳,女性.平成18年8月過食による急性胃拡張の診断で入院し保存的治療にて軽快・退院した.10月再び過食後に腹痛・嘔気が出現して当院を受診し急性胃拡張の診断にて入院となった.経鼻胃管挿入にて減圧をはかるも腹痛軽快せず.同日深夜,ショック状態となり挿管呼吸管理,カテコラミン大量投与による循環管理を開始した.CTで腹水とfree air,腹腔穿刺で混濁腹水を認め,緊急手術を施行した.胃は広範に壊死・破裂しており,腹腔内に多量の壊死物質と食物残渣を認めた.脾臓にも壊死を認め,胃全摘術・脾摘出術・腹腔洗浄ドレナージ術を行った.術中もショック状態が続き,術後,DIC・多臓器不全の状態となった.持続血液濾過・血液製剤大量投与などの加療にもかかわらず,術後26時間で死亡した.複雑な家庭環境でのストレスが誘因とされる過食による急性胃拡張が原因で胃壊死・破裂をきたした症例を経験したので報告する.
著者
服部 正嗣 本田 一郎 松下 英信 小林 大介 大河内 治 坪井 賢治
出版者
日本臨床外科学会
雑誌
日本臨床外科学会雑誌 (ISSN:13452843)
巻号頁・発行日
vol.69, no.9, pp.2229-2234, 2008
被引用文献数
7

症例は22歳,女性.平成18年8月過食による急性胃拡張の診断で入院し保存的治療にて軽快・退院した.10月再び過食後に腹痛・嘔気が出現して当院を受診し急性胃拡張の診断にて入院となった.経鼻胃管挿入にて減圧をはかるも腹痛軽快せず.同日深夜,ショック状態となり挿管呼吸管理,カテコラミン大量投与による循環管理を開始した.CTで腹水とfree air,腹腔穿刺で混濁腹水を認め,緊急手術を施行した.胃は広範に壊死・破裂しており,腹腔内に多量の壊死物質と食物残渣を認めた.脾臓にも壊死を認め,胃全摘術・脾摘出術・腹腔洗浄ドレナージ術を行った.術中もショック状態が続き,術後,DIC・多臓器不全の状態となった.持続血液濾過・血液製剤大量投与などの加療にもかかわらず,術後26時間で死亡した.複雑な家庭環境でのストレスが誘因とされる過食による急性胃拡張が原因で胃壊死・破裂をきたした症例を経験したので報告する.
著者
藤田 早苗 服部 正嗣 小林 哲生 奥村 優子 青山 一生
出版者
一般社団法人 言語処理学会
雑誌
自然言語処理 (ISSN:13407619)
巻号頁・発行日
vol.24, no.1, pp.49-73, 2017-02-15 (Released:2017-05-15)
参考文献数
43
被引用文献数
4 3

本稿では,子どもに「内容」と「読みやすさ」がぴったりな絵本を見つけるためのシステム「ぴたりえ」を提案する.本システムは,親や保育士,司書など,子どもに絵本を選ぶ大人が利用することを想定している.絵本を読むことは,子どもの言語発達と情操教育の両面で効果が期待できる.しかし,難しさも内容も様々な絵本が数多くある中で,子ども 1 人 1 人にとってぴったりな絵本を選ぶのは容易なことではない.そこで,ぴたりえでは,ひらがなの多い絵本のテキストを高精度に解析できる形態素解析や,文字の少ない絵本に対しても精度の高いテキストの難易度推定技術などの言語処理技術により,子どもにぴったりな絵本を探す絵本検索システムを実現する.本稿では,こうした言語処理技術を中心にぴたりえの要素技術を紹介し,各技術の精度が高いことを示す.また,システム全体としても,アンケート評価の結果,ぴたりえで選んだ絵本は「読みやすさ」も「内容」も,5 段階評価で平均値が 4.44~4.54 と高い評価が得られたことを示す.
著者
服部 正貴
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.60, no.11, pp.1090-1095, 2019-10-15

Google,Microsoft,Apple,およびアドビが共同で開発した最新のOpenTypeフォント形式「バリアブルフォント」とはいったいどんなものか? いま注目される話題の次世代ディジタルタイプ技術について,開発に至った背景,その考え方と仕組み,そして今後に期待される表現の可能性をフォント開発者の視点から解説する.
著者
服部 正平
出版者
日本臨床免疫学会
雑誌
日本臨床免疫学会会誌 (ISSN:09114300)
巻号頁・発行日
vol.37, no.5, pp.412-422, 2014 (Released:2015-01-06)
参考文献数
26
被引用文献数
3

近年のDNAシークエンシング技術の革新的進歩(いわゆる,次世代シークエンサー; NGS)により,数百兆個の細菌から構成されるヒト腸内細菌叢の集合ゲノム(マイクロバイオーム)の網羅的で高速な解析が可能となった.また,細菌叢の生物学的あるいは生態学的知見を正確に得るための解析技術の開発や改良もなされ,細菌叢の包括的な研究が世界的に進められるようになった.その結果,ヒト腸内細菌叢の基本的な全体構造や機能,食事等の外的因子による影響,さらには様々な疾患における腸内細菌叢の異常(dysbiosis)等が明らかとなり,腸内細菌叢と宿主ヒトの生理現象がこれまでの想像を越えて密接な関係にあることが示唆された.一方で,サンプルの保存や搬送法,DNA抽出法,用いるシークエンサーの種類等の解析プロトコールによる影響についての詳細な精査も必要になっている.本稿では,NGSを用いたヒト腸内マイクロバイオームの解析法について解説する.
著者
土屋 公幸 若菜 茂晴 鈴木 仁 服部 正策 林 良博
出版者
国立科学博物館
雑誌
国立科学博物館専報 (ISSN:00824755)
巻号頁・発行日
vol.22, pp.227-234, 1989
被引用文献数
5

We studied twelve individuals of Ryukyu spiny rats, Tokudaia from Amamioshima Is.(T.o.osimensis). and Tokunoshima Is.(T.sp.). Each individual was examined for chromosome, serum protein, mitochondrial DNA and ribosoma1 DNA polymorphism. The karyotypes were analyzed by the G-banding staining method. The diploid chromosome number of Tokudaia obtained from Amamioshima and Tokunoshima were 25 and 45 respectively in lung tissue culture preparation. Agarose-gel electrophoretic analysis of the serum protein was used to document relationship between two species. Totally three bands of transferrin (Tf) protein were observed on agarose ge1. Tf^a and Tf^b type were seen in T.o.osimensis and Tf^t and Tf^b type in T.sp. The serum albumin patterns of these rats were not identical. The cleavage patterns of mitocondoria1 DNA (mtDNA) from two Tokudaia species were investigated using several restriction enzymes. The sequence divergence between T.o.osimensis and T.sp. about 16.2% was estimated. Genetic differentiation of ribosomal DNA (rDNA) non-transcribed-spacer sequences was analyzed in the two species. Southern blot analysis with a mouse rDNA probe and some restriction enzymes revealed that the major restriction fragments of these Tokudaia species had a unique pattern in the spacer region. The divergence time between T.o.osimensis and T.sp. was calculated about 2∿4 million years. Based on the significant genetic divergence shown we conclude that T.sp. is a taxonomically from T.o.osimensis.
著者
柴田 弘紀 千々岩 崇仁 服部 正策 熊澤 慶伯
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

国内産ハブ3種(ハブ、トカラハブ、サキシマハブ)の遺伝的集団構造を詳細に検討するため、12の島から計44検体を収集し、ミトゲノム配列の決定を行った。最尤系統樹を構築したところ、ハブは沖縄クレードと現在のトカラハブを含む奄美クレードの間で大きく遺伝的に分化していた。また、トカラハブを独立種とする従来の考え方は、ミトゲノムデータからは支持されなかった。また奄美クレードと沖縄クレードの分岐年代は、600万年以上前と推定され、奄美群島と沖縄諸島の地理的な分断(150万年前)よりも古かった。さらに、沖縄クレードに比べて、奄美クレード内では遺伝的多様性が高く、島嶼集団ごとの遺伝的分化が顕著であった。
著者
鳥井 彰人 末永 裕之 寺嶋 康夫 日比野 治生 奥田 哲也 小寺 泰弘 長谷川 満 松尾 尚史 服部 正憲 余語 弘
出版者
Japan Surgical Association
雑誌
日本臨床外科医学会雑誌 (ISSN:03869776)
巻号頁・発行日
vol.48, no.8, pp.1148-1153, 1987

交通事故によって発生した膵完全断裂にARDS (adult respiratory distress syndrome)を合併した1例を経験したので文献的考察を加えて報告する.<br> 症例は40歳の男性で,泥酔状態で乗用車運転中の正面衝突事故にて受傷した. CT等の諸検査によって膵損傷が疑われたが,全身状態が比較的落着いていたため保存的治療を開始した.受傷後3日目より低酸素血症及び呼吸困難が出現し,更に胸部単純レントゲン写真の所見等によりARDSと診断した.レスピレーターによる呼吸管理を行ったが効果無く,状況の改善をはかるべくその原因と思われる膵損傷に対して手術を施行したところ, ARDSは次第に改善し,軽快退院した. ARDSの治療には原因の除去が最も重要であるものと思われた.
著者
田上 創一 佐藤 裕二 村田 祐二郎 服部 正一 洲之内 廣紀
出版者
日本大腸肛門病学会
雑誌
日本大腸肛門病学会雑誌 (ISSN:00471801)
巻号頁・発行日
vol.61, no.1, pp.27-32, 2008 (Released:2008-10-02)
参考文献数
27
被引用文献数
3 1

虚血性腸炎は,一般に保存的に軽快するが,壊死型は不可逆的で緊急手術適応である.原因は,動脈硬化など血管因子と便秘·細菌など腸管因子が関与するとされるが,特定し難い.我々は,救命しえた3例の壊死型虚血性大腸炎を経験し,非閉塞性腸管虚血症(NOMI)との関連を検討した.3例の虚血部位は,いずれも下腸間膜動脈領域に限局し,30, 70, 60時間後に全身状態の改善を待って壊死腸管切除を施行した.術後,3例それぞれ腸管内圧上昇·外傷性ショック·腸内細菌,糖尿病による動脈内膜肥厚·狭小化と便秘·腸内細菌,動脈硬化の進行による狭義の腸管虚血症の悪化と便秘が推定された. 一方,NOMIは,心疾患など高危険群を原因に血管攣縮の結果,再灌流障害から広範に壊死に至る疾患で,診断·治療には血管造影も有効とされる.治療法,生存率,術後Quality of life(QOL)を評価するために,二者の定義を明確にする必要があると思われた.
著者
樋口 俊郎 鈴森 康一 横田 眞一 黒澤 実 服部 正 則次 俊郎 黒澤 実 服部 正 則次 俊郎 横田 眞一 吉田 和弘 山本 晃生 神田 岳文
出版者
東京大学
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
2004

本研究課題は,特定領域「ブレイクスルーを生み出す次世代アクチュエータ研究」の総括班としての活動に関するものである.この特定領域は,新しい高性能アクチュエータの実現が,社会の様々な局面において今後ますます重要となることを鑑みて活動を開始したものであり,これまで異なる分野で個別に研究されてきたアクチュエータ研究者に共通の活動の場を与えることなどをめざし,平成16年度より平成20年度まで5年間にわたり研究活動を実施してきた.特定領域しての主な研究活動は平成20年度をもって終了しているが,本年度は,これまでの5年間にわたる研究成果をとりまとめ広く公表することを目的として総括班活動を実施した.本年度の中心となった活動は,一連の成果を英文の書籍として出版することであった,特定領域で活動した研究者らにより執筆された原稿をとりまとめ,世界的に著名な出版社であるSpringer社より,Next-generation actuators leading breakthroughsと題する総ページ数438ページに及ぶ英文書籍として2010年1月に出版した.また,2010年1月には,この英文書籍の一般への配布をかねて,この特定領域最後のシンポジウムとなる,3rd International Symposium on Next Generation Actuators Leadin Breakthroughsを東京工業大学大岡山キャンパスにて開催した.シンポジウムでは,出版した書籍の内容に即して,各研究者が研究成果の発表を行った.
著者
山影 進 田中 明彦 鈴木 一敏 阪本 拓人 山本 和也 保城 広至 服部 正太 木村 香代子 森 俊勝 光辻 克馬
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2008

国際関係論の重要分野である秩序変動の研究を、近年世界的に注目を集めているマルチエージェント技法を用いて行った。理論的観念的なレベルにとどまらず、政府内、住民集団間、国家間等さまざまなレベルの国際関係の事例についての実証研究に用いるためにモデル構築をおこなった。構築したモデルは、具体的な事象について高い再現性を示すことに成功し、それらの成果を書籍や論文のかたちで公表できた。