- 著者
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横井 良典
中谷内 一也
- 出版者
- 公益社団法人 日本心理学会
- 雑誌
- 日本心理学会大会発表論文集 日本心理学会第85回大会 (ISSN:24337609)
- 巻号頁・発行日
- pp.PC-022, 2021 (Released:2022-03-30)
近年,「人工知能(AI)が人間の仕事を奪う」,「AIが人間を打ち負かす」といったことが議論されている。人間がAIに競争で負けとき,その敗因をどう推察するのかという原因帰属が検討されなければならない。なぜなら,原因帰属は将来の取り組み,感情,自尊心といった多くの変数に影響するからである。AIに負けたときの原因帰属を検討するために,大学生74名を対象に実験室実験を行った。AIと戦うAI条件,人間と戦う人間条件を設けたが,条件に関わらず,参加者はAIと対戦した。人間条件の参加者は事前に「別の参加者と戦います」と教示された。競争課題として,棒取りゲームというオリジナルの課題を使った。このゲームでは,参加者は必ず負けるように仕組まれていた。ゲーム終了後,参加者が敗因をどこに帰属しているのかを測定した。また,同じ相手に再挑戦したいかどうかを行動反応として選択させた。分析の結果,AI条件,人間条件に関わらず,参加者は自身の能力が最も大きな敗因であると帰属していた。再挑戦の選択に関しては,AI条件,人間条件ともに,再挑戦したい参加者の割合は少なかった。