著者
武田 正則
出版者
日本教育情報学会
雑誌
教育情報研究 : 日本教育情報学会学会誌 (ISSN:09126732)
巻号頁・発行日
vol.27, no.4, pp.17-28, 2012-03-30

学校教育をめぐる状況は大きく変化し,学校のみで教育課題全体を解決していくことには限りがある.そのため,学校・家庭・地域等の連携と協働が従来に増して求められ,教育目標の達成のために「協働の仕組みづくり」が課題となっている.本稿では「協働の仕組みづくり」を念頭に置き,子どもらに授業を通じて「参画と協働」を理解させるために参画型協働学習に焦点をあて,学習ファシリテーションの理論的背景を究明する.その方法として,知識創造・参画・協働に関する理論から場の形態(個人知・集団知・組織知),場の能力(知力・参力・協力),場の拡大(情報通信技術による参入)を考察した.結論として,学習ファシリテーションとは問題解決のためのマネジメントデザインと協働促進のためのコミュニケーションデザインの両面を担う学習方法であること,その指導においては5つのファシリテーションスキル(学びの場のデザイン・対人関係・構造化・合意形成・情報共有化)が必要になることを明らかにした.
著者
小林 史枝 武田 正則 佐藤 正暢 山下 好史 杉山 賢司 森田 雅教
出版者
The Japanese Society of Extra-Corporeal Technology in Medicine
雑誌
体外循環技術 (ISSN:09122664)
巻号頁・発行日
vol.24, no.1, pp.59-63, 1997

近年の膜型人工肺は,ハードシェルめ静脈貯血槽との一体型が多く,簡素化されている。しかし,最低貯血量の必要性などにより,人工心肺回路の充填量軽減には限界がある。そこで我々は,低充填量を目的に,静脈血液が貯血槽を経ない遠心ポンプと落差の併用脱血方式の回路を試作し,臨床使用した。脱血回路は,貯血槽から遠心ポンプへの回路の中間へ接続し,主な静脈血は直接遠心ポンプへ流入し,灌流量以外の静脈血は貯血槽の流出口から自然落差により逆流し貯血する。灌流量が不足の場合は,貯血槽から補う方式とした。また,脱血回路にはエアーフィルタを装着し,遠心ポンプへの空気混入を回避した。エアーフィルタは100μmに織ったポリエステルのスクリリーンタイプで,充填量が40mlのものを使用した。このフィルタの性能試験を牛血(Ht=20%)で1分間5mlの空気を4回注入し,フィルタの出口で気泡を検知した結果,40μm以上の気泡は18個で,その内17個が60μm以内で,1個だけ70μmが検知された。この微小気泡は,人工肺出口でも同量が検知されたが,遠心ポンプの拍出には影響なく,最終的には動脈フィルタにおいて全て遮断された。試作回路は充填液量が1,000mlと少なく,脱血回路への空気混入は,エアーフィルタで除去され,弁疾患などの開心術症例にも支障なく使用でき,有用な人工心肺回路であった。
著者
武田 正則
出版者
日本教育情報学会
雑誌
年会論文集
巻号頁・発行日
no.26, pp.218-221, 2010-08-21

グループワークによる参画学習では様々なアクティビティが用いられている。本研究ではオブジェクト指向プログラミングとファシリテーション技法の共通性を探るために目標を「問題解決(プロセス)」,活動を「知識創造技法による作図作業(プロダクト)」とした参画学習のためのアクティビティ・プログラムを開発する.本発表では,このプログラミングにより構築した「ロジックツリー学習モデル」を提示し,学習および校内教員研修において実践する.
著者
武田 正則
出版者
独立行政法人国立高等専門学校機構 仙台高等専門学校
雑誌
仙台高等専門学校広瀬キャンパス 教育研究紀要 (ISSN:24239364)
巻号頁・発行日
vol.46, pp.1-11, 2017 (Released:2017-08-04)
参考文献数
18
被引用文献数
1

In recent years, positioning of information education for the active learning has been attracting attention. Along with it, not only the use of force of the ICT, the teaching method is being questioned. This study explores the situation and philosophy that have been placed by the information education in school education by interpreting on the basis of the information education for active learning in the “Learning by expanding” by Engestrom. On top of that, we refer the facilitation to create an autonomous and cooperate that required to teachers, to clarify the teaching methods of the teacher in this learning.
著者
武田 正則
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2014, 2015

【目的】(一社)岡山県理学療法士会(以下,岡山県士会)は,学術活動として学会や各種研修会を実施している。しかし,近年は業者や団体など行う研修会が多く開催されており,以前に行われていた県士会の県外や高名な講師の招聘といった役割は少なくなってきている。今回は,岡山県士会での企画運営した研修会についてその変遷と特徴を検討し,研修会運営の参考とするために行ったので報告する。【方法】岡山県士会の過去5年間における県学会,特別研修会(日曜日1日コース),卒後研修会(平日夜2時間コース),新人カリキュラム研修会,支部主催研修会について,内容,講師,参加人数,受講者の感想・要望などを中心に検討した。【結果】学会・研修会の回数については,県学会は年1回,特別研修会は年3回,卒後研修会は年3~4回,新人カリキュラム研修会年は年1~5回,支部主催研修会は年4回を基本として行われていた。特別研修会は県外の講師が多く,分野別に多岐にわたり行われている傾向があった。卒後研修会は県内の講師が多く,応用的な内容から基本的な内容へ変遷している傾向があった。新人カリキュラム研修会は県士会員の要望により年1回開催から年5回ほどの分散開催を含めたものに変遷していた。参加者は経験年数が少ない会員が多く10年以上の中堅や特に20年以上ベテランの参加は非常に少ない傾向にあった。【考察】研修会の内容については,特別研修会はトピックス的なものを扱うことを望んでいる傾向があった。卒後研修会は,基本的な知識・技術的なものを求めることが多かった。新人カリキュラム研修会は,A1~5が1日で取得できる1日研修の参加が多く,特に県外からの参加者が近年は増加している傾向にあった。多様化する現在の理学療法に関する研修会の中で,県単位の理学療法士会が担う役割を再構築する必要もあるのではないかと考えられた。
著者
武田 正則
出版者
日本教育情報学会
雑誌
年会論文集
巻号頁・発行日
no.28, pp.206-209, 2012-08-25

近年,ユビキタス情報社会の推進により協働的な学びの環境が整いつつある.そのような中で,教育の情報化ビジョンに対処した授業実践をすすめるには個別・協働・一斉学習などの様態(形態・能力)を弾力的に転移させながら,学習目標の達成に向けた展開が求められる.本研究では,国際援助計画手法であるPCM(project cycle management)手法を参考に,3つの参画領域から協働学習のモデル化をめざした.具体的には,プログラム評価の視点による単元学習指導案(teaching plan),タキソノミー的視点による学習促進案(facilitation plan)の開発および実践をおこなった.