- 著者
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水谷 伸治郎
木戸 聡
- 出版者
- 日本古生物学会
- 雑誌
- 日本古生物学會報告・紀事 新編 (ISSN:00310204)
- 巻号頁・発行日
- no.132, pp.253-"262-1", 1983-12-30
岐阜県加茂郡七宗町上麻生の飛騨川沿いに露出するチャート, 珪質頁岩および砂岩・頁岩からなる三畳・ジュラ系を調査し, 岩相層序学的に, また, 生層序学的に検討した。このうち, 珪質頁岩にはUnuma echinatus群集とDictyomitrella (?) kamoensis-Pantanellium foveatum群集の2放散虫群集が認められる。筆者らは, 後者を代表する特徴種を選び, 4種の放散虫(うち3種は新種)を記載した。このうちDictyomitrella (?) kamoensis n. sp.とPantanellium foveatum n. sp.は代表種であり, 日本の各地にも広く産出する。Pachyoncus kamiasoensis n. sp.は上記の2種と共存するが, 他の地域ではまだ報告されていない。このDictyomitrella (?) kamoensis-Pantanellium foveatum群集に含まれるRistola (?) turpiculaは, 北米オレゴン州のSnowshoe層(Bathonian上部)より産することが知られている。