著者
水野 真理子
出版者
富山大学教養教育院
雑誌
富山大学教養教育院紀要
巻号頁・発行日
no.1, pp.31-49, 2020-03-12

本稿は日系アメリカ作家と彼(女)らを支えたアメリカの文学者たち(作家、文筆家、詩人、編集者)との間にどのような文学的交流が見られたのかを明らかにするという問題意識のもと、ヨネ・ノグチと女性作家たちに焦点を当てる。ノグチは『日本少女の米国日記』を執筆する過程で、英文の推敲や内容について、高い文学的素養を持ったアメリカの女性作家・文筆家たち、とくにレオニー・ギルモアから、かなりの助力を得た。彼女らとの文学的交流がノグチに与えた影響について、『日本少女の米国日記』を中心に検討する。作品に描かれる朝顔嬢という日本人女性像が、同時代の明治の日本人女性像とどのように異なっているのか、またノグチがアメリカの女性作家たちをどう評価していたのか、そして帰国後のノグチの女性像にどのような影響が与えられたのかについて考察する。
著者
水野 真理子
出版者
富山文学の会
雑誌
群峰
巻号頁・発行日
vol.7, pp.65-84, 2022-04-01
著者
水野 真理子
出版者
富山大学ヘルン(小泉八雲)研究会
雑誌
ヘルン研究
巻号頁・発行日
vol.4, pp.28-40, 2019-03-31

アメリカにおける日本表象の系譜について考察する際には、ハーンの日本関連著作の検討は避けられないだろう。それと同時に、近年注目を集めている女性作家エツ・スギモト(杉本鉞子)による『武士の娘』(A Daughter of the Samurai)(1925)を代表作とした彼女の数々の作品も、分析対象にする必要があると思われる。そこで、両者の作品を日本表象の観点から比較し、類似点、および相違点などを確認したい。さらにハーンとスギモトがアメリカの作家や後に続く日本文化論者に、どのように評価されたのかを探ってみたいと思う。そして、そこで得られた結論を、今後の日本表象の系譜考察の一助としたい。