著者
米家 泰作 中山 大将 竹本 太郎 三島 美佐子 水野 祥子 永井 リサ 中島 弘二
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2021-04-01

本研究は、明治後期から昭和戦前期にかけての、帝国日本のフォレスター(林学者や林政官僚、林業技術者、林業家)が、本国と植民地(ないし勢力圏)において、どのようにして人材と学知のネットワークを築き、植民地化された人々と接しながら、「帝国林業」を展開したのかを問うものである。さらに、帝国日本が展開した「科学的林業」によって確立した森林保全的な思想が、旧植民地にもたらしたポストコロニアルな影響を検討する。その際、近代科学の発展を帝国主義の空間的な展開のなかで捉えるとともに、イギリス帝国との比較を通じて日本の「帝国林業」の特色を捉える。
著者
平井 昂宏 貝沼 関志 林 智子 長谷川 和子 青山 正 水野 祥子 鈴木 章悟 西脇 公俊
出版者
一般社団法人 日本集中治療医学会
雑誌
日本集中治療医学会雑誌 (ISSN:13407988)
巻号頁・発行日
vol.23, no.6, pp.647-650, 2016-11-01 (Released:2016-11-01)
参考文献数
10
被引用文献数
2

プロポフォール注入症候群(propofol infusion syndrome, PRIS)は,プロポフォール使用中に横紋筋融解,急性腎傷害(acute kidney injury, AKI),乳酸アシドーシス,脂質異常症などを来す症候群である。早期にPRISを疑いプロポフォール中止によって救命できた一例を経験した。症例は44歳の男性,スタンフォードA型大動脈解離に対して弓部置換術を行った。術後にプロポフォールを用いて鎮静を行っていたところ,血液生化学検査でCKが15,247 IU/lまで上昇し,AKI,乳酸アシドーシスを認めたためにPRISを強く疑った。プロポフォールの投与中止によりCKは速やかに減少し,AKI,乳酸アシドーシスも改善した。後に撮影されたCTで大腿から臀部の筋内に高吸収域を認め,横紋筋融解後の変化があった。プロポフォールの長期投与中はCK,pH,乳酸値などを定期的にモニタリングし,PRISを疑った場合は早期に他の鎮静薬への変更が必要であると考えられた。