著者
永井 暁行
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
心理学研究 (ISSN:00215236)
巻号頁・発行日
pp.92.20322, (Released:2021-06-30)
参考文献数
14
被引用文献数
1

In the first semester of the 2020 academic year, many universities and junior colleges in Japan were affected by COVID-19 and had to switch to non-in-person classes. This study explored active learning attitudes in online classes. The survey was conducted in two sessions (late June and mid-August). Participants (489 undergraduate and junior college students) completed a questionnaire and the results showed that students’ attitudes toward active learning and preference for online learning did not dramatically change during this period. In order to obtain insights into the changes in attitudes toward active learning, the present study used a multiple-population analysis to examine the relationship between attitude and an item related to preferences for online learning. The results showed that there was a positive association between preferences for online learning and active learning among first-year students, but not among second-year students and above. The influence of online learning needs to be considered particularly as regards first-year students.
著者
永井 暁行
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.66, no.1, pp.54-66, 2018-03-30 (Released:2018-04-18)
参考文献数
36
被引用文献数
6 5

本研究は,友人関係で傷つきを回避しようとする傾向にあると分類されていた大学生の中にも,高いソーシャルスキルを持ち円滑な関係を築ける大学生と,そうではない大学生がいることを示し,それぞれの大学生の友人との付き合い方の特徴を明らかにする目的で行われた。そのため,友人関係で傷つくことを回避しようとするか否かという態度と,ソーシャルスキルによって大学生の友人との付き合い方を分類し,また,その分類ごとの居場所の実感について検討した。本研究では大学生357名(男性122名,女性235名)を対象とした質問紙調査を行った。分析の結果,態度とスキルによる友人関係の類型は5群に分類された。それぞれの類型はその特徴から配慮・スキル不足距離確保群,スキル標準傷つき無関心群,スキル成熟傷つき回避群,スキル不足傷つき回避群,スキル成熟親密関係群と命名された。この類型によって居場所の実感の違いを検討したところ,居場所を実感しやすいのはスキル成熟傷つき回避群,スキル成熟親密関係群であった。本研究から傷つきを避けるような気遣いをしてしまう大学生の中にもソーシャルスキルが高く,受容される関係を形成・維持できている大学生がいることが明らかになった。
著者
永井 暁行
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.64, no.2, pp.199-211, 2016
被引用文献数
5

本研究では, 大学生の友人関係の取り方の特徴と, 友人関係と学校適応感の関連を検討した。そのために, 友人への援助要請のスタイルと友人からのソーシャル・サポートの受容が友人関係の取り方によってどのように異なるのか, またそれらが学校適応にどのように影響するのかを友人関係ごとに取り上げた。大学生270名(男性140名, 女性130名)を対象とした質問紙調査を行った。分析の結果, 大学生の友人関係は4群に分類することができ, それぞれ友人関係回避群, 接触遠慮群, 積極的関係群, 友人関係尊重群とした。友人関係4群による学校適応感の違いを検討したところ, 友人関係回避群のみ学校適応感が低いという結果が得られた。また, 4群ごとに援助要請スタイルとソーシャル・サポートの受容が学校適応感に及ぼす影響を検討した。その結果, 友人関係回避群ではソーシャル・サポートの受容が負の影響を示し, 援助要請自立傾向が正の影響を示した。接触遠慮群ではソーシャル・サポートの受容が正の影響を示した。本研究から友人関係の違いによってソーシャル・サポートの効果が異なることが明らかになった。