著者
永田 英治
雑誌
宮城教育大学紀要 = Bulletin of Miyagi University of Education (ISSN:13461621)
巻号頁・発行日
vol.48, pp.113-123, 2014-01-27

The X club in the historical studies of scienceA sketch of the meetings of the X clubT. H. Huxley’s relationship with the members of the X clubJ. Tyndall’s relationship with the members of the X clubThe X club, the members of the council of the BA, and lectures delivered to the Operative Classes in the meetings of the BAThe two committees on science education and on national provision for the rosecution of physical research
著者
千葉 芳明 本田 亮 神田 展行 永田 英治
出版者
宮城教育大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2000

われわれ身の回りには光に関する現象が数多くある。しかし、初等、中等教育の現場でその理論的背景を説明するには工夫が必要である。本研究では、偏光現象を用いた着色現象に注目して光と物質の相互作用に関する教材を創案し、光や色についての本質を学ぶプログラムを提案した。主な研究内容を記す。1.偏光現象から始める光と物質の相互作用教材の研究偏光板の間に高分子のシートを挟むと色が現れる。つぎに、偏光子、または偏光子を回転すると色が変わる。、2枚の偏光板の偏光軸が平行の場合の透過光の色と、垂直な場合に現れる色は互いに補色の関係である。なぜ、このような現象が現れるか、容易に説明できる実験教材を開発研究を行った。具体的には、偏光によって、互いに補色の関係にある2つの色が現れることに着目し、偏光の状態によって光が吸収されることを追究する学習教材の検討を行った。この関係をわかりやすく説明するために実験教材と学習方法について研究した。2.偏光による着色現象の本質を理解するためには、物質中で光の位相速度が変わる(屈折の法則)の理解を深める必要がある。その屈折の法則を演示す教材を創案した。本装置を用いると、入射角を変えたとき、屈折角がどのように変わるか、視覚的に理解できる。さらに、屈折の法則で保存される量は何かを考察することができる。3.光と磁気の相互作用を理解する学習教材の開発大学におけるファラデー効果の実験教材を開発した。試料となるガラス素材には、市販されいるガラス素材のなかで、ベルデ定数がもっとも大きいTb高濃度ガラスを用いた。ガラス素材の長さを大きく(8cm)とすることで大きな回転角が得られ、磁場によって、光の偏光面が回転する様子を確認できた。次に、ファラデー回転の回転角度の大きさが、光の振動数に依存することに着目する。光源に白色光源を用いると透過光のスペクトルを変えることができる。磁場によって物質の色が変わるので、磁場と光の相互作用のデモ実験として有効である。4.電磁波教材に発展させるためのに、磁石とリニアーモーターを理解させるための学習プログラムのついての研究をおこなった。
著者
永田 英治
出版者
宮城教育大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2002

本研究は,1880年代に初等・中等学校での科学教育が開始された時,ニュートン科学とその粒子論的な物質観の教育がおこなわれたことを,実験教材の追跡をとおして明らかにした。当時使用された,英国,米国の教科書の多くが,それらの科学をとりあげていたからだけではなかったのである。また,明治初期に,そのような科学の教育が実現できた背景には,江戸時代末期に移入された科学があったとこを明らかにした。つまり,オランダ経由で,移入された物理科学は,ニュートンの力学と同時に,ニュートンの粒子論的な物質観(『光学』第二版,1717)にもとづく実験をふくむものだったことである。つまり,ス.グラーフェザンデや,P.v.ミュッセンブルックらの科学書が,J.T.デザギュリエを筆頭とする18世紀ニュートニアンになる科学と同じ内容をもっていたのである。そのことを,力学実験,凝集力実験などについて追跡した。この研究では,同時に,J.T.デザギュリエによる科学の公開講座が,ヨーロッパ,ことにオランダに波及していった歴史を追跡する必要があった。その調査によって,ヨーロッパに広がった科学啓蒙活動では,ニュートン力学,ニュートンの粒子論だけでなく,火力,蒸気機関や気球の可能性を追求する活動と無縁ではなかったことが明らかになった。そのことが,日本の科学教育の思想にあたえた影響は無視できないが,それが,教材にまであたえた具体的な影響については,今後の研究課題として残すことになった。その成果は,国際科学機器シンポジウムでの発表'The Reception of Newtonian Corpuscularism in Japan -A case study of Experiments on Cohesion of Matter -.','The Introduction and diffusion of Atwood's machine in Japan',および『理科教室』誌上での連載「たのしい科学を切り開いた科学者たち」として報告したが,最終的に『たのしい科学の講座を開いた科学者たち』(星の環会,2004)にまとめることができた。
著者
兵藤 友博 梶 雅範 岡本 正志 中村 邦光 松原 洋子 永田 英治 東 徹 杉山 滋郎 高橋 哲郎
出版者
立命館大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2000

本研究の目的は基本的に、2003年度から始まる、高等学校の理科教育への科学史の本格的導入にあたって、これまでの科学史の成果をどのようにしたら生かせるかにあるが、その研究成果報告書の概要は以下の通りである。第一に、科学史研究関連の文献・資料の調査・調達をおこなうと共に、科学史教育の意味について論じた先行研究の分析を行ない、それらの中から高等学校の理科教育に適用しうるタイトルをピックアップし整理した。第二に、高等学校の理科教育における科学史の導入、その教材化の望ましいあり方について検討すると共に、個別教材の位置づけを検討し、それらの構成のあり方、理科教育における科学史教育の目標などについて検討した、より具体的にいえば、科学的発見の歴史的道筋、科学的認識の継承・発展のあり方・科学法則・概念の形成の実際、科学実験・観測手段のあり様とその時代的制約、あるいは理論的考察や実験、観察に見られる手法、またそれらの理科学習への導入のあり方について、個別的かつ包括的な検討をおこなった。また、個別科学史教材に関わって、科学の方法の果たした役割、科学思想との関連などについて検討した。第三に、その上で、新科目「理科基礎」を含む高等学校の理科教育を射程に入れた科学史の教材化の開発研究をおこなった。具体的には、物理学史系、化学史系、生物学史系、天文学史。地学史系の個別科学史分野別にトピック項目を設定し、ケース・スタディ的にその具体化をおこなった。本研究プロジェクトが掲げた当初の目標を達成した。これらの成果について、最終的に冊子として印刷し、広くその成果を普及することにしている。