- 著者
-
千葉 芳明
本田 亮
神田 展行
永田 英治
- 出版者
- 宮城教育大学
- 雑誌
- 基盤研究(C)
- 巻号頁・発行日
- 2000
われわれ身の回りには光に関する現象が数多くある。しかし、初等、中等教育の現場でその理論的背景を説明するには工夫が必要である。本研究では、偏光現象を用いた着色現象に注目して光と物質の相互作用に関する教材を創案し、光や色についての本質を学ぶプログラムを提案した。主な研究内容を記す。1.偏光現象から始める光と物質の相互作用教材の研究偏光板の間に高分子のシートを挟むと色が現れる。つぎに、偏光子、または偏光子を回転すると色が変わる。、2枚の偏光板の偏光軸が平行の場合の透過光の色と、垂直な場合に現れる色は互いに補色の関係である。なぜ、このような現象が現れるか、容易に説明できる実験教材を開発研究を行った。具体的には、偏光によって、互いに補色の関係にある2つの色が現れることに着目し、偏光の状態によって光が吸収されることを追究する学習教材の検討を行った。この関係をわかりやすく説明するために実験教材と学習方法について研究した。2.偏光による着色現象の本質を理解するためには、物質中で光の位相速度が変わる(屈折の法則)の理解を深める必要がある。その屈折の法則を演示す教材を創案した。本装置を用いると、入射角を変えたとき、屈折角がどのように変わるか、視覚的に理解できる。さらに、屈折の法則で保存される量は何かを考察することができる。3.光と磁気の相互作用を理解する学習教材の開発大学におけるファラデー効果の実験教材を開発した。試料となるガラス素材には、市販されいるガラス素材のなかで、ベルデ定数がもっとも大きいTb高濃度ガラスを用いた。ガラス素材の長さを大きく(8cm)とすることで大きな回転角が得られ、磁場によって、光の偏光面が回転する様子を確認できた。次に、ファラデー回転の回転角度の大きさが、光の振動数に依存することに着目する。光源に白色光源を用いると透過光のスペクトルを変えることができる。磁場によって物質の色が変わるので、磁場と光の相互作用のデモ実験として有効である。4.電磁波教材に発展させるためのに、磁石とリニアーモーターを理解させるための学習プログラムのついての研究をおこなった。