著者
Nebil Achour 宮島 昌克 池本 敏和 稲垣 潤一
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
地震工学論文集 (ISSN:1884846X)
巻号頁・発行日
vol.28, pp.164-164, 2005

2004年新潟県中越地震における医療機関の被害状況に関する現地調査およびアンケート調査を行なった. その結果に基づき, 医療機関の建物被害, ライフライン被害, 医療施設の被害などが地震直後の医療機能に及ぼした影響を分析した. さらに, 距離減衰式を構築して各病院の最大加速度を推定し, 地震動強さと被害程度の関係を定量的に考察した.
著者
村田 晶 小野 寺大 宮島 昌克 池本 敏和
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集A1(構造・地震工学) (ISSN:21854653)
巻号頁・発行日
vol.65, no.1, pp.52-58, 2009 (Released:2011-04-30)
参考文献数
8

建物の地震被害に大きな影響を与える要素として,地震動特性については,近年飛躍的に発展を遂げた国内各種の強震観測網により,多くの情報が得られるようになった.しかし,能登半島地震のように地方では震度情報しか得られない事例も見られ,被害を推定するためにはより正確な地震動の推定が求められる.そこで本研究では,このように情報の少ない地区で地震動を推定するために,周辺の地震記録と常時微動観測を用いた地震動波形の推定を行うことで,建物被害との関係について検討を行う.その結果,推定した地震動と建物被害との関係を地震動の強さだけでなく地震動と建物の共振による被害について考察した.
著者
宮島 昌克 池本 敏和 アシュール ネビル
出版者
一般社団法人日本建築学会
雑誌
日本建築学会北陸支部研究報告集 (ISSN:03859622)
巻号頁・発行日
no.48, pp.5-8, 2005-07-10

本研究では、災害時に重要拠点となる医療機関に注目し2004年新潟県中越地震による被害状況を明らかにするとともに、主として、医療機関におけるライフラインの機能被害が医療機能に与えた影響について考察した。その結果、医療施設の場合、建物の被災度判定を行うだけでは十分ではなく、ライフラインの機能被害など、医療機能に影響を及ぼす各要因の被災度を検討し、総合的に医療機能の被災度を判定する必要があることが示唆された。
著者
宮島 昌克 北浦 勝 池本 敏和 村田 晶 清野 純史 能島 暢呂
出版者
金沢大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2005

現在,被害地震の直後には被災建築物応急危険度判定士によって建物の健全度が判定されているが,医療機関の機能の健全度を評価するものではないので,医療機関においては効果を発揮し得ない。このような観点から本研究では,医療機関における建物の健全度のみならず,救命ライフラインや医療機器の耐震機能評価法を考究することを目的とする。まず,過去の地震における医療機関の被災資料を収集した。近年わが国で発生した地震のみならず,アルジェリア・ブーメルデス地震やイラン・バム地震などの被害についても調査し,世界共通の視点から分析した。その結果,地震後の医療機能損失の要因としては建物そのものの損壊,ライフラインの機能喪失,医療機器の転倒,落下に大きく分ける必要があることが明らかとなった。つぎに,2007年3月に発生した能登半島地震と7月に発生した新潟県中越地震の際に被災地の医療施設に対して地震被害が医療機能に与えた影響に関するアンケート調査を実施した。ここでは,上記のように,建物そのものの損壊,ライフラインの機能喪失,医療機器の転倒,落下に分けて,それぞれの被害が医療機能にどのような影響を及ぼしたかについて整理,分析した。その結果,能登半島地震および新潟県中越沖地震では,医療施設において生活機能,医療機能の両面に対して断水被害の影響が目立ったことが明らかとなった。さらに,長周期地震動に対して敏感であると考えられ,しかも医療機器類に多い,キャスター付き機器の振動特性を明らかにするために,正弦波を用いた振動台実験を行い,医療機器類のフラジリティ曲線を求めた。さらに,病院内のライフラインの損傷や薬品棚の転倒が医療機能に及ぼす影響を検討し,それぞれのフラジリティ曲線を提示するとともに,地震時の医療機関の機能損曲線を提案した。
著者
宮島 昌克 池本 敏和 幸左 賢二 清野 純史 吉田 雅穂 山口 謙太郎 鶴来 雅人 村田 晶
出版者
金沢大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2009

イラン・タブリーズ市において世界遺産の登録を目指しているバザール(市場)を対象として、北タブリーズ断層を想定地震断層とした強震動予測を行った。その際、各種地盤調査を行って、建設地点の地盤動特性を明らかにした。強震動予測結果を用いて耐震診断を行うとともに、耐震補強法について具体的に提案した。また、2010年10月10日~11日にイラン・タブリーズ市において歴史的組積増構造物の地震および地震工学に関するイラン・日本二国間セミナーを開催した。