著者
池田 幸夫 酒井 啓雄 古川 博
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会研究会研究報告 (ISSN:18824684)
巻号頁・発行日
vol.23, no.4, pp.17-18, 2007 (Released:2018-04-07)

潮汐現象は高校地学で学習する身近な自然現象の一つである。高校地学の教科書では、潮汐は次のように説明されている。①潮汐は主に月の引力と地球の公転による遠心力の合力によって起こる、②月に面した側とその反対側で満潮となる。③満月と新月の時に干満差が最大になる(大潮)。④満潮と干潮は一日にほぼ2回起こる。このうち満潮と干潮の時刻については、問題があるのである。満月の日に月が南中するのは真夜中の 0 時である。したがって、①が正しいならば、大潮の日の満潮は真夜中と真昼に起こらなければならない。ところが、実際には朝と夕方に満潮となり説明と矛盾している。この矛盾は、潮汐の波の速度(約 200 ㎞/s)が地表面に対する月の移動速度(約 470 ㎞/s)に比べてはるかに遅く、月の動きについて行けないことが原因である。本研究では、潮汐を単振動モデルで表し、月の引力の変動に対する海水の運動を力学的に考察して、月の運動に対して潮汐波の位相が 180 °のときに周期的に安定した運動になると考えれば、この矛盾を説明できることが明らかになった。
著者
松村 浩一 池田 幸夫
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会研究会研究報告 (ISSN:18824684)
巻号頁・発行日
vol.24, no.5, pp.5-8, 2007 (Released:2018-04-07)
参考文献数
7
被引用文献数
1

教科の理解は、本質をつかんだ理解,共感しながら得た知識,歴史的・文化的な背景を理解した上での幅広い知識のつながりを得ることが大切である。そのためには,ねらいを持った観察や体験を準備すること,科学理論が発表された当時の歴史的・文化的背景を知ること,科学史を活用すること,生活へ応用されていることを具体的に知ること等と同時に,楽しい・おもしろい・きれいなどの感情を大切にした授業の実施について配慮する必要がある。そのためにも,教師の幅広い研修や教材開発が必要である。
著者
池田 幸夫 酒井 啓雄 古川 博
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
科教研報
巻号頁・発行日
vol.23, no.4, pp.17-18, 2007

潮汐現象は高校地学で学習する身近な自然現象の一つである。高校地学の教科書では、潮汐は次のように説明されている。①潮汐は主に月の引力と地球の公転による遠心力の合力によって起こる、②月に面した側とその反対側で満潮となる。③満月と新月の時に干満差が最大になる(大潮)。④満潮と干潮は一日にほぼ2回起こる。このうち満潮と干潮の時刻については、問題があるのである。満月の日に月が南中するのは真夜中の 0 時である。したがって、①が正しいならば、大潮の日の満潮は真夜中と真昼に起こらなければならない。ところが、実際には朝と夕方に満潮となり説明と矛盾している。この矛盾は、潮汐の波の速度(約 200 ㎞/s)が地表面に対する月の移動速度(約 470 ㎞/s)に比べてはるかに遅く、月の動きについて行けないことが原因である。本研究では、潮汐を単振動モデルで表し、月の引力の変動に対する海水の運動を力学的に考察して、月の運動に対して潮汐波の位相が 180 °のときに周期的に安定した運動になると考えれば、この矛盾を説明できることが明らかになった。
著者
池田 幸夫
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会研究会研究報告 (ISSN:18824684)
巻号頁・発行日
vol.24, no.5, pp.33-38, 2007 (Released:2018-04-07)
参考文献数
11

観察・実験と理論・法則は自然科学を構成する基本的な要素である。両者の関係に基づいて,理科授業を2つの型に分けることができる。まず,観察・実験によって得たデータから,きまり(理論・法則)を帰納的に発見させる授業が理論追求型である。学校で行われている問題解決型の授業の多くは,この型である。一方,理論や法則を前提にして,問題解決活動に重点を置いた授業が理論依存型である。理論や法則に対する矛盾を自覚させる場面をうまく仕組むことによって,理論依存型授業は科学的思考力の育成に大きな効果を発揮し,科学に対する学習者の興味関心を高めることが可能である。
著者
山下 美樹 遠藤 孝夫 池田 幸夫 神山 貴弥
出版者
広島大学
雑誌
萌芽研究
巻号頁・発行日
2004

平成17年度は、東奥義塾における教育の実態を探る為の基本的資料の発掘、並びにその収集という平成16年度の取組みの上に、さらに下記6項目についての資料収集を行った。1.昨年度収集した外人教師ジョン・イング(JHON ING)以外に、東奥義塾草創期からその衰退期にいたる外人教師に関する資料。2.昨年度からの継続として、弘前第二小学(現和徳小学校)の教員の質を裏付ける履歴書、並びに諸資料の発掘。3.弘前第二小学の教員によって組織された「自他楽会」と称する読書会、勉強会にかかわる諸資料の収集。その中には、約600冊に上る「書物」の一覧表、貸出簿等が含まれている。4.地元新聞「東奥日報」における、学校記事を含む明治期の教育関係関連記事に関する全資料。5.明治10年から18年に西津軽郡山田小学校で学んだ成田らくの授業ノート(算数、理科)。6.藤崎村における外人教師ジョン・イング(JHON ING)の動向。特に青年教育(農業指導)に関する資料の発掘。これらの資料は、直接的に、また間接的に東奥義塾における教育の実態を明らかにするものである。なお、本研究成果は平成18年度中に下記8章で構成される図書として広く公に資する予定である。1.福沢諭吉がめざした日本の近代化-窮理に託した福沢の願い-2.藩校「稽古館」から東奥義塾へ-全国にあった文化の原点-3.東奥義塾での革新的な動き-自然科学の授業はかくあるべし-4.天覧授業(授業再現)-明治天皇を仰天させた5人の塾生-5.東奥義塾生海を渡る(留学の記)-私費による留学-6.文学社会(総合学習の精神ここにあり)-これぞ福沢のめざした近代の精神-7.自由民権運動への流れ(東奥義塾党)-東奥義塾の光と陰-8.東奥義塾が果たした役割-地方には地方の意地があり、それが革新的な教育を生む