著者
本屋 敏郎 河内 明夫 園田 純一郎 鳴海 恵子 冨重 恵利紗
出版者
九州保健福祉大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

本研究では、それまでに当研究班の開発した2次元コードお薬手帳鑑査システムを保険薬局の薬剤業務へ試験的に導入し、他業務への不都合な影響のないことを確認した。またより円滑な運用のためにシステムのプログラムを一部修正し、2次元コードリーダーでの読み取りとお薬手帳運用に適切なQRコードの印字サイズを明らかにした。またお薬手帳記載薬剤と処方せん記載薬剤の薬剤鑑査に本システムを用いることにより、鑑査精度の向上と時間短縮のもたらされることを確認した。さらに本システムを保険薬局薬剤師へ紹介し、多くの保険薬局薬剤師に「試してみたい」と期待をもって受容されていることを確認した。
著者
河内 明夫 冨重 恵利紗 柴田 由香里 鳴海 恵子 園田 純一郎 武田 泰生 本屋 敏郎
出版者
一般社団法人 日本プライマリ・ケア連合学会
雑誌
日本プライマリ・ケア連合学会誌 (ISSN:21852928)
巻号頁・発行日
vol.36, no.2, pp.99-105, 2013 (Released:2013-07-01)
参考文献数
7
被引用文献数
1

要 旨目的 : 地域住民を対象とした調剤報酬講義により保険薬局における医療費の内容について理解を促し, それが受講者の保険薬局の選択に影響を及ぼすか否かについて検討した. 方法 : 受講者34名に対し, 講義前後アンケートを実施した. 解析対象はアンケートに記入不備のなかった29名とした. 結果 : 保険点数付き領収証を見たことがないと回答した受講者は34.5%であり, 保険点数を理解した上で支払っていたとの回答は25.0%であった. 講義後, 保険薬局の業務内容において服薬指導は55.2%の上昇, 調剤, 薬歴管理及び疑義照会はそれぞれ27.6%, 27.6%及び20.7%の上昇を示した. 講義後, 薬局選択の理由は病院近くの薬局で37.9%の減少, 薬の説明指導がしっかりしている薬局や相談対応の良い薬局ではそれぞれ72.5%, 20.7%の上昇となった. 結論 : 調剤報酬を学ぶことによって地域住民が保険薬剤師の職能を理解することは保険薬局の選択に好影響を与える可能性が示唆された.
著者
河内 明夫 冨重 恵利紗 江崎 文則 都 亮一 中川 みか 園田 純一郎 鳴海 恵子 佐藤 圭創 本屋 敏郎
出版者
日本社会薬学会
雑誌
社会薬学 (ISSN:09110585)
巻号頁・発行日
vol.32, no.2, pp.27-32, 2013-12-10 (Released:2015-06-26)
参考文献数
12

As of 2011, about 12.8 million people in Japan had osteoporosis, which is a social issue in that it increases the number of patients who are bedridden or require residential care and its poor prognosis increases the mortality rate. We delivered a presentation on osteoporosis prevention to residents;the presentation consisted of ultrasound bone densitometry readings followed by a slide show, based on the readings. This report summarizes the presentation and considers whether it was effective in enhancing awareness of osteoporosis. The presentation was given to 39 residents, who were asked to complete a questionnaire before and after it. Of the 31 female respondents, 16.1 percent had bone density in the “low or caution” range;for all eight male respondents, it was “sufficient” or “average.” After the presentation, over 90 percent of respondents selected “agree” or “slightly agree” in response to the statements “I want to have regular exercise and participate in sports,” “I want to eat nutritionally sound meals,” and “understanding one’s bone density is useful for the prevention of osteoporosis.” In addition, 97.4 percent of the residents responded that the lecture was “useful” or “somewhat useful,” and 94.9 percent indicated satisfaction with it. The presentation was considered to be useful in enhancing residents’ awareness of osteoporosis.
著者
松本 幸夫 渡辺 正 河内 明夫 松本 堯生 加藤 十吉 森田 茂之 西田 吾郎
出版者
東京大学
雑誌
総合研究(A)
巻号頁・発行日
1988

本研究の性格上、研究成果は多岐にわたるが、ここではその全般的特徴を述べ、特記すべき事項を挙げる。全般的には、低次元多様体に関連する分野で特に活発な研究が行なわれたことが目立つ。研究計画で述べた数理物理学と低次元多様体論の関連はその後も深く追求された。個別的な事項を掲げる、C^*環の研究の中で発見された結び目の新しい多項式(Jones多項式等)の位相幾何的統制力は河内の「イミテ-ション理論」によりかなり明らかになった。ゲ-ジ理論と4次元多様体論の共通の基盤であるインスタントンのモジュライ空間は、計量構造(松本堯生を中心とする広大グル-プ)と位相構造(東大グル-プ)が共に深く研究された。最新の成果として、2次元共形場理論に由来する新しい3次元多様体の不変量の発見(河野)が著しい。この不変量は、曲面の写像類群と本質的に関係するが、写像類群のコホモロジ-は、森田茂之の研究によって、その構造がかなり明らかになった。とくに、写像類群の特殊な部分群(Torelli群)とCasson不変量の関係の解明は深い成果と言える。ゲ-ジ理論の3次元版と言うべきFloerホモロジ-群の計算が吉田朋好によって精力的に遂行され、シンプレクティック幾何のマスロフ指数との関連が発見された。3次元双曲幾何の分野では、小島、宮本による測地境界を持つ3次元双曲多様体の最小体積の決定は特筆に値する。低次元多様体論以外の分野では、幾何構造の入った葉層構造(稲葉・松元)、Godvillon-Vey類(坪井)、同変sコボルディズム論(川久保)、複素空間への代数的群作用に関する上林予想(枡田等)、完全交差特異点(岡睦雄)、Approximate Shape理論(渡辺)がある。昭和63年〜平成元年に20余の研究集会と2つの合同シンポジウム(静岡大学・福島大学)を開催した。結論として、本研究は当初の目標を十分に達成し、更に新たな研究課題を見出したと言える。
著者
河内 明夫 岸本 健吾 清水 理佳 金信 泰造 田山 育男 森内 博正
出版者
大阪市立大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2012-04-01

「領域選択ゲーム」の応用研究として、スイッチシステム「量子スイッチ」の試作品を作った。「領域選択ゲーム」は図形ゲームである。その幼児版のゲームにより数字をよく知らない幼児がどの程度数学アルゴリズムを獲得できるかを研究するためのデータを取得し、その解析を行った。この図形ゲームの効能を説明するために、数学を思考する際の脳の働きを研究し、雑誌論文や図書として発表した。大阪市立大学医学部老年内科の医師の意見を取り入れて高齢者の視空間認識機能のリハビリテーションのための高齢者向け「領域選択ゲーム」を開発し、共同研究を締結した高齢者のケア施設に、それを搭載したiPadを貸与して、検証試験を行っている。