著者
甲斐 憲次 浦 健一 河村 武 朴(小野) 恵淑
出版者
社団法人日本気象学会
雑誌
天気 (ISSN:05460921)
巻号頁・発行日
vol.42, no.7, pp.417-427, 1995-07-31
参考文献数
13
被引用文献数
18

本研究では,東京環状八号線道路付近の上空に主として夏季に現れる列状の積雲(環八雲)の発生原因を明らかにするために,出現日の気温・風向・風速・天気図について事例解析を行った.その結果,環八雲は,環状八号線沿いにおいて,夏季の日中に風系の異なる海風の収束によって上昇気流が生じることとヒートアイランド循環によって対流活動が活発になることによって発生する雲であると推定される.都市気候学的視点からみると,環八雲は東京のヒートアイランド循環と東京湾・相模湾の海陸風循環の相互作用として説明することができる.
著者
河村 武
出版者
日本気象学会
雑誌
天気 (ISSN:05460921)
巻号頁・発行日
vol.19, no.9, pp.467-483, 1972-09
著者
鈴木 力英 河村 武
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
地理学評論 Ser. A (ISSN:00167444)
巻号頁・発行日
vol.68, no.12, pp.779-791, 1995-12-01 (Released:2008-12-25)
参考文献数
15
被引用文献数
1 1

日本における地上から300hPaまでの気温逆転層(接地逆転層は除く)の地域性と季節性を明らかにすることを試みた.資料には高層観測磁気テープを使用し,1983年3月~1987年2月の4年間を対象期間とした.対象地点は国内の20地点,対象時刻は日本標準時で9時と21時である.逆転層の月別出現頻度と出現高度の情報をもとにクラスター分析を行ない,日本列島を5つの地域(北海道型,東本州型,仙台・館野型,西日本型,太平洋島しょ型)に区分し,次のような結果を得た.北海道型では1,000~950hPaの気層で逆転層が梅雨期を中心に31%(6月)の頻度で発生し,これはオホーツク海気団の影響と考えられる.750hPaを中心とした逆転層の出現頻度の極大は夏季を除いた季節に全国でみられ,冬季季節風,および移動性高気圧等に伴う沈降性逆転が原因であると考察される.
著者
河村 武
出版者
The Association of Japanese Geographers
雑誌
Geographical review of Japan, Series B (ISSN:02896001)
巻号頁・発行日
vol.58, no.1, pp.83-94, 1985-04-01 (Released:2008-12-25)
参考文献数
12
被引用文献数
14 16

戦後の東京およびその周辺地域における大気環境の著しい変化を,大気汚染と都市化に伴う都市気候の面から展望した。大気汚染とその直接の影響が反映する視程の推移を見ると,(1)1949年以前,(2)1950-1963年,(3)1964-1970年,(4)1971年以降の4期に分けられ,経済活動や使用燃料の変遷や大気汚染対策などの要因との対応が明らかである。都市域の拡大や都市活動の変遷に対応して,ヒートアイランドが拡大しその強度が強くなったばかりでなく,大気汚染との相互作用が,1960年代の汚染最盛期のクールアイランドの形成やSO2濃度の日変化型の推移に見られる.また都市内外のクーリングディグリーデーや体感気候の差にも言及した.
著者
河村 武
出版者
The Association of Japanese Geographers
雑誌
地理学評論 (ISSN:00167444)
巻号頁・発行日
vol.33, no.3, pp.105-112, 1960
被引用文献数
1

昭和33年9月26日東日本を襲つた台風22号(狩野川台風)による伊豆半島付近の詳細な降水量分布を検討した.本報の目的は,従来ほとんど取扱われなかつたマイクロないしはメソスケールの降水量分布を現象面で捉えることにある.とくにこの程度の規模の現象は,地形の影響を大きくうけるので,現存の観測網では容易に実態を把握できないが,共軸相関図の作成その他の若干の作業を行うことにより,できる限り資料的制約を克服するように努めた.内容的には次の点に大別される.<br> (1) 総降水量分布図の作成(分布図第3図). (2) 1時間降水量の時間的変化(第4図). (3) 面積雨量の時間的変化(第5図).<br> なお狭い地域内の量の分布に対する地形の影響,風上斜面と風下斜面との雨量差および高さによる雨量差などが如何に大きいかが第2図から知られる.
著者
河村 武
出版者
社団法人日本気象学会
雑誌
天気 (ISSN:05460921)
巻号頁・発行日
vol.48, no.3, 2001-03-31